数学が苦手になる原因とは|つまずきの正体と対処法をやさしく
公開日
2026年8月13日
更新日
2026年8月4日
この記事の主な内容
この記事のポイント
・数学の苦手は才能だけで決まらず、学びの構造から見直せることが多い
・確認したいのは、①前の単元の積み残し ②具体から抽象へのジャンプ ③理解よりスピード・暗記偏重
・さらに「できなかった記憶」が苦手意識という4つ目の壁になる
・原因を切り分ければ対処を選びやすい。大人は目的とペースを自分で決められる
「自分は数学のセンスがない」——そう思い込んでいる人は本当に多いものです。数学の苦手は才能だけで決まるものではなく、既習内容の抜け、抽象表現への移行、学習ペース、緊張など複数の要因が重なって生じます。要因を分けて考えると、次に試す学び方を選びやすくなります。
この記事では、数学が苦手になる原因を整理し、大人のやり直しや、お子さんのつまずきへの向き合い方まで、累計3万人以上を指導してきた和からの視点でやさしく解説します。「なぜ苦手になったのか」が分かると、対処の道筋が見えてきます。
数学の苦手は「才能」だけでは決まらない
まずお伝えしたいのは、数学の得意・不得意には個人差がありますが、現在のつまずきを「生まれつきの才能」だけで説明する必要はありません。既習内容の抜けや、説明のされ方、練習量、緊張など、変えられる要因が関わっていることも多いからです。
だからこそ、要因を切り分けて、つまずいた場所に戻ることで改善の糸口を探せます。「自分はダメだ」と全体を否定する必要はありません。問題は狭いところにある、というのが出発点です。
数学が苦手になったときに確かめたい3つの視点

図:数学のつまずきを見直す3つの視点
数学の苦手を見直すときは、まず次の3つの視点で状況を分けると、対処を考えやすくなります。
原因1:前の単元の「積み残し」
数学は、前に学んだことの上に次を積み上げる積み上げ式の科目です。分数でつまずくと割合や方程式が苦しくなり、関数でつまずくと微分が分からなくなる。どこかに穴があると、その先がまるごと崩れるのです。「急に分からなくなった」と感じる多くは、実は手前の単元に原因があります。
原因2:具体から抽象への「ジャンプ」
小学校の算数は「りんご3個」のように具体的ですが、中学からは文字(x、y)や関数といった抽象的な表現が増えます。この具体→抽象のジャンプにうまく乗れないと、急に数学が「自分と関係ない記号の世界」に見えてしまう。多くの人が中学数学でつまずくのは、ここが理由です。
原因3:理解より「スピード・暗記」偏重
授業や受験は時間に追われ、「なぜそうなるか」を納得する前に次へ進みがちです。すると、公式を意味も分からず暗記する状態になり、少し形を変えられると解けなくなる。理解のないまま積み上げた知識は、もろく崩れます。スピードについていけなかったことを「自分の能力不足」と誤解してしまうのです。
和から式・つまずきの3問チェック
「数学が苦手」という一言のままでは、練習範囲が広すぎます。直近で間違えた問題を1問だけ用意し、次の順に確かめてください。
| 確認する質問 | 見えてくること | 最初の対処 |
|---|---|---|
| 前提となる計算を、単独なら解けるか | 分数・割合・符号などの積み残し | 一つ前の単元の例題に戻る |
| 図や具体例なら意味を説明できるか | 具体から式への変換で止まっている | 図→言葉→式の順に書く |
| 時間を測らなければ解けるか | 理解ではなく速度・緊張が壁 | 正確さを優先し、後から時間を測る |
3つを混ぜず、最初に「はい」と言えなくなった地点から戻るのがポイントです。たとえば方程式で間違えても、原因が分数の計算なら、方程式を何十問も繰り返すより分数を短く復習した方が効率的です。
苦手意識という「4つ目の壁」
3つの視点に加えて、見落とせないのが感情です。テストで×をもらった、当てられて答えられなかった——こうした「できなかった記憶」が積み重なると、数字を見ただけで身構える苦手意識になります。
数学への不安は、問題を解くときに使うワーキングメモリと成績に関係することが研究でも指摘されています(研究レビュー)。このため、内容の難しさとは別に、緊張が学習のブレーキになることがあります。内容はそれほど難しくないのに、「どうせ自分には無理」と感じて手が止まってしまう。原因を知り、小さな「できた」を取り戻すことが、この壁を崩す近道です。
大人がやり直すときの対処法
要因を切り分けると、対処を選びやすくなります。大人のやり直しは、次の3点を意識すると、つまずきを乗り越えやすくなります。
① つまずいた手前の単元に戻る。「今できないこと」ではなく、その土台にある積み残しを埋めるのが先決です。② 具体例で“意味”を取り戻す。抽象的な式も、身近な例に置き換えると腑に落ちます。③ 暗記より仕組みを納得する。一度「なぜ」を理解すれば、忘れても作り直せます。大人は「何の役に立つか」が分かるぶん、子どもより理解が速いことも多いのです。
親が子どものつまずきに気づくには
お子さんの数学を見ている保護者の方にも、原因の視点は役立ちます。「急に成績が落ちた」と感じたら、今の単元ではなく手前の単元に穴がないかを確かめてみてください。
また、「分かった?」と聞くより、「どうしてそうなるの?」と説明してもらうと、理解か暗記かが見えてきます。説明できないだけで「理解していない」と決めつけず、図に描く、具体例を作る、途中式を指さすなど別の表し方も試しましょう。責めずに、どこまでは分かっているかを一緒に探すことが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 大人になってからでも数学の苦手は克服できますか?
改善は目指せます。大人は目的を決め、自分のペースで戻れる強みがあります。つまずいた単元を小さく分け、仕組みを納得しながら進めましょう。年齢だけで可能性を決める必要はありません。
Q2. どこでつまずいたか、自分では分かりません。
「急に難しくなった」と感じた手前の単元が候補です。分数・割合・文字式・関数は、つまずきの起点になりやすい代表格。基礎的な問題を解いてみて、あやしい単元を見つけるのが第一歩です。一人で難しければ、専門家に切り分けてもらうのも有効です。
Q3. 子どもが数学を嫌がります。どう接すればいいですか?
できない部分を責めないことが何より大切です。苦手意識(4つ目の壁)は、感情から生まれます。小さな「できた」を一緒に喜び、つまずいた場所まで戻って埋める。焦らせず、理解を確かめながら進めると、嫌悪感が和らぎます。
※同じ基礎課題で強い困難が長く続く場合や、学習が日常生活・学校生活に大きく影響している場合は、本人の努力不足と決めつけず、学校の相談窓口や専門機関に相談してください。本記事は原因を診断するものではありません。
まとめ|原因が分かれば、苦手は変えられる
数学の苦手には、積み残し・抽象化のジャンプ・スピード偏重といった学習上の要因や、苦手意識が関係します。要因を切り分け、つまずいた場所に戻り、仕組みを納得しながら進めることで、改善の道筋を作れます。今日のポイントをまとめます。
1. 苦手は才能ではなく「学び方とタイミング」の問題
2. 3つの視点+苦手意識で切り分け、つまずいた“手前”に戻る
3. 暗記より「なぜ」を納得する。小さな「できた」で壁を崩す
とはいえ、「自分(や子ども)がどこでつまずいたのか、一人では分からない」という方も多いはずです。和からの大人の数学教室では、つまずきの場所を一緒に見極め、土台から納得して進められるよう、マンツーマンでサポートしています。まずは無料カウンセリングで、あなたの「苦手の地図」を描いてみませんか。
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<監修/和から株式会社 堀口智之>
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