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数学的思考力・論理力を鍛えよう!~鳩の巣論法とは~

公開日

2021年12月9日

更新日

2021年12月9日


こんにちは。和からの数学講師の岡本です。今回はタイトルにもあるように、「鳩(はと)の巣論法」というものについて紹介をしていきたいと思います。「鳩?数学と何の関係が?」と思うかもしれませんが、非常に強力な論法で、日常生活やビジネスにおいても絶対に役立つ考え方ですので、是非最後までお付き合いください!

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1.鳩から学ぶ強力な論法

「鳩(はと)」といえば、平和の象徴であったり、公園によくいる身近な存在というイメージがあります。実はこの鳩の名前を冠した数学的論法があります。それが「鳩の巣論法」(あるいは「鳩の巣原理」)です。早速、その内容を見ていきましょう。

(鳩の巣論法)
\(n\)個の玉を\(m\)個の箱に入れる作業を考える。もし、\(n>m\)であるならば、2つ以上の玉が入った箱が必ず存在する。

 考え方は非常に明解で、例えば、「4人で出張にきて、ホテルの部屋が3部屋しか空いていなかったら、だれかが相部屋になるはず」ということを同じです。より一般に、「人数よりも空いている部屋が少なかった場合、相部屋が起こる」という原理が「鳩の巣論法」です。

2.鳩の巣論法の歴史

「鳩の巣論法」の歴史は非常に古く、確認されているもので最も古いのは、フランスの数学者Jean Leurechon(1591~1670)による著書「Récréations Mathématiques」(1624年)の中で言及されているようです。

「Récréations Mathématiques」(1624年)

 その後、ドイツの天才数学者Dirichlet(1805~1859)によって1834年に「Schubfachprinzip(引き出し原理)」という名称で扱われたことがきっかけで「Dirichletの原理」や「Dirichletの箱入れ原理」「Dirichletの部屋割り論法」という名前が一般的になりました。

Dirichlet(1805~1859)

なお、「鳩の巣」という名称は、アメリカの数学者Raphael M. Robinson(1911~1995)によるものと言われています。

3.東京都には同じ髪の毛の本数の人間が必ず存在する!?

鳩の巣論法を使うことにより、なんと「東京都内に同じ髪の毛の本数の人間が存在する」ということを証明することができます!突拍子もなく、証明なんてできるはずがなさそうな話ですが、意外にも簡単に説明ができます。

まずは髪の毛と都内の人口について以下のような現実的な仮定を考えましょう。

・人の髪の毛の量は多くて約10万~15万本と言われています。ここでは15万本以下と仮定します。
・都内の人口は約1396万人です。少なくとも1000万人よりも多いと仮定します。

 以上のような仮定のもと、髪の毛の本数で部屋分けを考えると、15万部屋ほど用意すれば問題ないはずです。しかし都内の人口は1000万人を超えるので、それよりも少ない部屋しかなければ、必ず「相部屋」が起こるはずです。つまり、同じ髪の毛の本数の人間が都内に必ず存在することが証明できました!

4.さいごに

いかがでしたでしょうか?今回は「鳩の巣論法」を使うことににより普通では決してわからないことを魔法のように証明することができました。ポイントは、何本なのか具体的な本数がわからなくても同じ本数の人間が「存在する」ということを示していることです。数学ではしばしば「具体的な数値や情報まではわからないけれど、与えられた性質をもつものは存在する」といった「存在証明」がいくつか知られています。今回の論法はその中でも非常に強力な証明の道具だったのです。鳩の巣論法はこの他にも様々な証明が可能になるので、余裕があればまた記事にしてみようと思います!

【令和コソコソ噂話】カラスは「かー(牙)と鳴く鳥」なので「鴉(からす)」、ハトは「くー(九)と鳴く鳥」なので「鳩(はと)」らしいですよ!

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<文/岡本健太郎>


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