ユニクロの柳井さんは「一勝九敗」なのになぜ儲かるか、その理由を数学的に考えてみた
公開日
2022年8月27日
更新日
2022年8月27日
今回は「数学的思考」を使うと世界はどう見えるか?という話をしたいと思います。
この記事の主な内容
どんな宝くじなら買う?その1
まず初めに、こんな質問をしてみたいと思います。
1%の確率で1万円が当たる当たる宝くじに50円で参加できます。
ただし、買える宝くじは1枚だけで、当選かどうかわかるのは1ヶ月後です。
こんな宝くじ、みなさんなら買いますか?
…さて、みなさんが答えを出す前に1つだけ情報をお伝えします。
今回、1%の確率で1万円が当たるので期待値(平均的にもらえる金額)が計算でき、期待値は(確率)×(もらえる金額)で計算できたので、計算してみると100円になります。
この100円というのは投資金の50円よりは高いです。
つまり、平均的にもらえる金額は投資金よりは多いというわけです。
さて、ここまで説明した上で、「この宝くじ、自分なら買います」という方はリアクションボタンを押してみてください。
(十数人がリアクションボタンを押す)
いいですね。かなり多いですね。半分以上の方がリアクションボタンを押してくれたようです。
もちろんこれで買うかどうかはその人の性格にもよると思うのですが、買わない選択をする方には「もらえる金額が1万円では少ない!」というギャンブル精神に溢れている方がいるかもしれないので、少し質問を変えてみましょう。
どんな宝くじなら買う?その2
今回は、1 %の確率で1000万円が当たる宝くじに5万円で参加できます。
ただし、買える宝くじは1枚だけで、当選かどうかわかるのは1ヶ月後です。
今度は、先ほどよりももらえる金額が1000倍になっていますが、買える金額も1000倍になっています。
今回のケースも期待値を計算してみると10万円となって、投資金の5万円よりは高いですね。
これならどうでしょう。
みなさんはこの宝くじなら買いますか?
「この宝くじなら買ってもいい」という方はリアクションボタンを押してみてください。
(数人がリアクションボタンを押す)
先ほどよりはだいぶ少なくなりました。やはり5万円は投資金額としてはちょっと高く感じるのでしょうか。しかし、チャットで意見をいただいていますが、「お金を借りてでも買いたい」という方もいますね。
ちなみに、このようなケースは主催者が必ず損をしてしまうので残念ながら実際には存在しません・・・。
では最後に次のようなケースを見てみましょう。
どんな宝くじなら買う?その3
最後は1%の確率で1万円が当たる宝くじに50円で参加できます。
ただし、当選かどうかがわかるのは1ヶ月後で、ちょうど1000枚でないと買えません。
このケースはお金の条件は最初のケースと同じですが、買える枚数が1枚や2枚とかではなく、1000枚なら買えます。
つまり、投資金は5万円です。そして、もし1000枚の宝くじがすべて当たれば1000万円がもらえるというわけです。
この宝くじ、みなさんなら買いますかね?
直感で構いませんので、「この宝くじ買う」という方、リアクションボタンを押してみてください。
(2、3人がリアクションボタンを押す)
いいですね。
先ほどの問いとほぼ一緒のように思えますね。やはり、リアクションボタンを押す人は少なかったようです。しかし、みなさんはこの3つ目の選択肢を選ばなかったことに後悔するはずです。
なぜでしょうか。それでは3パターンの宝くじを見たところで、みなさんにとっておきの秘訣をお伝えしましょう。
数学的なものの見方
そのとっておきの秘訣とは、「試行回数が増えれば増えるほど損しない」ということです。
実際、今回の宝くじを1000枚買った時は約97%の確率で損しない、つまり、ほぼほぼ確実に得になります。
逆に、1枚だけ買った時には当たる確率が1%だったので99%の確率で損をすることになります。
つまり、1、2番目はみなさんの好みの問題になってきますが、どちらにしても最後のケースでは絶対に買うべきだったです。
このようなものを投資の世界では「ポートフォリオを組む」と言います。
このように数学的に物事を見ると、会社として何を投資すべきか、どういうふうにお金を出すべきか、お金ではなくても時間をどう使うべきかがわかるわけです。
「一勝九敗」と確率的思考
また、あのユニクロの柳井正さんは「一勝九敗」と言っています。
なんと、ほとんどうまくいかないということなんですよね。
どうして9敗もするのに挑戦するのかが気になりますよね。
そんなに失敗するなら、普通は挑戦しないほうがいいじゃないですか。
でも違うんです、その1勝が非常に大きいんです。なので、仮に9敗したとしても挑戦しなければいけないんです。
これが物事を確率的に考える「確率思考」の話です。
みなさんも是非この発想を、仕事の中で、生活の中で、会社の中で活かしてください。
実際に会社の数字を読み解いていく上でも、「なぜこの投資をしているんだろう?無駄じゃないか?」と思われるような無駄とも思える経費があったりします。しかし、それこそ削減してはいけないお金だったりもするわけです。会社の挑戦する仕組みを確率で考えてみると、アッと驚く結果が見えてきますね。
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<文/堀口智之>