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相対度数と累積相対度数【統計学をやさしく解説】

公開日

2022年10月29日

更新日

2022年10月29日

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相対度数・累積相対度数とは

相対度数と累積相対度数はともに度数分布表との関係で定義されます。度数分布表とはデータを複数の階級に分類し、それぞれの階級のデータの数である度数を記した表です。相対度数は全体の度数の和(=データの数)と比較して、その階級の度数が何パーセントを占めるかを示します。また、累積相対度数は相対度数を小さい階級からその階級から足し合わせた数値です。累積相対度数を見ることによって、データがその階級までに何割ほど含まれるかが分かります

表にすると以下のようになります。


以下では、相対度数と累積相対度数を具体的に計算する方法について説明します。

相対度数の解釈

上からi番目の階級の度数と相対度数をそれぞれ度数_i相対度数_iと記します。このとき、上からi番目の相対度数は以下のように計算されます。
相対度数_i =\frac{度数_i }{度数の合計}
具体的に前述の例を見てみると、1番目の階級(0~20点)の相対度数は3÷25=0.12と計算されます。

相対度数を計算するメリットは異なる度数分布表間の比較が簡単になることです。単一の度数分布表を見るだけであれば、度数の大小に着目することでデータが多い階級・少ない階級を見つけることができます。しかし、総データ数の異なる度数分布表を比較するとき単に度数のみを考えてしまっては正しく比べることができません。例えば、50人のクラスと25人のクラスのテスト得点の度数分布表を比べます。80~100点の度数がそれぞれ5であるとき、高得点の生徒の割合は25人のクラスが明らかに多いです。相対度数を計算すると、25人のクラスは0.250人のクラスは0.1となり、相対度数を用いることで簡単に度数分布表を比較することができると分かります。

累積相対度数の解釈

上からi番目の階級の度数と累積相対度数をそれぞれ度数_i累積相対度数_iと記します。このとき、上からi番目の累積相対度数は以下のように計算されます。
累積相対度数_i =相対度数_1+…+相対度数_i
つまり、i番目の階級の累積相対度数はi番目までの相対度数を全て足し合わせたものになります。2番目の累積相対度数であれば1番目の相対度数と2番目の相対度数を足したもの、3番目の累積相対度数であれば1から3番目の相対度数を足し合わせたものになりますまた、1番目の累積相対度数は相対度数そのものです。

累積相対度数を計算するメリットは複数の階級にまたがる区分のデータの割合が分かるという点です。例えば、60点以下の生徒の割合を見るには、3番目(40~60点)の累積相対度数を参照すればよく、0.48と簡単に分かります。また、40点以上の生徒の割合も累積相対度数から計算することができます。20~40点の累積相対度数は0.24なので、40点以上の生徒の割合は1-0.24=0.76です。

相対度数・累積相対度数の活用

相対度数・累積相対度数は確率・統計の分野を考えるうえで基礎となる概念です。相対度数は確率密度関数、累積相対度数は累積分布関数と共通の考え方を用いていて、非常に重要です。ぜひ相対度数・累積相対度数を理解して、データの分布や特性を把握しましょう。

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<文/須藤>

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