新型コロナウイルス感染者数からみるリスクリテラシー
公開日
2022年1月18日
更新日
2022年1月18日
さて、本日2022年1月18日。
大阪で、とんでもない人数の新型コロナウイルスの感染者数が出ました。大阪府だけで「5396人」の感染者ということで、今までに見たことがないくらいの数字となってしまいました・・・。全国でも初の3万人を超えたようです。
(参考:大阪府で過去最多5396人の感染確認 死亡1人)
さて、これからどれだけ感染者数が増えていくのか。また、その感染者に対してどのくらいリスクを感じてきたのか。
これまでの経緯を振り返って考えていきたいと思います。
この記事の主な内容
新型コロナウイルスの具体的なリスクの定量化
2020年4月、最初の日本での緊急事態宣言が為されたとき、日本の感染者はせいぜい1日500人程度だったとは知っておりますでしょうか。約1か月程度そのくらいの人数が続き、あとはゆっくり感染者数は減少していきました。
単純計算で、日本の感染者数は累計15000人程度でした・・・。
これは日本人全体に対して感染者の割合は、なんと1万分の1に相当します。1万分の1とは、非常に小さい値で、ほぼ感染者は出ていないということを意味します。
グラフで見れば視覚的にもわかるでしょう。ほぼほぼゼロといっても過言ではないくらい小さな値です。
しかし、だから安心というわけではありません。指数関数的に増加するというのがウイルスによる感染症の特徴です。第2波、第3波と続き、その脅威はさらに拡大していきました。第5波では、なんと1日あたりの感染者数が最大25000人までいきました。これは、1日あたりの感染者数が2020年4月の最初の波と比べて約50倍になっているということを意味します。
実際に2021年9月までの累計の感染者数は160万人程度で、なんと日本人の80人に1人程度は感染するにいたっています。80人友人がいたとすると、うち1人は平均して感染しているという結果です。
グラフを見れば、明らかに感染者数が2020年4月と比べて相対的にとんでもない量になっていることがわかることでしょう。
しかし、どうでしょう。
我々は、2020年4月と、2021年8月、どちらの方がリスクを、恐怖を感じていましたか?
リスクリテラシーは感情を動かす
このマスログでは、2020年4月の感染者数は全く恐ろしくないということを何度も言及してきました。しかし、リスクの体感値は全く違ったと思います。
2020年4月、まさに未知なるウイルスが我々を危険に追い込んでしまっている、と大きな恐怖を感じた方も少なくないはず。
マスクやトイレットペーパー、ティッシュペーパーの売り切れ続出など、経済活動としても大きな影響を与えたことは記憶にあることでしょう。
感情として、行動としても、2021年8月は感染者数が桁違いに多かったにも関わらず我々は相対的にではありますが、ほとんどリスクを感じていなかったのではないでしょうか。
このように、リスクは、数量だけではありません。感情的なリスクも大きく我々の行動を変えていきます。
特に未知なるものに対して異常すぎるほどのリスクを感じてしまうのも生存本能として人間が本来生まれながらに持っている資質です。だからダメ・・・という話では一切なく、適切な恐怖を感じながら過ごしていれば、決して過剰なテレビやメディアの煽りに感情をきちんとコントロールしながら安心感も同時に感じながら過ごせるものと思います。
そして今、オミクロン株という新たな脅威が身近に迫っています。
オミクロン株はどのくらいのリスクを我々にもたらすのだろうか
実は、オミクロン株での感染者数は、過去最大規模の感染者数になろうかと思います。なぜなら、既にアメリカでは、1日あたり140万人(2022年1月10日CDC報告)の感染者という(今まで最大25万人程度だった)過去の約6倍にまで膨れ上がっています。
これをこのまま日本に適用するなら、日本全体では、1日あたりの感染者数が15万人、東京でも、3万人の方がたった1日で感染するという現実がすぐそばに迫っているということを意味します。
しかし、不安になりすぎることはありません。
入院率の減少、ワクチンの接種、経口薬の開発、新型コロナに対する様々な研究と科学が我々をサポートし続けています。
こちらの厚生労働省のWEBにうまく見える化された感染症情報が掲載されていますのでぜひご確認ください。
参考:データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報--厚生労働省
過剰なリスクを感じすぎることなく、過ごしたいものです。
<文/堀口智之>
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