簿記3級・2級に必要な数学はどこまで?|計算でつまずく人の原因TOP5と対策
公開日
2026年7月25日
更新日
2026年7月25日
この記事の主な内容
この記事のポイント
- 簿記3級・2級に、高度な数学は必要ありません。使うのは四則演算・割合・利息・減価償却など、算数レベルの計算が中心です
- 試験では電卓が使えるため、計算の速さより「どの数字を、なぜ計算するのか」という簿記の仕組みの理解が合否を分けます
- 計算でつまずく人に多い5つの原因と、その具体的な対策が分かります
- 数字が苦手な人が簿記に合格するための、学び直しの順番を紹介します
まずは結論|簿記に必要な「数学」は、算数レベルの計算力と仕組みの理解
「簿記」と聞くと難しい数学が必要に思えますが、実際に使うのは四則演算・割合(百分率)・利息や減価償却の計算といった、算数〜中学数学の範囲がほとんどです。三角関数や微分積分のような高校以上の数学は出てきません。
しかも、試験では電卓が使えます。それでも「簿記の計算が苦手」と感じる人が多いのは、計算そのものではなく、「どの数字を、なぜ足したり引いたりするのか」という仕組みでつまずくことが多いからです。つまり、必要なのは数学力よりも「計算の意味」をつかむこと。ここが分かると、簿記の数字はぐっと読みやすくなります。
簿記3級・2級で実際に使う計算
まずは、簿記でよく使う計算を級ごとに見ていきましょう。日商簿記は、3級が商業簿記(60分)、2級が商業簿記と工業簿記(原価計算を含む・90分)です。統一試験に加えてネット試験も実施され、どちらも条件を満たす電卓を使用できます。日本商工会議所は、関数電卓や公式を記憶できる電卓などを禁止する一方、日数計算・時間計算・税計算・検算など一部の付加機能は使用可能と案内しています。
※最新条件は日本商工会議所の試験科目・注意事項をご確認ください。
3級で使う計算
中心は足し算・引き算・掛け算・割り算です。加えて、消費税や貸倒引当金の計算で割合(%)、備品などの減価償却(定額法)で「取得原価 ÷ 耐用年数」といった簡単な割り算を使います。いずれも小学校〜中学校の算数の範囲です。
2級で使う計算
3級の内容に加えて、減価償却の定率法、工業簿記の原価計算、CVP分析(損益分岐点分析)、標準原価計算の差異分析などが加わります。CVPや差異分析は「売上−変動費−固定費=利益」といった関係を式で追う場面があり、一次方程式のような考え方に慣れていると理解が速くなります。数式そのものは、それほど難しくありません。ポイントは、「何と何を比べているか」を図や式で整理できるかどうかです。
和から式|簿記の数字は「対象・増減・計算」の3段階で読む
和からでは、数字だけを追うのではなく、次の3つを言葉にしてから式を作ります。
- 対象:何のお金か(売上、仕入、備品、費用など)
- 増減:増えたのか、減ったのか、別の科目へ移ったのか
- 計算:どの金額を基準に、何%・何年分を計算するのか
たとえば減価償却なら、「備品という資産の価値を、使用期間に分けて費用へ移す」と言葉にしてから計算します。仕訳と計算が一本につながり、公式の丸暗記が減ります。
「簿記に数学が必要」と誤解されやすい理由
電卓が使えるにもかかわらず苦手意識が生まれるのは、数字がびっしり並ぶ見た目、「貸方・借方」などの専門用語、そして扱う金額の桁が大きいことが重なるためです。ひとつずつ「これは何の数字か」を言葉にすると、ぐっと分かりやすくなります。数学の問題ではなく、意味を伴った計算だと捉え直すことが第一歩です。
計算でつまずく人の原因TOP5と対策
原因1:割合・百分率があいまい
消費税10%や貸倒引当金○%の計算で、「もとにする数(何の何%か)」を取り違えるパターンです。
対策:「何の何%か」を確認し、元の数 ×(割合÷100)の式に直してから計算しましょう。たとえば5%は0.05、25%は0.25です。

原因2:電卓の打ち間違いに気づけない
電卓は速い一方、打ち間違いに気づかないと大きな失点になります。
対策:計算前に桁数をざっくり見積もる「概算での検算」を習慣にすると、明らかな誤りに気づけます。
原因3:仕訳の数字と意味が結びついていない
金額を機械的に書き写すだけで、その数字が「何が増えて何が減ったのか」とつながっていない状態です。
対策:仕訳のたびに「(資産)が増えた/(費用)が発生した」と言葉に置き換えて確認します。

原因4:端数処理のルールを見落とす
円未満切り捨て・四捨五入などの指示を読み飛ばし、答えがズレるケースです。
対策:問題文の端数処理の指示を、計算を始める前に必ず確認しましょう。
原因5:2級の工業簿記(CVP・差異分析)で式に苦手意識
損益分岐点や差異分析で、式の意味が追えず手が止まるパターンです。
対策:一次方程式の考え方を復習し、「売上−変動費−固定費=利益」の関係を図と式の両方で整理すると、暗記に頼らず解けるようになります。

数字が苦手な人のための学び直しステップ
- 四則演算と割合(百分率)を、簿記の例題を使って確認する
- 電卓の使い方(メモリ機能・概算による検算)に慣れる
- 仕訳を「増えた/減った」の言葉に置き換えて、数字と意味をつなぐ
- 2級はCVP・差異分析にしぼって、図と式でゆっくり整理する
よくある質問(FAQ)
Q1. 簿記に数学は必要ですか?
高度な数学は不要です。四則演算・割合・簡単な割り算が中心で、算数〜中学数学の範囲で対応できます。
Q2. 試験で電卓は使えますか?どんな電卓が良いですか?
使えます。ただし、関数電卓や公式を記憶できる電卓などは禁止されています。一般的な事務用電卓を選び、受験前に日本商工会議所の最新条件を確認しましょう。
Q3. 2級の工業簿記が難しいのは数学のせいですか?
数学そのものより、CVP分析や差異分析で「何と何を比べているか」を式・図で整理する考え方に慣れていないことが原因になりがちです。一次方程式的な考え方を復習すると理解が進みます。
Q4. 数字が苦手でも簿記2級に合格できますか?
できます。必要なのは計算の速さより「計算の意味」の理解です。つまずく単元を算数レベルまで戻して学び直せば、十分に合格を狙えます。
まとめ|簿記の計算は「算数レベル+仕組みの理解」で乗り越えられる
簿記3級・2級で使う数学は、四則演算・割合・利息・減価償却など算数レベルが中心で、試験では電卓も使えます。つまずきの多くは数学力ではなく「計算の意味」の理解不足によるものです。割合の基礎、電卓の概算検算、仕訳の意味づけ、2級のCVP・差異分析の式の整理——この順で学び直せば、数字が苦手でも合格は十分に狙えます。
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<監修/和から株式会社 堀口智之>
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