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データ利活用とは?企業の活用事例5選+始め方ガイド

公開日

2020年6月16日

更新日

2026年10月12日

この記事について(2026年10月12日確認)
2020年6月に書いた記事で、引用している総務省の調査は2015年(平成27年)のものです。「効果を実感した企業は約6割」が、データを活用している企業のうちの割合(効果達成率)であることを本文に補い、「この10年」は2010年代と書き改めました。

この記事のポイント

・データ利活用は「データを集める」だけでは不十分
・分析の前に「何を解決したいか」(目的)を決めるのが鍵
・代表事例5つ:EC・製造・金融・医療・公共サービス
・自社で始めるための5ステップロードマップもセットで提示

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データ利活用とは

データ利活用とは、企業や組織が保有するデータを「意思決定」「業務改善」「新サービス創出」につなげる一連のとりくみです。「データを持ってる」だけでは意味がなく、何を解決するためにデータを使うのか、目的を明確にして初めて価値が生まれます。本記事では代表事例5選と、自社で始めるためのステップをご紹介します。

皆さんこんにちは。和からの統計講師の川原です。

社会で統計学が使われるようになって数年経ちましたが、最近は統計学という言葉のほかに、「データ利活用」という言葉がよく使われるようになってきました。本日は「統計学」と「データ利活用」は何が違うのか、そのあたりをお話したいと思います。

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2010年代のデータ分析ブーム

2010年代には統計ブームが巻き起こりました。どうも統計学というものがビジネスに使えるらしいということが広まり、統計学を学んでみようという動きが大きくなったのが2010年代です。

私もそのようなお客様の統計学の学習のお手伝いをしており、

  • 「統計学を使って業務改善ができた」
  • 「統計学が役に立った」

 

という声を多くいただき嬉しい限りです。

しかし同時に、社会の統計リテラシーが高くなるにつれて「統計学を学んでみたけれど、ビジネスにあまり使えなかった」という声もよく聞くようになってきました。

次のデータはデータ活用している分野を各企業に調査したアンケート調査の結果です。この調査によると、「経営」、「市場調査」、「商品開発」など、各領域のいずれかにおいて、データを活用している割合は約8割という結果となっています。

※総務省「ビッグデータの流通量の推計及びビッグデータの活用実態に関する調査研究」(平成27年)より作成

 

しかしその一方で、データを活用している企業のうち効果を実感できた企業の割合(効果達成率)は、各領域でばらつきがあるものの、平均すると約6割という結果となっています。

※総務省「ビッグデータの流通量の推計及びビッグデータの活用実態に関する調査研究」(平成27年)より作成

 

同じ統計学を学んでいるはずなのに効果の出た企業と出なかった企業の違いは何なのでしょうか。

実は効果が出なかったという声は、統計学自体に問題があるわけでなく、「統計学の使い方」に問題があることが多いように思われます。その正しい使い方は後程説明するとして、このような状況、つまり統計学を知っている人は増えたけど正しく使えていない状況に、総務省が2018年に地方公共団体に向けて、データを正しく使い政策立案をしていこうというガイドブック(「地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブック」。2019年にVer.2.0へ改訂)を発表しました。このデータを正しく使おうという意味で使われた言葉が「データ利活用」なのです。

※簡単にいうと「データを利用し、活用する」ということです。

統計学とデータ利活用とは?

「統計学」と「データ利活用」とは何が違うのか。その違いを簡単にご説明いたします。 まず統計学とはデータ分析するツールのことで、データ利活用とはそのツールを使って問題を解決していこうという広い意味でのフレームワークのことを指します。

もう少し詳しく言うと、何か解決したい問題があり、

  • ・それを解決するためにデータを用いた問題解決アプローチがデータ利活用
  • ・その問題解決の中で実際にデータを分析するツールが統計学

 

ということです。

つまり統計学とは何かの問題を解決するための1つの手段であるということをしっかりと認識しておかなくてはなりません。しかし、統計学を学んだけれど効果が出なかったという現象の原因の多くは統計学の手法を学ぶことが最終課題となっており、その分析(手段)が目的化していることにあるのです。

正しい考え方とは?

正しくデータを使うために最も大切なことは、まずデータ分析をする目的(問題設定)をしっかりと定めることです。○○を解決したいという問題(目的)がしっかりと設定されてから、この問題(目的)にデータを用いて解決するというスタンスが大切です。

よくある間違いが、「まずデータを見てそこから何かわからないか?」と平均値や標準偏差などの分析を始めてしまうことです。このスタイルで分析を始めてしまうと、目的が定まっていないので迷子になることが多く、また出てきた分析結果が本当に知りたいものではなかったということになりかねません。

そのような間違いを犯さないためにも、弊社ではよく下の図でデータ利活用の流れを説明しています。問題設定を定め、それに応じて必要なデータを集め、そのデータを分析する。そしてその結果からビジネスアクションにつなげ、その効果を検証する。といったサイクルで分析を回せば迷子になることは少なくなります。

ここを少し身近な例でたとえ話をしてみましょう。

私はよく料理をするので、データ利活用と統計学の違いを料理について例えてお話しています。データ利活用とは料理自体にあたり、統計学とは包丁にあたるものだと説明しています。

誰かに料理をふるまおうとしたときに皆さんはどのようにするでしょうか?まずはその人が何を食べたいかを聞いてから献立を考えることと思います。

そこで例えば、「さっぱりしたもの」が食べたいと言われたとします。これが今回解決すべき問題です。すると「さっぱりしたサラダでも作りましょうか?」となり、それに必要な食材を買いに行きます。これが必要なデータ収集に当たります。

そして実際に料理(分析)をするのですが、食材が野菜であれば「三徳包丁を使おう」と使う包丁(統計学の手法)も適切に選べます。そして料理を食べてもらって満足度を聞く(アクション結果の検証)。この流れが皆さん幸せになる料理の流れです。

ここで統計学のみを学習しているとどのようなことが起きるか見てみましょう。

「統計学のみ」を学習するとは、包丁の使い方を勉強していることと同じです。例えば、新しい出刃包丁を買うとどうなるかを見てみると、新しい包丁を買い、その包丁が使いたくなるので、「今日は魚にしよう」と相手が何を食べたいかという問題を飛ばして、さらに出刃包丁に合わせて食材を選んでしまうのです。

その結果でき上がった料理は相手が食べたいものではないかもしれません。これが「手段が目的化」している現象です。

扱いたい分析手法に合わせてデータを選んではいけない訳です。

ここで言いたいのは決して統計学が無駄だということではありません。むしろ統計学はとても役に立つツールなので、ぜひとも皆さん学んでいただきたいのですが、それと同時にその統計学の手法を活かせる問題解決の考え方も学んでいただきたいのです。問題解決のアプローチの仕方と、その解決手段である統計学の両方を学ぶことで正しくデータ分析の効果を見込めるようになります。

今回はすごく広い視点でデータを扱っていくうえでとても大切になる目的設定の話を簡単にお話ししました。では具体的にはどんな目的設定で、どんな分析をしていけばよいのかということにご興味がある方は、その点を具体的な例で解説している無料セミナーを弊社では実施しておりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください(無料会員登録で動画でも視聴できます)。

集計と可視化で学ぶデータ分析超入門

参考

※データ利活用の促進(総務省)
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/bigdata.html

(文/川原祐哉)

企業のデータ利活用 代表事例 5選

# 業界 事例 効果
1 EC・小売業 購買履歴×閲覧履歴でレコメンド 顧客単価・リピート率UP
2 製造業 IoTセンサー×予防保守 故障予測、修理コスト削減
3 金融・保険 取引履歴×信用スコアリング デフォルト率低下
4 医療 電子カルテ×診断支援AI 誤診削減、検査コスト低下
5 公共・交通 人口動態×移動データで交通計画 渋滞の予測・緩和

データ利活用 始め方 5ステップロードマップ

ステップ やること
① 目的設定 「何を明らかにしたいか」を言語化
② データ収集 目的に合わせて必要なデータ(社内データ・ログ・外部データ)を集める
③ 分析・可視化 集計と可視化から始め、目的に合った統計手法を選ぶ
④ アクション 分析結果をもとに施策を決めて実行する
⑤ 効果検証 施策の効果を確かめ、次の問題設定につなげる

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この記事に出てきたような統計のことばは、A4・2ページの「早わかりシート」に1枚でまとめてあります。平均・標準偏差・p値・相関などを、「一言でいうと」「どんなときに使う」「よくある勘違い」の3点で整理しました。

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