大人が学ぶ算数 ―和・差・積・商って?計算の順序ときまりとは?―
公開日
2020年6月14日
更新日
2026年7月26日
この記事の主な内容
この記事のポイント
・和=たし算の答え、差=ひき算の答え、積=かけ算の答え、商=わり算の答えです
・この4つの計算をまとめて四則計算(四則演算)と呼びます
・×と÷を+と−より先に計算するのは、かけ算が「ひとまとまり」を表しているからです
・「そう決まっているから」ではなく、意味から納得できる考え方を図で解説します
結論|和・差・積・商は「四則計算の答え」につく名前
和(わ)・差(さ)・積(せき)・商(しょう)とは、たし算・ひき算・かけ算・わり算の「答え」を指す呼び名です。1+2=3の「3」が和、3−2=1の「1」が差、2×3=6の「6」が積、6÷3=2の「2」が商です。問題文に「和を求めよ」とあれば「たし算をしなさい」という意味になります。

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和・差・積・商とは|4つの計算と答えの名前
あらためて整理します。「和」は加法(たし算)の結果、「差」は減法(ひき算)の結果、「積」は乗法(かけ算)の結果、「商」は除法(わり算)の結果です。学生時代に習っているはずの言葉ですが、大人になると日常で口にする機会が少なく、急に聞かれると自信がなくなる——という方は実はとても多いところです。
和からの個別指導でも「テキストに書いてあるこの、和・差・積・商って…なんでしたっけ?」というご質問をいただくことがあります。忘れていること自体はまったく問題ではありません。言葉と操作さえ結びつけば、その場で使えるようになります。
四則計算は日常のどこで使っている?
四則計算は、意識しないうちに毎日使っています。たとえば――
・たし算…その日の朝昼晩の合計摂取カロリーを出すとき
・ひき算…買い物をしたあとの財布の残額を考えるとき
・かけ算…同じ商品を3個まとめて買うとき
・わり算…飲み会の会計を割り勘にするとき
「算数なんて生活で使わない」と感じている方でも、四則計算だけは実際に毎日使っています。ここを言葉のレベルで押さえ直しておくと、以降の学び直しがぐっと楽になります。
計算の順序(計算のきまり)|なぜ×と÷を先に計算するのか
計算は基本的に左から順番に行いますが、×(かけ算)と÷(わり算)は+(たし算)と−(ひき算)より先に計算するというきまりがあります。小学校の「計算のきまり」で習う内容ですが、「そう決まっているんだ、ふーん」で通り過ぎてしまいがちな部分でもあります。
どの数でも成り立つことを厳密に証明しようとすると難しい話になりますが、意味から納得することはできます。次の例題で考えてみましょう。
【例題】パン屋さんで、メロンパンを2個と、ロールパン(2個セット)を3袋買いました。合計で何個のパンを買ったことになるでしょうか?
式で表すと 2+2×3 です。きまりを守って計算すれば 2+6=8個。しかし順序を無視して左から計算すると (2+2)×3=12個 となり、「12個買ったと思ったのに、帰って数えたら8個だった」という食い違いが起きてしまいます。

そもそもかけ算には「○が△つ分ある」という意味があります。2×3は「2が3つ分」であり、2+2+2と書き換えられます。つまりかけ算は「ひとまとまりの数」を表しているので、バラバラに分解してしまうと意味が通らなくなるのです。
先に2+2を計算してから3をかけるというのは、勝手にメロンパン2個とロールパン2個を同じ袋に詰めて、それが3袋あると数えてしまうようなもの。だから×と÷を先に計算する——そう考えると腑に落ちるのではないでしょうか。
カッコがあるときの順序
順序をまとめると、①カッコの中 → ②×と÷ → ③+と− の順になります。カッコは「ここを先にひとまとまりとして計算してください」という指示記号だと考えると分かりやすくなります。逆にいえば、先に計算してほしい部分にはカッコを付ければよいということです。
たとえば「メロンパン2個とロールパン2個を袋詰めしたものを3袋買った」という状況なら、(2+2)×3=12 が正しい式になります。式は状況を写し取ったもの——そう捉えると、順序のきまりは「暗記すべき決まりごと」ではなく「意味を守るための仕組み」として見えてきます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 和・差・積・商とはそれぞれ何ですか?
和はたし算の答え、差はひき算の答え、積はかけ算の答え、商はわり算の答えを指す呼び名です。たとえば1+2=3の「3」が和、3−2=1の「1」が差、2×3=6の「6」が積、6÷3=2の「2」が商にあたります。
Q2. 四則計算と四則演算は違うものですか?
ほぼ同じ意味で使われます。たし算・ひき算・かけ算・わり算の4つをまとめた呼び方で、算数では「四則計算」、数学では「四則演算」と表記されることが多い、という程度の違いです。
Q3. なぜかけ算・わり算を先に計算するのですか?
かけ算が「○が△つ分ある」というひとまとまりを表しているからです。「2個セットが3袋」を先に計算しないと、まとまりが崩れて実際の個数と合わなくなってしまいます。
Q4. 計算の順序を間違えないコツはありますか?
①カッコの中、②×と÷、③+と−、という3段階で確認することです。慣れないうちは、先に計算する部分に薄く下線を引いてから計算すると間違いが減ります。
まとめ|「決まりごと」を意味から捉え直す
和・差・積・商は四則計算の答えの呼び名。×と÷を先に計算するのは、まとまりを崩さないため。どちらも一度意味をつかんでしまえば忘れにくくなります。算数には「昔きまりごととして習い、そのまま当たり前として定着しているけれど、深く考えたことはない」というものが数多くあります(「分数のわり算はなぜひっくり返すのか?」などもその一つです)。大人になってから改めて考え、ひとつずつ腑に落ちていく作業は、思いのほか気持ちのよいものです。
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<文/池下 監修/和から株式会社 堀口智之>
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