「宇宙を理解する道を拓いた研究者」ガリレオ・ガリレイは何をした人物なのか?(前編)
公開日
2022年2月23日
更新日
2022年2月23日
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皆さんはガリレオ・ガリレイという人物についてご存じでしょうか。ガリレオと聞くと、今年秋に劇場版公開予定の「ガリレオ」シリーズ(福山雅治さん主演)を想像される方も多いかもしれません。あるいは「教会に目をつけられて処刑された人」というイメージもあるかもしれません(ちなみによくある誤解ですが、処刑されてはいません)。いずれにしろ「名前を聞いたことがある」という方は多いのではないかと思います。
今回は、そんなガリレオ・ガリレイについて、どのような人物なのか、何を行ったのかを見ていきましょう。
ガリレオ・ガリレイはどんな人?
ガリレオは1564年にイタリアのフィレンツェを都としていたトスカーナ大公国という国に生まれました。彼は地元であったピサの斜塔で有名なピサにある大学に入学して医学を学びますが、大学の講義でユークリッド幾何学に感銘を受けて数学に転向します。そしてピサ大学を退学し、数学を学ぶためにフィレンツェに向かいました。
そして1589年、25歳の若さでピサ大学の数学教授の地位を得ており、かなりの秀才ぶりが伺えます。
何をした人なの?
ガリレオ自身は光やレンズについての研究者ではありませんでしたが、1608年にオランダのハンス・リッペルハイという人物によって物体を数倍程度に拡大して見ることができるもの(拡大鏡)が発明されたという噂を聞きつけると、すぐさま自分自身で2枚のレンズと筒を組み合わせて自作しました。自分で改良を行って、発明されたものの20倍から30倍ほどの高倍率を持つ望遠鏡に仕上げ、さらにそれを地上ではなく宇宙に向けたのです!
地上にいる人間の目には細かすぎてよく見えない月や木星などの天体を、望遠鏡によってくわしく観察することができました。こうして得た発見や知識を、1610年に『星界の報告』という書物にして発表します。ガリレオが発見したのは例えば以下のような内容です。
現代では常識とされるものばかりですが、「月は神々が住む完全な世界であり、表面は水晶でできているからツルツルである!」など当時の常識とされていたものを観察によって吹き飛ばしてしまったのです。さらに、この書物は天体のイラストをたくさん載せており、天体についての新しい事実だけではなく、観察を行うことの重要性や科学的な考え方を人々に伝える役目を果たしました。そのため、ガリレオは「天文学の父」と呼ばれています。
しかし、天体について新しいことが分かってくるにつれて、ガリレオにはある仮説が浮かびあがりました。
地球は太陽の周りをまわっているのではないか?つまり、地球を回る月のような衛星の一つにすぎないのではないか?
もしこの仮説が正しければ、当時絶対とされていた聖書に書かれている「地球は宇宙の中心にあって、太陽や月や星が、この地球の周りを回っている」という内容に完全に反してしまいます。
ここから彼は教会の強い反発を受けることになるのですが、長くなってきたので後編に続きます。
それではまた。
<文/岡崎 凌>
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