素因数分解の極意
公開日
2022年7月26日
更新日
2026年7月26日
この記事の主な内容
この記事のポイント
・素因数分解とは、整数を「素数だけのかけ算」に分けること(例:120 = 2×2×2×3×5)
・2と5は「末尾」、3と9は「各位の数字の和」、11は「1つおきの足し引き」で見抜ける
・小さい素数から順に外していくのが、いちばん速くて確実なやり方
・4848のようなくり返しの数は101、947947なら1001で割れるという裏ワザもある
結論|「見つけやすい素数」から順に外していけば、素因数分解は速くなる
みなさんこんにちは。和からの数学講師の伊藤です。大きめの数字を見るとついつい素因数分解してしまうのは私だけでしょうか。日ごろから「この数字はどんな数で割れるのかな?」と考えてしまうのですが、それだけではなく、素因数分解しておくとその数字を覚えやすくもなります。人の誕生日なども「この人はたしかこんな風に分解できたな」と考えると、ちょっと覚えやすいのです。
素因数分解を速くするコツは、ひとことで言えば「見つけやすい素数から順に外していく」ことです。2、5、3、9、11には、計算しなくても見抜ける判定法があります。この記事では、私が実際に使っている見つけ方を、順番にご紹介していきます。

↓↓↓動画で見たい方はこちら↓↓↓
素因数分解とは?|整数を素数のかけ算で表すこと
素因数分解とは、120 = 2×2×2×3×5(= 2³ × 3 × 5)のように、整数(自然数)を素数のかけ算で表すことです。このときの2、3、5といった素数たちを、120の素因数と呼びます。
ここでいう素数とは、1と自分自身以外に約数を持たない2以上の整数のことです。2、3、5、7、11、13……と続きます。1は素数に含めません。
たとえばお釣りの598円を素因数分解するというのは、「598を2で割ると299。これは3でも割れない、5でも7でも割れない……あ、13で割れる。299 ÷ 13 = 23 だから、素因数分解すると 2 × 13 × 23 だな」といった具合に、金額を素数のかけ算で表すということです。
13や23といった大きめの素数を見つけるのは少し大変ですが、簡単に見つけられる素因数がいくつかあります。まずはそこから外していきましょう。
コツ①|2と5は「末尾」を見るだけでわかる
まず、数字を見ただけで見つけられる素因数は2と5です。数字が偶数であれば必ず2を素因数に持ちますし、末尾が5であれば5を素因数に持ちます。
末尾が0であれば、2と5の両方を素因数に持ちます。同じように末尾が00の場合は、2と5をそれぞれ2つずつ持つことがわかります。末尾に0がn個ある場合は、2ⁿ × 5ⁿ × 〇 という形になるのです。この〇の部分には、末尾の0を除いた残りを素因数分解した結果が入るので、桁が小さくなって計算がぐっと楽になります。
コツ②|3と9は「各位の数字の和」でわかる
次に見つけやすいのは3です。3の倍数の判定法として、「すべての位の数字を足したものが3の倍数なら、元の数も3の倍数」というものがあります。
たとえば123という数字は、各位を足すと 1+2+3 = 6 となり、6は3の倍数です。つまり123も3の倍数だとわかります。
ちなみに、もしすべての位を足したものが9の倍数であれば、その数字は9の倍数になります。この場合は 9 = 3 × 3 なので、素因数に3を2つ含むことになりますね。
コツ③|11は「1つおきに足し引き」でわかる
最後に、11の倍数の判定法もご紹介しておきます。次のような特徴を持つ数字は、11の倍数だと判定できます。
・同じ数字が偶数個ずつ並んでいる(88、2288、11661111など)
・奇数個の数字のくり返しになっている(123123、7182871828など)
・偶数桁の数字が、上から読んでも下から読んでも同じ(3773、97344379など)
これらはどれも、「各位の数字を1つおきに足し引きしたものが11の倍数なら、元の数も11の倍数」という法則にもとづいています。たとえば123123という数字は、1-2+3-1+2-3 = 0 となり、0は11の倍数です。したがって123123も11の倍数だとわかります。この法則は単体でも使えるので、覚えておくと便利かもしれません。
おまけの裏技|くり返しの数は101・1001で割れる
最後に、桁数が多いのであまりお目にかかることはありませんが、ちょっとした裏ワザをご紹介します。
まず、2桁の数字のくり返しになっている4848のような数です。この数字を101で割り算してみると、見事に割り切ることができます。なぜ割り切れるのかは、この割り算を筆算で計算していただくとご理解いただけるかと思います。101は素数なので、素因数分解すると 101 × 〇 という形になります。この〇には48を素因数分解した 2⁴ × 3 が入ることになり、かなりの時間短縮になります。
続いて、3桁の数字のくり返しになっている947947のような数です。これは先ほどと同じ理由で1001で割り切ることができます……が、なんと1001は素数ではありません。1001 = 7 × 11 × 13 なので、この場合は 947947 = 7 × 11 × 13 × 947 となります。947は素数なので、素因数分解はここで完了です。こういったテクニックも、覚えておくと周りの人と差がつけられるかもしれませんよ。
素因数分解は何の役に立つのか
「素因数分解なんて日常で使わない」と思われるかもしれませんが、じつは身近なところで働いています。分数の通分や約分は、分母・分子を素因数に分けて共通部分を見つける作業そのものですし、最大公約数・最小公倍数を求めるときも素因数分解が土台になります。
さらに大きな話をすると、インターネットの暗号技術は「大きな数の素因数分解はとても時間がかかる」という性質を利用して成り立っています。私たちが安心してネットショッピングできるのは、素因数分解の難しさのおかげでもあるのです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 素因数分解のやり方がわかりません。何から始めればいいですか?
小さい素数から順にわっていくのが基本です。まず2で何回われるか、次に3、5、7……と試していきます。わり切れなくなったら次の素数へ進み、最後に残った数が素数になったら終了です。2と5は末尾を見るだけ、3は各位の数字の和を見るだけで判定できるので、そこから始めると速く進みます。
Q2. 素数と素因数のちがいは何ですか?
素数は「1と自分自身以外に約数を持たない2以上の整数」そのものを指します(2、3、5、7、11……)。素因数は「ある数を素数のかけ算で表したときに登場する素数」のことです。たとえば120 = 2³ × 3 × 5 のとき、2・3・5が120の素因数です。
Q3. 1は素数ですか?
1は素数ではありません。素数の定義は「1と自分自身以外に約数を持たない2以上の整数」なので、1は含まれません。1を素数に含めてしまうと、素因数分解の答えが1通りに決まらなくなってしまうためです。
Q4. 素因数分解は大人になってから学び直せますか?
学び直せます。素因数分解に必要なのはわり算と九九だけで、特別な準備はいりません。むしろ「何のためにやるのか」を理解できる大人のほうが、コツをつかむのは早い傾向があります。和からの数学教室でも、算数の内容から学び直される方が多くいらっしゃいます。
まとめ|小さい素数から順に外していけば、素因数分解は怖くない
いかがでしたでしょうか。素因数分解は、2と5を末尾で、3と9を各位の数字の和で、11を1つおきの足し引きで見抜きながら、小さい素数から順に外していけば確実にたどり着けます。くり返しの数は101や1001で割れる、という裏ワザも覚えておくと便利です。
ここまでの内容を押さえれば、日常のあらゆる場面で素因数分解を楽しめるはずです。素因数分解はいろいろなサイトやアプリでゲーム化されているので、試しに始めてみると意外とハマってしまうかもしれません。
あわせて読みたい:
・倍数の判定法|2・3・4・5・9の倍数を見分けるコツ
・公倍数と公約数とは?最小公倍数・最大公約数の求め方
・整数とは?自然数との違いから素数までやさしく解説
●和からのセミナー一覧はこちら
●お問い合わせフォームはこちら
素数表150000個 真実のみを記述する会(著) 暗黒通信団
算数・数学を、大人になった今こそ学び直しませんか?
和からの「大人のための数学教室」では、プロ講師があなたのペースに合わせて算数レベルから伴走します。「四則計算や分数から自信がない」という方こそ歓迎です。無料の学習相談から始められます。
→ 大人のための数学教室(個別指導)
新着記事
同じカテゴリーの新着記事
同じカテゴリーの人気記事
この記事に関連する教室: 数学教室 → 社会人の学び直し講座 →



