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中小企業診断士 事例Ⅳの計算対策|経営分析・CVP・NPVでつまずく人の原因と解き方

公開日

2026年7月29日

更新日

2026年7月25日

この記事のポイント

  • 中小企業診断士2次試験の事例Ⅳ(財務・会計)は、電卓が使える計算中心の科目。高度な数学は不要で、出題パターンは限られています
  • 頻出テーマの経営分析・CVP(損益分岐点)・NPV(正味現在価値)を、図と式で整理する方法が分かります
  • 多くの受験生がつまずく5つの原因と、その具体的な対策が分かります
  • 数字が苦手な人でも事例Ⅳを「得点源」に変えるための、学び直しの順番を紹介します

まずは結論|事例Ⅳは「才能」ではなく「パターン練習」で得点源になる

事例Ⅳは、財務・会計の知識を事例企業の分析に使う科目です。計算問題には数値で答える設問が多く、経営分析やCVP、投資の意思決定など、何度も練習しやすいテーマが中心です。ただし年度によって構成や難易度は変わるため、特定テーマだけに頼らず、問題文から条件を整理する力が大切です。

難しい数学は必要ありません。割合・比率・四則演算を正確に速くこなす力と、その問題で何を計算すべきかを見抜くパターン認識です。電卓が使えるぶん、計算の「意味」を理解しているかどうかが差になります。

事例Ⅳで問われる主な計算テーマ

出題は大きく次の4つに整理できます。まずは全体像をつかみましょう。

テーマ 主な内容 使う計算
経営分析 収益性・効率性・安全性の財務指標を計算し、強み・課題を読み取る 割合・比率(%)
CVP分析 損益分岐点や、目標利益を達成する売上高などを求める 一次方程式・割合
NPV(投資の意思決定) 将来のキャッシュフローを現在価値に割り引き、投資の可否を判断する 掛け算・割引計算
その他 キャッシュフロー計算書、EOQ(経済的発注量)、WACC(加重平均資本コスト)など 四則演算・比率
同じ100万円が、遠い将来ほど現在価値が小さくなることを示した棒グラフ
NPVは、各年の将来キャッシュフローを現在価値に割り引いてから合計する

和から式|事例Ⅳは「図→式→概算」の順で解く

数字を見てすぐ電卓を打つと、使う数値や符号を取り違えやすくなります。和からでは、次の3つに分けて考えます。

  1. 図:売上・費用・時間軸など、数字の関係を1枚に置く
  2. 式:何を求めるかを日本語で書いてから数式にする
  3. 概算:電卓の前後に、答えの桁と方向を確かめる

NPVなら、まず年ごとのキャッシュフローを時間軸に置き、現在価値へ戻す向きを確認します。この一手間が、計算ミスだけでなく設問解釈のずれも減らします。

※第2次試験は各事例80分です。使用できる電卓の条件を含め、最新情報は日本中小企業診断士協会連合会の試験案内をご確認ください。

なぜ事例Ⅳは「難しい」と感じてしまうのか

事例Ⅳに苦手意識を持つ人は多いですが、その理由は数学の難しさそのものではありません。多くは、限られた80分のなかで、初見の資料から「何を・どの順で計算するか」を決めることに慣れていないためです。計算力の問題というより、条件を整理して解き方の型に当てはめる練習が足りていないことが多いのです。

見方を変えると、よく出るパターンを繰り返し、「型」を身につけるほど手応えを得やすくなります。

事例Ⅳの計算でつまずく原因TOP5

原因1:経営分析で「どの指標を選ぶか」に迷う

収益性・効率性・安全性から指標を選ぶ場面で、候補が多く手が止まります。
対策:売上高総利益率・売上高営業利益率(収益性)、有形固定資産回転率(効率性)、自己資本比率(安全性)など、頻出指標を数個に絞って覚えます。

原因2:電卓の打ち間違いに気づけない

桁数の多い計算が続き、打ち間違いに気づかず失点します。
対策:計算前に答えの桁数をざっくり見積もる「概算での検算」を習慣化し、明らかにおかしい数値に気づけるようにします。

原因3:CVPで「固定費・変動費」の区別があいまい

損益分岐点の式に何を代入するか迷い、式が立てられません。
対策:「売上高−変動費=限界利益」「限界利益−固定費=利益」という2本の関係を、図で先に描いてから数字を入れます。

損益分岐点を、売上と費用の2本の直線が交わる点で表したイラスト
CVPは「売上」と「総費用」の2直線が交わる点を探す

原因4:NPVの「割引計算」で手順が崩れる

将来のキャッシュフローを現在価値に割り引く計算で、年ごとの処理が混乱します。
対策:各年のキャッシュフローに割引率(現価係数)を掛けて足し合わせる、という手順を毎回同じ順番で処理します。時間軸の図(タイムテーブル)を描くと崩れにくくなります。

原因5:時間配分ミスで「解ける問題」を落とす

難問に時間をかけすぎ、確実に取れる経営分析や記述で失点します。
対策:着手順を「経営分析→確実に解ける計算→記述→難問」と決め、難問は部分点をねらう方針にします。

事例Ⅳを得点源にするための学び直しステップ

  1. 割合・比率・一次方程式など、計算の土台を算数〜中学数学レベルで確認する
  2. 経営分析の頻出指標(数個)を、計算式とセットで覚える
  3. CVP・NPVを「図を描いてから式に落とす」手順で、基本問題を反復する
  4. 過去問を時間を計って解き、着手順と時間配分を固定する

よくある質問(FAQ)

Q1. 事例Ⅳに高度な数学は必要ですか?

必要ありません。使うのは割合・比率・四則演算と、一次方程式レベルの考え方が中心です。微分積分などは出題されません。

Q2. 2次試験で電卓は使えますか?

使えます。ただし使用できるのは四則演算などの一般的な電卓で、関数電卓やプログラム機能付きの電卓は認められていません。受験前に試験案内で最新の条件を必ず確認しましょう。

Q3. 数学が苦手でも事例Ⅳを得点源にできますか?

できます。事例Ⅳは正解が数値で決まるぶん、パターン練習の効果が最も出やすい科目です。つまずく単元を算数レベルまで戻して学び直せば、安定した得点源になります。

Q4. 経営分析とCVP・NPV、どれから手をつけるべきですか?

まずは経営分析の基本指標で、比率計算と与件文の結び付け方を確認しましょう。その後、CVP、NPVへ進むと、割合・利益構造・時間価値を段階的に積み上げられます。

まとめ|事例Ⅳは「パターン練習」で乗り越えられる

事例Ⅳで使う数学は、割合・比率・四則演算と一次方程式レベルが中心で、試験では電卓も使えます。つまずきの多くは数学力ではなく、「何を・どの順で計算するか」というパターン認識と時間配分の不足によるものです。計算の土台を確認し、経営分析→CVP→NPVの順に「図を描いてから式に落とす」練習を重ねれば、数字が苦手でも事例Ⅳは十分に得点源へ変えられます。

あわせて読みたい:社会人の数学学び直し完全ガイド|30代・40代・50代別ロードマップと最短独学法

<監修/和から株式会社 堀口智之>

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