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FP2級・3級の計算問題対策|6つの係数・利回り・年金の解き方

公開日

2026年7月27日

更新日

2026年10月18日

FP2級・3級の計算で何を学ぶ?

FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定では、生活設計や資産管理に関わるお金の知識を学びます。計算問題の基本は、6つの係数で必要資金を求めること、利回りで運用の成果を割合にすること、公的年金の条件を整理して年金額を求めることです。

主に使うのは四則演算・割合・比です。難しい式を自分で導くことより、問題文から「何を求めるか」「どの数字と期間を使うか」を読み取ることが大切です。まず、それぞれの意味と計算例を確認し、その後に係数の選び方や学習方法へ進みましょう。

この記事のポイント

  • 6つの係数は、今の元本・将来の金額・毎年の積立や受取を結び付ける数値です。
  • 利回りは利益を投資額で割って考えます。利息だけを見るのか、売却損益も含むのかを確認します。
  • 係数名にある「年金」と公的年金の制度計算を区別し、年金の種類・対象期間・年額の基準をそろえます。
  • 受検する級・実施団体の試験要綱、法令基準日、CBTの操作方法も確認します。

FP試験で問われる主な計算

FP試験の計算は6つの係数だけではありません。学科・実技で扱う主な計算には、次のようなものがあります。出題範囲や実技の内容は、受検する級・実施団体で確認してください。

  • ライフプランニング:6つの係数、年金、社会保険
  • 金融資産運用:利回り、債券、投資信託
  • タックスプランニング:所得税、控除、税額
  • 不動産:建ぺい率・容積率、譲渡所得
  • 相続・事業承継:相続税、贈与税、評価額

一見すると範囲は広そうですが、土台は「何を基準に、どの割合を掛けるか」です。まずは割合と単位を正しく読めるようにすると、多くの分野に応用できます。

6つの係数とは?一覧で役割を確認

係数とは、元になる金額に掛けて、求めたい金額へ換算するための数値です。6つの係数は、決められた利率と期間のもとで、お金の現在と将来、一括の金額と毎年の金額を結び付けます。問題の利率・年数に対応する欄を選びましょう。

係数 何を求めるか イメージ
終価係数 今あるお金を運用すると、将来いくらになるか 今 → 将来
現価係数 将来の目標額を用意するために、今いくら必要か 将来 → 今
年金終価係数 毎年の積立額から、将来の合計額を求める 毎年積立 → 将来
減債基金係数 将来の目標額から、毎年の積立額を求める 将来目標 → 毎年積立
資本回収係数 元本を一定利率で運用しながら受け取る毎年額、または借入金の毎年返済額を求める 今の元本 → 毎年
年金現価係数 毎年一定額を受け取るために、今必要な元本を求める 毎年受取 → 今

計算例|減債基金係数で毎年の積立額を求める

以下は学習用の仮定例です。毎年末に同額を積み立て、問題で指定された利率と10年の期間に対応する係数を使います。税金・手数料は考慮しません。

問題:10年後に300万円を用意したい。係数表にある減債基金係数が0.096のとき、毎年の積立額はいくらでしょうか。

計算:300万円 × 0.096 = 28万8,000円

答え:毎年28万8,000円です。実際の試験でも、問題に示された係数表から適切な係数を選び、元になる金額に掛ける形が基本です。

単利と複利の増え方を比べた曲線グラフ
複利は利息が利息を生むため、時間をかけるほど単利との差が大きく開く

計算例|年金現価係数で今必要な元本を求める

係数名にある「年金」は、一定の間隔で同じ金額を受け取る、または支払うお金の流れを指します。国民年金や厚生年金の支給額を、この係数だけで計算するわけではありません。

仮定例:今の元本を運用しながら、これから10年間、毎年末に30万円ずつ受け取りたいとします。問題の係数表で、指定された利率・期間に対応する年金現価係数が9.471であり、税金・手数料は考慮しないものとします。

式:今必要な元本 = 毎年の受取額 × 年金現価係数

計算:30万円 × 9.471 = 284万1,300円

毎年の受取額から今の元本へ戻すので、年金現価係数を使います。反対に、今ある元本から毎年の受取額を求める場合は資本回収係数です。積立・受取が年初か年末か、端数をどう処理するかも、問題の指示に従ってください。

利回りの解き方|利益を投資額で割る

利回りは、投資した金額に対して、一定期間にどれだけの利益を得たかを表す割合です。「利息の割合」と「利息に売却損益を加えた収益の割合」は同じとは限りません。何を利益に含める問題かを先に確かめます。

計算例|1年間の利息と売却益を合わせる

仮定例:100万円で購入した資産を1年後に103万円で売却し、その1年間に利息を別に2万円受け取ったとします。途中の追加投資・引き出しはなく、税金・手数料は考慮しません。

  1. 売却益を求める:103万円 − 100万円 = 3万円
  2. 利益を合計する:利息2万円 + 売却益3万円 = 5万円
  3. 投資額で割る:5万円 ÷ 100万円 × 100 = 5%

この仮定では、1年間の利回りは5%です。売却代金103万円には元本が含まれるため、103万円全体を利益にしないことがポイントです。利息2万円だけを見れば投資額の2%ですが、売却益も含む収益率とは異なります。

この例は運用期間がちょうど1年です。複数年の問題では、年率か期間全体の割合か、単利か複利かを確認してください。たとえば債券の所有期間利回りを単利・年率で求める指定なら、売却損益を所有年数で割った年平均額と年間利息を合計し、購入価格で割ります。配当利回りなど別の指標へ、そのまま同じ式を当てはめないようにしましょう。

公的年金の解き方|制度と対象期間を整理する

公的年金の計算では、まず老齢基礎年金か、老齢厚生年金かを確認します。老齢基礎年金は納付済期間・免除期間など、老齢厚生年金は加入期間や報酬などが関係し、使う式が異なります。6つの係数の「年金」とは分けて考えましょう。

  1. 年金の種類と、受給要件を満たすかを確認する
  2. 生年月日・対象年度・納付や加入の月数を問題文から拾う
  3. 問題に示された年金額・計算式へ代入する
  4. 年額か月額か、加算や繰上げ・繰下げ、端数処理の指定を確認する

計算例|老齢基礎年金の納付月数を割合にする

日本年金機構が示す老齢基礎年金の計算を、条件を限定して練習します。40年(480月)で満額となる人で、受給要件を満たし、納付済期間と未納期間だけがある場合を考えます。免除・猶予・学生納付特例、加算、繰上げ・繰下げはないものとします。

この条件では、年額 = 対象年度の満額年金額 × 納付済月数 ÷ 480月と整理できます。

仮定例:満額年金額を計算練習用に80万円、納付済期間を360月、未納期間を120月とします。80万円は実際の年度の年金額ではなく、計算の仕組みを理解するための仮の金額です。

  1. 納付済期間の割合:360月 ÷ 480月 = 0.75
  2. 年額:80万円 × 0.75 = 60万円

この例の答えは年額60万円です。免除などの期間がある問題は、期間の種類や時期によって年金額への反映が変わるため、すべてを納付済月数として足してはいけません。受給資格を判定する期間と、年金額に反映する期間の違いにも注意します。

制度・計算の確認先:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」、日本年金機構「老齢年金」。学習では受検回の法令基準日と問題の条件を優先し、実際の年金額は該当年度の公式情報で確認してください(2026年10月確認)。

係数を選ぶときに確認すること

基本例を理解したら、公式名の丸暗記だけに頼らず、「なぜその係数を使うのか」を確かめましょう。次の問いを使うと、問題文を整理できます。

係数選びの確認
1お金の出し方

お金は「一括」ですか、「毎年」ですか?

2時間の向き

「今から将来」ですか、「将来から今」ですか?

3求めたいもの

「将来の合計」「今の元本」「毎年の積立・受取」のどれですか?

たとえば「今ある100万円を運用したら10年後にいくらになるか」は、今から将来・一括なので終価係数です。「10年後に300万円を用意するには毎年いくら積み立てるか」は、将来の目標から毎年の額を求めるので減債基金係数です。

係数名が思い出せないときは、問題文の中に「今」「将来」「毎年」と書き込み、矢印でつないでみましょう。言葉を図に変えるだけで、使う係数が見つけやすくなります。

計算でつまずくときの確認ポイント

原因1:6つの係数を名前だけで覚えている

名前が似ているため、暗記だけでは混乱しやすくなります。「一括か毎年か」「今か将来か」「何を求めるか」の順に考え、意味から係数を選びましょう。

原因2:割合・利回りの基準があいまい

「何の何%か」を取り違えると、基準となる金額がずれます。まず、基準になる金額を確認しましょう。割合を小数に直すときは、割合(%)÷100です。たとえば5%は0.05、25%は0.25になります。

原因3:単位や期間を読み飛ばしている

円・万円、年・月、税込・税抜などが混ざると、桁や答えが変わります。計算の前に単位へ丸を付け、必要なら同じ単位にそろえてから式を立てましょう。

原因4:画面電卓の操作に慣れていない

考え方が合っていても、入力ミスや桁の見落としで失点することがあります。普段からパソコンの電卓で練習し、最後に概算で検算する習慣をつけましょう。

原因5:公式を丸暗記している

手順だけを覚えると、数字や聞かれ方が変わったときに手が止まりやすくなります。「何を求める式なのか」を自分の言葉で説明できるようにすると、応用が利きます。

基礎から問題演習へ進む学習方法

  • 割合を確認する:「何を100%とするか」「%を小数に直せるか」を練習します。
  • 単位をそろえる:円と万円、年と月などをそろえてから計算します。
  • 基本例を自分で解く:6つの係数は今・将来・毎年の矢印、利回りは利益と投資額、公的年金は制度と対象期間を整理します。
  • 画面電卓と概算に慣れる:正確な計算の後、答えの桁が妥当かを確認します。

いきなり問題集を何周もするより、最初につまずいている場所を見つけた方が近道です。割合で止まるなら割合まで、単位で迷うなら単位まで戻って大丈夫です。

次に、受検する級・実技の種類に合う問題を解きます。間違えたら「係数・式の選択」「条件の読み落とし」「単位」「電卓入力」のどこでずれたかを書き、同じ問題を解き直しましょう。税金や年金を過去問で学ぶときは、古い年度の数値をそのまま覚えず、受検回の法令基準日に対応した教材で確認します。

受検前の確認|CBT・受検資格・法令基準日

画面電卓の操作に慣れる

2級・3級FP技能検定は、学科・実技ともにCBT方式で行われています。日本FP協会の試験要綱では、スマートフォン・筆記用具・計算機などの私物を自席へ持ち込めず、計算問題には試験画面に表示される計算機を利用すると案内されています。

普段から、パソコンの電卓などで「数字を入力する → 演算記号を押す → 結果を確認する」という基本操作に慣れておきましょう。答えを出した後に概算し、桁が大きくずれていないか確かめる習慣も効果的です。

受検資格と、出題に使う法令の基準を確認する

2026年10月確認時点で、日本FP協会の3級はFP業務に従事している人、または従事しようとしている人が対象です。2級には3級合格、FP業務の実務経験2年以上、AFP認定研修修了などの受検資格があります。実施団体の要綱で、自分が該当する条件を確認してください。

試験は原則として法令基準日時点で施行されている法令を基準にします。年金・税金の問題は「現在の制度」と「受検回で問われる制度」が一致するとは限らないため、受検回の法令基準日も確認しましょう。

※試験方式やルールは変更される場合があります。受検前に、日本FP協会の試験要綱または金融財政事情研究会の公式サイトで最新情報をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. FP試験に高度な数学は必要ですか?

主に使うのは四則演算・割合・比です。式を導くことより、6つの係数の役割や、利回り・年金の計算条件を理解し、必要な数値を選ぶ練習が大切です。

Q2. FP2級・3級で自分の電卓は使えますか?

CBT方式では、私物の計算機を自席へ持ち込むことはできません。計算には試験画面に表示される計算機を使います。受検前には、必ず実施団体の最新案内も確認してください。

Q3. 6つの係数が覚えられません。コツはありますか?

係数名だけを覚えるのではなく、「一括か毎年か」「今から将来か、将来から今か」「何を求めるか」を確認します。300万円に減債基金係数0.096を掛けて毎年の積立額28万8,000円を求めるように、具体例と結び付けて覚えましょう。

Q4. 係数の「年金」と公的年金の計算は同じですか?

異なります。係数の「年金」は一定間隔の同額の受取・支払を表します。公的年金は年金の種類、納付や加入の期間、対象年度などに応じた制度上の式で計算します。

Q5. 文系で数字が苦手でもFP合格を目指せますか?

目指せます。必要なのは計算の速さだけではなく、問題の条件を整理して式を選ぶ力です。割合や単位まで戻って土台を整え、基本例と問題演習を往復しましょう。

まとめ|係数・利回り・年金を意味から解こう

6つの係数はお金の時点と受け取り方、利回りは利益と投資額の関係、公的年金は制度と対象期間から整理します。どの問題も、意味を確認する → 条件と単位をそろえる → 式に代入する → 答えを確かめるという順で練習できます。

割合や単位で迷うときは、その基礎まで戻って大丈夫です。基本例を自分で説明できるようにしてから問題演習へ進み、受検回の法令基準日とCBTのルールを確認しましょう。

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<監修/和から株式会社 堀口智之>

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