【速報】統計検定 データサイエンス(DS)エキスパート試験について
公開日
2023年5月31日
更新日
2023年5月31日
この記事の主な内容
1.はじめに
統計検定ではデータサイエンス(DS)を対象とした検定試験が実施されています。まだ認知自体は広くされてはいないものの、これからAIやデータサイエンス(以下DS)リテラシーの需要が高まる背景を考えると、自己研鑽や業務活用のために学ばれる方が増え、資格取得として目指される方が多いことが期待されます。2023年5月からDSエキスパート試験がCBTにより運用開始となりましたので、それを中心に他のDS試験も含めてまとめてご紹介します。
DS基礎は、エクセル統計を中心に、データ分析のハンドリングや解釈などが問われ、DS発展は、数学や情報、AIや倫理についての複合試験となっております。今回新たに追加されたDSエキスパートは、数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムの応用基礎レベルのモデルに準拠した内容で、モデリングを中心に計算やプログラミングの知識を必要とする問題が課されます。
これらの試験はCBTのため、問題は公開されていませんが、公式のHPではサンプル問題がアップロードされています。この記事では、試験を受けたいがどのように学習したら良いかわからない方に参考にして頂ければ幸いです。
サンプル問題は下記よりダウンロード可能です。
統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎)
統計検定 データサイエンス発展(DS発展)
統計検定 データサイエンスエキスパート(DSエキスパート)
2.各試験の概要、DS 基礎と発展
DS 基礎・発展・エキスパートの概要は以下の通りです。
いずれの試験もCBTで会場のスケジュールが空いていれば、いつでも何回でも受験可能です。割と最近に始まった試験でもあるので、これから需要は見込まれると思われます。高校生でも共通テストの情報科目の必修化に伴い、情報科目への学習強化という点で、大学や社会に出る前段階の基礎知識を身につけられることは間違いないでしょう。
DS基礎では、公式テキストが出版されております。下記のテキストをしっかりやり込むこととエクセルの演習をスムーズに熟すことが重要と言えます。
データアナリティクス基礎 大橋洸太郎(著),塩澤友樹(著),渡辺美智子(著) 日本統計学会
DS発展は、公式テキストはありませんが、大学初等レベルの微分積分・線形代数、確率統計を中心として、AI・情報リテラシー周辺の知識問題が出題されます。DS検定(統計検定と異なるもの)レベルや統計検定2級程度の知識があると基礎ベースが作れると思います。
最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版 菅由紀子(著),佐伯諭(著),高橋 範光(著),他 技術評論社
日本統計学会公式認定 統計検定2級公式問題集[CBT対応]日本統計学会(編) 実務教育出版
3.DSエキスパート試験について
本記事のメインはこのDSエキスパート試験についてです(試験範囲はこちら※PDF)2023年5月から運用開始したこともあってなかなか情報が入ってきません。どんな問題が出題されたかは著作権上の関係で述べることはできませんが、紹介できる程度の情報を記載したいと思います。ポイントは以下の通りです。
(1)試験範囲がとにかく広いので、学習分野をうまく絞る
(2)数学、統計、計算、AI、プログラミングなどの専門基礎知識を理解する
(3)OpenAIや動画コンテンツなどを活用し、調べながら勉強する
(1)についてはこの試験も含め、基礎レベル以降の試験は範囲が膨大です。全てのテーマが分かっているに越したことはありませんが、1つ1つ丁寧にやっていると時間がかかって効率が悪くなります。得意・苦手、分かる・分からない の2軸で試験範囲の勉強で優先するテーマをリサーチすることから始めましょう。
(2)はこの試験の勉強の進め方になります。参考になるテキストはいくつかありますが、下記の教材は学習の進める中での概要がよくまとまっています。
応用基礎としてのデータサイエンス AI×データ活用の実践 北川源四郎(編),竹村彰通(編),その他 講談社
本質を捉えたデータ分析のための分析モデル入門 杉山聡(著) ソシム
演習をこなしたい方は、統計検定の2級〜準1級レベルをやっておくと試験範囲が重複するので、統計学の演習本や統計検定の過去問集がおすすめです。
日本統計学会公式認定 統計検定準1級公式問題集[CBT対応] 日本統計学会(編) 実務教育出版
(3)は試験範囲のキーワードに書かれていることで、よくわからないものは調べながら分からないことを潰していくことが重要です。0を1にするだけでも十分価値があるので、時間があればマメに調べることをおすすめします。
試験の結果は、A分野、B分野、C分野、D分野の4つのカテゴリーでどのくらい得点できていたかが、試験終了後にすぐにレポートとして発行されます。それぞれの分野について詳細は分かりませんが、試験後に合否がわからないまま悶々と過ごすことがないので、仮に不合格だったとしても次の試験に向けて計画を見直すことも可能です。
4.総括
先日、私もこの試験を受けて合格をしたこともあり、本記事を執筆しました。受験する皆様の参考になればと思います。もちろん、受験対策を行いたい方や相談したい方は、学びたい内容の集団セミナーを含めてオンラインでの無料カウンセリングも実施していますので、個別指導もご活用頂ければ幸いです。
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<文:永井>