マスログ

2020/10/07

効率的な学習と忘却曲線

こんにちは。和からの数学講師の岡崎です。

社会人の方に向けて講義を行っていますと、よく「どのくらいのペースで勉強すればいいのか?」というご質問をいただきます。実は記憶を効率よく定着させるためには、忘却曲線と呼ばれるグラフに基づく適切なペースがあります。

同じ勉強時間でも学習のペースによって、記憶できる量に大きな違いが出ます。これは、勉強の時だけではなく、仕事やプライベートにおいても知っておくと良いでしょう。今回は、効率的な学習はどのように行えば良いのか、というお話です。

1.忘却曲線とは

忘却曲線は、1885年ごろにドイツ人の心理学者、ヘルマン・エビングハウスが行った実験によって求められました。この曲線は、一度記憶した情報を、時間が経過してから同じ内容を記憶しなおすのに節約できる時間の割合(節約率)を示しています。例えば、次のグラフを見てみましょう。

エビングハウスの忘却曲線

例えば、学習後20分の時点で節約率が58%となっています。これは、一度100分かけて覚えたことを、20分後にもう一度覚えなおした場合、所要時間を58分短縮でき、42分で覚えることができることを表しています。しかし、1日後の節約率は33%となっており、この場合覚え直すのに67分必要であることがわかります。同じことを思い出すのに、20分以上の差があるのです!

このグラフから読み取れることは、次の2点です。

  • 2回目、3回目の学習の方が楽であるということ
  • できるだけ短いスパンで復習をすることで、復習の時間を短くできること
  • ここから、効率よく覚えるために「復習」が非常に大事であることがわかります。復習する時期が遅くなればなるほど、同じことを復習するのにとても時間がかかってしまいます。一方、この忘却曲線を活用することで、コスパよく知識を定着させることもできるのです!

    2.効果的な学習とは

    エビングハウスの研究以降、人間の記憶について様々な研究がされてきました。適切な復習のタイミングについて調べたカナダのウォータールー大学の研究によると、例えば1時間の授業を受けた後、翌日に10分一週間後に5分1ヶ月後に2〜4分の復習することで、次第に忘れにくく、知識が定着していることが分かります。定期的に復習を行うことで、復習に多くの時間を費やさなくてもすぐに思い出せるようになるのです。

    1時間の授業内容を定着させるための適切な復習のタイミングの様子。

    以上の結果から、勉強する時の最適なペースは月4回以上(1週間に一回以上)、これを基本とすると良いでしょう。重要な点は下記の2つです!

  • 授業と授業の時間間隔を空け過ぎないこと
  • 授業と授業の間に復習を入れること
  • 月の授業回数を4回 (授業間隔が1週間)とした場合と、月の授業回数を1回(授業間隔が1カ月)にした場合の忘却曲線の推移が下の図です。どちらも授業の翌日に1回復習を入れています。



    1週間ごとに授業を行った場合の節約率が約60%であるのに比べて、1ヶ月ごとの場合は40%ほどしかないことが分かります。限られた勉強時間を有効に使うためには、1週間ごとの勉強と、勉強した直後の復習が重要なのです!

    3.終わりに

    いかがでしたでしょうか。勉強すること自体素晴らしいことですが、一定の期間で復習を行うことで、同じ勉強量でもその効果を最大限に発揮することができます。和からの個別授業で数学や統計学を学んでいる皆さんも週1回のペースで授業を組んでいる方が最も多く、セミナーも1週間に1度で月4回のものを数多く実施しています。限られた勉強時間で学ぶ社会人だからこそ、効率的に学び、欲しい知識を身につけていきましょう!

    効率的な勉強方法について学びたい方は、こちらの本も参考にしてみてください。東京大学の脳科学者が書かれた脳科学に基づく効率的な学習法についてまとめてあり、受験生でない方も大変参考になる一冊です。

    【受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 池谷 裕二 (著) 新潮社】

    和から株式会社では、社会人向けのセミナー・個別指導を実施しております。

    学習の相談はこちら:

    無料相談お申し込み

    カテゴリー

    記事一覧

    Instagram

    Facebook

    Twitter