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マスログ

2022/01/12

3の倍数判定法の証明


こんにちは。和からの数学講師の岡本です。前回は与えられた数が「3の倍数かどうか」を判別する方法をご紹介しました。

超簡単!3の倍数かどうか判別する方法!

今回の記事では、説明した方法がどうして3の倍数かどうかを判定できるのかを数学を使って証明していこうと思います。

1) 3の倍数判定法

まずは、3の倍数判定法を復習しましょう。

(3の倍数判定法)
与えられた数の各桁の数の和が3の倍数であれば、その数は3の倍数である。

つまり、「12345」は\(1+2+3+4+5=15\)となり、3の倍数となります。したがって、「12345」も3の倍数です。また、「1234」のように\(1+2+3+4=10\)が3の倍数でないときは元の数「1234」も3の倍数ではありません。この便利な判別法のメカニズムをしっかりと解説していきます。

2) 10進数表示

3の倍数判定法の証明に入る前に、「10進数表示」について簡単に説明しておきます。10進数表示とは、数字の表し方の1種で、私たちが普段から使っている数字の表記です。0,1,2,3,4と数字を大きくしてくと10番目で位が変わり、「2桁」の数になります。つまり、通常使われている数字の表記は、“表し方の周期が10”となっています。例えば、「34」という数は\(3\times10+4\)と表現でき、「325」は\(3\times 100+2\times 10+5\)と表現できます。これを「10進展開」といいます。例えば、「12345」は

\begin{align*}
12345=1\times10^{4}+2\times 10^{3}+3\times 10^2+4\times 10+5
\end{align*}

と表せます。そして一般にn桁の数\(N=a_{n-1}a_{n-2}\cdots a_2a_1a_0\)は、

\begin{align*}
N=a_{n-1}10^{n-1}+a_{n-2}10^{n-2}+\cdots+a_210^2+a_110+a_0
\end{align*}

という具合に、10の冪で展開することができます。ただし、係数\(a_i\)は全て0~9の数字です。3の倍数の判定法はこの表記がカギになります。

3) 3の倍数判定法の証明

まず注目すべき点は、\(10=9+1, 100=99+1, 1000=999+1, 10000=9999+1\)という具合に、10の冪は\(999\cdots9\)という数と1に分けることができます。つまり

\begin{align*}
10^n=999\cdots9+1=3(333\cdots3)+1
\end{align*}

と表すことができます。そのため、n桁の数\(N=a_{n-1}a_{n-2}\cdots a_2a_1a_0\)は、

\begin{align*}
N&=a_{n-1}10^{n-1}+a_{n-2}10^{n-2}+\cdots+a_210^2+a_110+a_0\\
&=a_{n-1}\times(999\cdots9+1)+a_{n-2}\times(99\cdots9+1)\cdots+a_1(9+1)+a_0\\
&=a_{n-1}\times(3(333\cdots3)+1)+a_{n-2}\times(3(33\cdots3)+1)\cdots+a_1(3(3)+1)+a_0\\
&=3\{(333\cdots 3)a_{n-1}+(33\cdots 3)a_{n-2}+\cdots 3a_1\}+a_{n-1}+a_{n-2}+\cdots+a_1+a_0
\end{align*}

となり、3の倍数パートと、各桁の数の和\(a_{n-1}+a_{n-2}+\cdots+a_1+a_0\)とに分かれます。したがって、\(N\)が3の倍数かどうかは各桁の数の和\(a_{n-1}+\cdots+a_0\)が3の倍数かどうかで決定されることがわかります!

4) さいごに

いかがでしたでしょうか?桁の数が主役になる場合、10進数表示というのが非常にベンリになります。しかし、これ以外にも便利な道具として「合同式」という概念があります。これは割り算をしたときの「余り」に注目するというもので、合同式を用いると議論はクリアになります。最近では高校数学の範囲に「整数論」が入ってきており、合同式を使うことにより比較的簡単に解けてしまう入試問題もあるぐらいです。次回は「合同式」を使った3の倍数判定法、9の倍数判定法、そして11の倍数判定法についても解説したいと思います。この機会に整数論を学びなおしてみてはいかがでしょうか!

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<文/岡本健太郎>


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