データ分析で使えるのはどっち?ChatGPT-4oとChatGPT-o1で分析結果を比較してみた
公開日
2025年2月26日
更新日
2025年2月25日

みなさんこんにちは!和からの数学講師の岡﨑です。
近年注目を集める生成AIには、ChatGPT-4oやChatGPT-o1など、さまざまな種類があります。「どれを使うのが一番いいんだろう?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
生成AIは、それぞれ計算方法や学習データが異なるため、すべての場面で「これが最適!」と断言するのは難しいものです。
そこで今回は、アンケートデータの処理をさせた際に、幅広い用途で活用されるChatGPT-4oと、論理的な推論が得意なChatGPT-o1とで、どのような違いが出るのかを比較してみました。
この記事の主な内容
1.ChatGPT-4oについて
ChatGPT-4oは2024年5月にリリースされ、2025年2月現在無料版のChatGPTでも利用可能です。
ChatGPT-4oの大きな特徴のひとつが、マルチモーダルと呼ばれる機能です。これは、単にテキストの読み書きができるだけでなく、アップロードした画像の内容を認識したり、人間と会話しているかのような自然な音声でのやり取りができたりするなど、さまざまな種類の情報を統合して扱える点が特徴です。
さらに、Web上の情報検索や画像生成にも対応しており、幅広い用途で活用できる汎用性の高いモデルとなっています。
2.ChatGPT-o1について
ChatGPT-o1は2024年12月に正式版がリリースされた、比較的新しいモデルです。
このモデルの特徴は、長い時間をかけて考えるように設計されている点です。そのため、論理的思考力を求められる問題に強く、人間でも頭を抱えるような高度な問題を解くことが可能です。特に数学や物理といった科学技術分野での成果が注目されており、国際数学オリンピックの問題を解くレベルの思考力を持つことが報告されています。
執筆時点では、ChatGPT-4oのようなマルチモーダル機能は備えていませんが、高い計算能力と論理的思考力を発揮できることから、データ分析にはChatGPT-o1の方が適しているのでは?という見方もあります。
3.ChatGPT-4oとChatGPT-o1に同じ指示で分析させてみた
それでは、早速データ分析を行わせてみましょう。
今回用意したのはアンケートデータで、回答者がデータ分析に対して「興味のあること」や「習得したいこと」を文章で回答したものです。このデータを読み込ませて、どのような分野に関心があるのか、何を学びたいと考えているのかをまとめてもらいます。
また、どのような差が出るのかを比較するため、両モデルへの指示は全く同じ内容に統一しました。
(なお、アンケートデータの個人情報に関わる内容は削除した上で使用しています。)

4.ChatGPT-4oの結果
まず、ChatGPT-4oを使って計算した結果、次のような出力が得られました。

計算にかかった時間は十数秒程度で、指示通りに分類を実施しました。ただし、分類結果はやや簡潔すぎる印象で、出力が単語のみだったため、「具体的に何を学びたいのか」までは十分に掘り下げられていません。この点については、さらなる詳細を引き出す工夫が必要になりそうです。
5.ChatGPT-o1の結果
続いて、ChatGPT-o1を使用した結果は次のようになりました。


まず、ChatGPT-o1はExcelファイルを直接読み込めないため、データをテキストファイル化する必要がありました。また、計算時間が長く、最終的な出力には数分かかりました。
しかし、出力内容は分かりやすく文章で整理されており、アンケート結果をもとに回答者の関心が具体的に示されていました。そのため、分析結果を活かして新講座を設計するなど、次のアクションを考えやすい出力になっていると感じました。
さらに、出力前に思考プロセスも表示されるため、分析の流れを確認しながら指示を調整できる点も利点です。これにより、思考プロセスに問題がある場合でも、追加の指示を出しやすくなっています。
6.比較した結果まとめ
同じ指示でも出力に大きな違いがあり、比較すると次のような結果になりました。
また、ChatGPT-o1はデータをテキストファイルに置き換える必要があり、出力にも時間がかかるため、手軽さの面ではChatGPT-4oが優位といえます。
一方で、分析の意図を反映し、分析方法や結果を精査して出力できる点では、ChatGPT-o1に軍配が上がりそうです。
ぜひ、皆さんも実際に試してみてください!
7.さいごに
最近では、中国が開発しているDeepseekの登場や、Microsoft社CopilotのOffice365への導入も注目を集めており、生成AIの進化はまさに日進月歩で進められています。
ChatGPTが登場してわずか3年ほどの間に、数えきれないほどの生成AIが開発され、これまで人間が担ってきた業務の一部、あるいは全部が人工知能に置き換わっていくことはもはや避けることができないでしょう。
いち早くAIを使いこなし、AI時代の荒波を乗りこなしていきましょう!
特に、Copilotは昨年末からExcel上で直接実行できるようになり、今回のようなデータもより手軽に扱えるようになっています。Copilotを利用してExcelでデータ分析を行う方法については、こちらの講座で詳しく紹介しますので、興味がある方はぜひご参加ください!
また、ChatGPTの使い方について書籍で勉強したい方は、 はじめての生成AI ChatGPT「超」活用術で分かりやすく解説されていますのでぜひご覧になってみてください。
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<文/岡﨑 凌>