マーケティングデータ分析スキル習得のためのロードマップ
公開日
2024年12月15日
更新日
2024年12月16日
上司:「A君、少しいいかな?」
A君:「何でしょうか」
上司:「顧客情報や販売情報から意思決定するときに、うちの部署では今まで経験値で判断してきたことが多かったと思うんだよね」
A君:「確かにそうですね」
上司:「でも最近はデータに基づく根拠を上司や顧客に求められることが増えてきていて、これからはそういった説明ができるようになっていきたいんだよ」
A君:「なるほど・・・」
上司:「A君はそういったデータ分析に詳しい?」
A君:「詳しくはないですね・・・」
上司:「だったらいい勉強にもなると思うし、A君にお願いしてみたいんだけどどうかな?」
A君:「でもデータ分析やったことなくて・・・」
上司:「A君なら大丈夫。マーケティング分野でどういった分析が使われてたり、データを使って何ができるのかを調べてもらってもよいかな?」
A君:「・・・」
皆さんこんにちは。和からの岡﨑です。
データサイエンスが非常に注目されている中で、マーケティング分野でも分析を行わないといけない状況になることは珍しくありません。一方で、いざ興味をもったときに何から始めたらよいかわからないという方も多いのが実情です。
前回の「データ分析初学者のためのステップバイステップ学習ガイド」と同様、弊社のセミナーを例に、マーケティングデータ分析ができるようになるためのロードマップを紹介していきます。
以下の流れで学習を進めると挫折することなくスムーズにデータ分析の力が身につきます。
この記事の主な内容
1.因子分析で顧客満足度を上げるための要因を突き止められるようになる!
マーケティングデータの特徴の一つは、データの項目数、件数ともに多いことです。
例えば、顧客に対して行ったアンケート結果の一部を見てみると、様々な設問が数十項にわたって集計されています。
こういったデータから「どうすれば顧客の満足度を上げることができるか?」「顧客のニーズはどこにあるのか?」などを読み取りたいところですが、いざ手を付け始めると、どこから分析すればよいのか、またどのような分析手法が適切なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここで因子分析と呼ばれる分析手法を使うと、上記のデータを次のようにまとめることができます。
この「因子分析」について学ぶ、実践するセミナーがこちら。
詳細・お申し込みは▶こちら
このセミナーでは因子分析の基本的な考え方について学び、R言語で実践を行います。R言語はプログラミング言語の一種です。初心者の方はプログラミングと聞くと難しそうと思われるかもしれませんが、基本的にはコードをコピペで動かしていくことになりますので、Rを触ったことがない方でも問題なく分析できるようになります。
講義で使用するデータはすべて実務で使用しているデータをもとに作成
因子分析を行うことで、顧客満足度の要因を明らかに!
このセミナーは知識ゼロの状態からスタートできるので、分析手法を学んだことがない文系の方はもちろん、マーケティング業務未経験の方も安心してご参加ください。
2. クラスタリングで顧客のニーズを特定できるようになる!
複数の項目をまとめる分析手法を学んだら、次は行数の多いデータをまとめる方法を学びましょう。クラスター分析は簡単言ってしまえば、似ているお客様をグルーピングしていく分析手法です。お客様の消費行動や心理などは一人ひとり異なっていても、たくさんお客様がいればその中に似ているお客様が出てくるでしょう。それをデータから機械的にグループ化することができるのがクラスター分析です。
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このセミナーでは、クラスター分析の基本的な考え方からR言語を使った実装までを学びます。クラスター分析によってお客様グループが把握することで、購買傾向や興味に基づいたピンポイントなプロモーションやコンテンツの提供など、ターゲットにあった施策を届けることが可能になります。
購買金額、購買頻度などの顧客情報をもとにグルーピングを行うことが可能
顧客をグループ化、特徴把握することでマーケティング施策立案に活用可能
顧客情報は名前や年齢などの基本的な属性から購買履歴に至るまで多岐にわたり、まさにビッグデータの範疇に入ります。クラスター分析によって、これらの膨大なデータを人間の目で見て把握することができるようになるのです。
3. コレスポンデンス分析で自社と競合のポジションを明らかにする!
自社内のデータを分析できるようになったら、コレスポンデンス分析で他社との比較を行えるようになりましょう。
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コレスポンデンス分析では、「最も信頼できるブランドは?」や「最も革新的なブランドは?」といったアンケート結果をもとに、下図のように各商品ブランドに対する顧客のイメージを可視化します。
ブランドイメージ調査結果をもとに、自社と他社のポジションを分析
市場内の立ち位置を把握することが可能
こちらの図の読み方の詳しい説明は割愛しますが、自社X社は「両コスパ・信頼性」のブランドイメージを顧客に持たれていると読み取ることができます。コレスポンデンス分析の結果を紐解くことで自社商品の市場内での立ち位置(ポジショニング)を把握し、他社商品と差別化するための戦略立案につなげることで、より効果的なマーケティング戦略の策定に活用することが可能となります。
4. データから直接見えないロイヤリティやサービスの質を明らかにする!
モノが売れる仕組みは通常それほど単純なものではないことが多く、むしろさまざまな要因を含んだ複雑なものになってしまうことがあります。
例えば、次のようなアンケートデータをもとに「再購入意向」との関連性を調べようとする際に、回帰分析では1つの予測したい項目とその他の項目との関係性を調べることになりますが、それでは予測したい項目が複数ある場合や、その他の項目どうしの関係性を評価することができません。
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満足度を含む複雑なデータ構造を、共分散構造解析によって明らかに
そこで共分散構造解析では、こうしたアンケートデータを次のような複雑な関係性としてまとめることができます。目には見えない関係性を数値化することで、よりデータに基づいたマーケティング企画の立案につなげることが可能です。
直接データ化することが難しい情報を明らかにすることが可能
共分散構造分析を活用することで、複雑に絡み合う関係性を明らかにすることで、次のような場面で活用することができる最新の分析手法です。
・顧客の満足度調査
・従業員調査
・商品ブランド・顧客ロイヤリティ分析
・顧客の購買行動分析
終わりに
マーケティングデータ分析では上記以外にも様々な分析手法が活用されていますが、ここまで学べば多くの場面で分析を行うことができるようになっているでしょう。いずれのセミナーも実際の業務で使われるデータを利用しており実務にそのまま活用できる内容ですので、A君のようなお悩みを持っている方はぜひこちらの順番でマーケティングデータ分析を学んでみてください。
データ分析の世界はまだまだ広いですから、次回は別の分野のロードマップもご紹介していこうと思います。次回もお楽しみに。
<文/岡崎凌>
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マーケティングを学ぶ際手元においておきたい一冊。
データ・ドリブン・マーケティング 最低限知っておくべき15の指標 マーク・ジェフリー (著) ダイヤモンド社