税理士 簿記論・財表の計算スピードが上がらない理由と練習法
公開日
2026年8月14日
更新日
2026年8月4日
この記事の主な内容
この記事のポイント
・税理士試験の簿記論・財務諸表論は、計算量が多く「時間が足りない」と感じやすい科目です。計算操作の中心は四則演算・割合です
・スピードが上がらないときは、計算力だけでなく「解く順番・電卓の使い方・見切り」も確認します
・簿記論・財表では条件を満たす計算機が使用可能。電卓操作は時間短縮と入力ミス防止の練習対象です
・つまずく5つの原因と、スピードを上げる練習法を紹介します
結論|税理士の計算は「速く解く技術」で差がつく
簿記論・財表で問われる計算は四則演算・割合・減価償却などで、数学的には難しくありません。計算知識に加えて、限られた時間で問題を正確に処理する「スピードと段取り」が重要です。電卓の使い方、解く順番、捨て問の見極めが、技術として効いてきます。
計算操作そのものと、問題文から処理を組み立てる力は分けて練習できます。処理の仕方を記録して改善することで、スピードアップを目指せます。
公式情報の確認
令和8年度(第76回)の簿記論・財務諸表論は、それぞれ120分です。計算機は、音が出ない・おおむね26cm×18cm以下・演算機能のみなどの条件を満たすものに限られ、計算過程を遡って表示できる機種やプログラム機能付きは使えません。年度ごとに国税庁の受験案内で確認してください。
簿記論・財表で使う主な計算
登場する計算を整理すると、次のとおりです。
| 分類 | 主な内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 四則演算 | 集計・按分・差引 | 電卓の速さと正確さ |
| 割合・比率 | 原価率・利益率・按分計算 | 百分率の扱い |
| 減価償却ほか | 定額法・定率法、各種引当金 | 掛け算・割り算 |


なぜ計算スピードが上がらないのか
スピードが出ないとき、計算知識だけでなく処理手順に原因があることも少なくありません。一問を丁寧に解きすぎる/電卓のメモリ機能を使えていない/解く順番を決めていない/見直しに時間を取られる——こうした「段取りの問題」が大半です。処理の型を作り、どこで時間を使ったかを記録すると改善点を見つけやすくなります。
計算スピードが上がらない原因TOP5
原因1:電卓のメモリ機能(M+・MRなど)を使えていない
途中計算を紙に転記する回数が多いと、時間と転記ミスが増えます。対策:使用予定の機種が受験案内の条件を満たすことを確認したうえで、M+・MRなどのメモリ機能を練習し、転記を減らします。
原因2:解く順番を決めていない
頭から順に解き、得点しやすい問題に届く前に時間切れになります。対策:得点しやすい問題から着手する順番を、あらかじめ決めておきます。

原因3:一つのミスを引きずる
合わない数字にこだわり、後半を落とします。対策:一定時間で見切り、部分点狙いに切り替えて次へ進みます。
原因4:下書き・集計の書き方が非効率
毎回レイアウトが変わり、探す時間が増えます。対策:下書きのフォーマットを固定し、どこに何を書くかを決めます。
原因5:概算検算をせず打ち間違いに気づかない
電卓の打ち間違いをそのまま答えにします。対策:桁の概算で「ありえない数字」を即座にはじきます。
和から式・15分の処理スピード診断
「遅い」という感覚だけでは、練習内容を決められません。過去問や答練から計算量が近い小問を選び、15分だけ解いて次の4項目を記録します。
| 記録 | 見つかるボトルネック | 次の練習 |
|---|---|---|
| 電卓の打ち直し回数 | キー入力・概算確認 | 同じ桁数の集計を3分反復 |
| 紙への転記回数 | メモリ機能・下書き配置 | 記入欄と略号を固定 |
| 30秒以上止まった箇所 | 論点理解・手順の迷い | 解法を1行ずつ言語化 |
| 後回しにした時刻 | 見切り・解く順番 | 着手基準と撤退基準を決める |
4項目を一度に直さず、最も回数が多かったボトルネックを1週間だけ重点練習します。翌週に同程度の別問題で再計測すると、単なる慣れではなく処理方法の改善かを確認できます。
計算スピードを上げる学習ステップ
1. 電卓の基本操作(メモリ・概算検算)を、手が勝手に動くまで練習する
2. 論点ごとに「解く手順」を固定し、迷いをなくす
3. 時間を計って解き、解く順番と時間配分を決める
4. 過去問・答練で本番の時間感覚を体に入れる
よくある質問(FAQ)
Q1. 税理士試験に高度な数学は必要ですか?
高度な数学を直接使う場面は一般的ではありません。計算操作は四則演算・割合が中心ですが、会計処理を理解し、120分で正確に組み立てる練習が重要です。
Q2. 試験で電卓は使えますか?
使えます。ただし、音が出ない、一定の大きさ以下、演算機能のみなどの条件があります。年度ごとの受験案内で、使用予定の機種が条件を満たすか必ず確認してください。
Q3. スピードはどうすれば上がりますか?
まず15分の演習で、打ち直し・転記・停止・見切りを記録してください。最も多いボトルネックから、電卓操作、下書き、解法手順、時間配分の順に一つずつ改善します。
Q4. 簿記論と財表は同時に学ぶべきですか?
共通する会計処理があり、並行学習が理解を助ける場合はあります。ただし税理士試験は科目合格制で、1科目ずつ受験できます。学習時間や得意分野に応じて決め、年度ごとの受験案内を確認してください。
まとめ|税理士の計算は「段取り」を磨けば速くなる
簿記論・財表の計算操作は四則演算・割合が中心ですが、会計処理を限られた時間で正確に組み立てる必要があります。電卓のメモリ活用、解く順番の固定、下書きの型化、概算検算——この4つで処理の段取りを整えれば、計算スピードは着実に上がります。電卓操作だけに偏らず、手順・見切り・検算も合わせて記録することが得点の安定につながります。
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<監修/和から株式会社 堀口智之>
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