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通分とは【算数からやさしく解説】

公開日

2022年8月14日

更新日

2026年7月26日

この記事のポイント

通分とは、2つ以上の分数の分母をそろえることです
・分母がちがう分数は「区切りの幅」がちがうので、そのままでは足せない・比べられないのです
・そろえる数は分母の最小公倍数を使うといちばんラクです
・大きさを変えずに分母を変えるコツは、分母と分子に同じ数をかけることです

結論|通分とは「分母をそろえて同じものさしにすること」

通分(つうぶん)とは、2つ以上の分数の分母の数をそろえることです。

なぜそんなことをするのか。理由はシンプルで、分母がちがう分数どうしは、そのままでは足すことも比べることもできないからです。分母は「1つをいくつに区切ったか」を表しています。区切りの幅がちがうものを並べても、どちらが大きいのか、合わせていくつなのかは判断できません。

そこで分母をそろえて、同じ幅の目盛りに直してあげる。これが通分です。目盛りさえそろえば、あとは分子どうしを足したり比べたりするだけで済みます。

1/2と1/3は区切りの幅がちがって足せないが、分母を最小公倍数6にそろえて3/6と2/6にすると5/6と計算できることを帯グラフで示した図
分母を最小公倍数6にそろえると、はじめて足し算ができる

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なぜ通分が必要なのか|ケーキの例で考える

ホールケーキで考えるとイメージしやすくなります。

1/4にスライスしたケーキと、1/5にスライスしたケーキ。合わせてどのくらいの量になるでしょうか。また、どちらが多いでしょうか。分母がちがうままでは、どちらも即答できません。

そこで通分します。1/4を5/20、1/5を4/20に直してみましょう。どちらも「ケーキを20等分した1切れ」を単位にした表し方になりました。ここまで来れば一目瞭然で、1/4のケーキのほうが1/20だけ大きく、合わせると9/20——ホールの半分弱、と分かります。

通分をマスターすると、分数の足し算・引き算がぐっと簡単になります。逆にいえば、分数の計算でつまずく原因の多くは、この通分の一手間にあるということです。

通分の手順①|分母の最小公倍数を見つける

2つの分数を通分するには、両方の分母に共通する倍数——公倍数を見つける必要があります。

探し方はシンプルで、それぞれの分母の倍数を書き出して、共通するものを探すだけです。1/2 と 1/3 でやってみましょう。

2の倍数:2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20
3の倍数:3, 6, 9, 12, 15, 18, 21

共通しているのは 6, 12, 18 …。これが2と3の公倍数です。このうちいちばん小さい6を使うのが最小公倍数を使った通分で、数が小さいぶん計算がラクになります。

公倍数であれば12や18を使っても答えは正しく出ますが、数が大きくなるほど計算が重くなり、最後に約分する手間も増えます。迷ったら最小公倍数と覚えておけば十分です。詳しくは公倍数と公約数とはの記事もあわせてご覧ください。

通分の手順②|分母と分子に同じ数をかける

そろえる分母が決まったら、次は分子を調整します。ここでいちばん大事なのが、分母と分子に同じ数をかけるというルールです。

1/2 の分母を6にするには、2に3をかけます。このとき分子の1にも同じ3をかけて、3/6とします。同じように 1/3 は分母に2をかけるので分子にも2をかけて2/6。これで 3/6 + 2/6 = 5/6 と計算できました。

なぜ分母だけを変えてはいけないのか。分母と分子に同じ数をかける操作は、3/3(=1)をかけているのと同じだからです。1をかけても大きさは変わりません。だから見た目が3/6に変わっても、値は1/2のままなのです。分母だけを6にしてしまえば、それはもう別の数になってしまいます。

つまずきやすいポイント

通分でよくある間違いは、次の3つに集約されます。

分子にかけ忘れる:1/2を「3/6」ではなく「1/6」にしてしまうパターン。最も多いミスです
公倍数を大きく取りすぎる:2と3の分母を6ではなく36にしてしまい、計算も約分も大変になる
足すときに分母まで足してしまう:3/6+2/6を「5/12」としてしまうパターン。分母は「目盛りの細かさ」なので足しません

いずれも、通分の意味が「同じものさしにそろえること」だと理解できていれば防げます。手順の暗記ではなく、図でイメージを持っておくことが結局は近道です。

大人にとっての通分|「単位をそろえる」という発想

「分数なんて仕事で使わない」と感じる方も多いと思います。しかし通分の本質——比べる前に単位をそろえる——という発想は、ビジネスの数字を扱ううえで日常的に必要になります。

月次の売上と四半期の売上をそのまま並べない。人数あたりの数字と総額をそのまま比較しない。異なる期間・異なる母数のデータを見るときに、まず土台をそろえてから比べる。これはまさに通分と同じ作業です。

また、精度が求められる場面では小数より分数のほうが有利です。1/3を0.333…と書けば必ず誤差が生じますが、分数のままなら正確な値を保てます。分数の扱いに慣れることは、値を正確に計算する力量的なイメージをつかむ力の両方につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 通分とは何ですか?

通分とは、2つ以上の分数の分母をそろえることです。分母がちがう分数は「区切りの幅」がちがうため、そのままでは足したり引いたり大小を比べたりできません。分母をそろえて同じ大きさの単位に直すことで、はじめて分子どうしを比べられるようになります。

Q2. 通分をするときの分母は、どの数にすればよいですか?

それぞれの分母の公倍数、なかでも最小公倍数にするのが基本です。1/2と1/3なら、2の倍数(2, 4, 6, 8…)と3の倍数(3, 6, 9…)に共通する6が最小公倍数なので、分母を6にそろえます。公倍数であれば12や18でも計算はできますが、数が大きくなり約分の手間が増えます。

Q3. 分母を変えたのに、分数の大きさが変わらないのはなぜですか?

分母と分子に同じ数をかけているからです。1/2の分母を6にするには3をかけますが、このとき分子の1にも同じ3をかけて3/6とします。これは1/2に3/3(=1)をかけているのと同じことなので、見た目は変わっても大きさは変わりません。分母だけを変えてしまうと別の数になってしまいます。

Q4. 通分と約分のちがいは何ですか?

通分は複数の分数の分母をそろえる操作で、ふつうは分母が大きくなります。約分は1つの分数の分母と分子を同じ数で割って小さくする操作です。分数の計算では、通分してから足し引きし、最後に約分して整えるという流れがよく使われます。

まとめ|通分は「比べられる形に直す」作業

通分とは、分母をそろえて分数を比べられる形・足せる形に直す作業です。そろえる数は分母の最小公倍数、そして分母と分子には必ず同じ数をかける。この2点さえ押さえれば、通分でつまずくことはほとんどなくなります。

分数が苦手だと感じている方の多くは、計算そのものではなく「なぜそうするのか」が腑に落ちていないだけです。ケーキの絵や帯の図で一度イメージをつかんでしまえば、その先の分数の足し算・引き算は驚くほどスムーズになります。

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