ミニ四駆で学ぶ-情報収集超入門⑤-
公開日
2021年3月7日
更新日
2021年3月7日
前回でノーマルモーターの検証は項目として終わりました。
しかしながら、タイヤとホイールの検証が中途半端だったため、追加検証を行います。
以前の検証では手元にあったタイヤとホイールのみで行いましたが、やっぱりある程度の種類は欲しかったので「大人買い」しに行ってきました。。。改めて検証を行っていきたいと思います。
今回使用するのは【検証Ⅳ-12】(前回記事で1番早い組み合わせだった)を使い、タイヤを変更していきます。
【検証Ⅳ-12の仕様】
・ボールベアリング
・ゴールドターミナル
・タイヤとホイールは元々付いていたもの
・最初から付いている後ダンパーを外す
・前方に「補助プレート」
・前方に「オールアルミ製ガイドローラー(19mm)」
・後方に「補助プレート」
・後方に「オールアルミテーパータイプベアリングローラー(19mm)」
※こちらで10周30.08秒(1周3.01秒)
果たして、ノーマルモーターで10周平均3秒を切るマシンはできるのでしょうか???
↓↓↓動画で見たい方はこちら↓↓↓
この記事の主な内容
1.タイヤ径について
タイヤ径は以前の検証結果から、
・ノーマルモーターを使用
・今回のコースで検証
この2点であれば、「径が大きい方が良い」・・・との結果でした。ここについては今回、小径と中径も購入して検証した内容が下記でした。
【タイプA-1】・前輪:小径24mm、後輪:小径24mm:細いタイヤ
【タイプA-2】・前輪:小径24mm、後輪:中径26mm:細いタイヤ
【タイプA-3】・前輪:小径24mm、後輪:大径31mm:細いタイヤ
【タイプA-4】・前輪:中径26mm、後輪:小径24mm:細いタイヤ
【タイプA-5】・前輪:中径26mm、後輪:中径26mm:細いタイヤ
【タイプA-6】・前輪:中径26mm、後輪:大径31mm:細いタイヤ
【タイプA-7】・前輪:大径31mm、後輪:小径24mm:細いタイヤ
【タイプA-8】・前輪:大径31mm、後輪:中径26mm:細いタイヤ
【タイプA-9】・前輪:大径31mm、後輪:大径31mm:細いタイヤ
簡単にタイヤ径ごとにまとめてみたのがこちらのマトリックス図です。
※Excelの「カラースケール」を使ってタイムが早いほど緑、遅いほど赤です。
※1周当りの平均タイムを記載
何とまさかの!!!ノーマルモーターで「平均3秒/周」を切るマシンが早速できた!!
と喜びたいところですが、ここでもやはり不正が・・・(笑)
【タイプA-8】測定結果は「1回目:7週目でコースアウト」、「2回目は8週目でコースアウト」・・・で3回目の測定結果です。
【タイプA-7】も相当スピードが速そうでしたが1周も測定できずコースアウト・・・。これは別のセッティングを試したいところです。
その他、タイヤの幅については、「小径」と「大径」の太いホイールがあったため、検証しました。
結論を要約すると、
・後輪に大径(幅太い)ホイールはガイドローラーが干渉してしまい装着できず検証不可。
・前輪と後輪を(幅太い)ホイールにした場合は、すべてのタイムが遅くなりました。
・前輪を大径(幅太い)ホイールにして、後輪に小径及び中径の(幅狭い)ホイールを付けた場合は1周目からコースアウトして測定できず。(結構、早そうな感じでした)
・つまり、後輪はいずれのパターンも幅が太いホイールは遅くなると考えられます。
※前輪:「大径」、後輪:「中径」及び「小径」のパターンはコースアウトしないセッティングを追加したいと思います。
2.ホイールについて
先ほどのタイヤ径の結果を考えると、ホイールの基本検証はタイヤ幅が狭いもので試した方がよさそうです。
※幅の太いホイールは「前輪:大径ホイール」で後輪が中径及び小径の(幅細)の場合のみ検証をします。
ホイールについても、前回がプラスチックとアルミ製しかなかったため、今回の検証に合わせて近くのお店にあっただけ買い足した訳ですが・・・。
ここで失敗だったのは前述の「タイヤ径の検証」を行った後にホイールは買うべきでした。
タイヤ径の検証をする前に「タイヤ関係の検証を行う」と決めて適当にあるだけ買ってため、改めて見るとタイヤ幅が太いホイールを結構買ってしまっていました。
今回は主としてホイール幅が狭いものを検証したいので、思ったよりも種類が豊富な検証にならないことにガッカリです・・・。
ともあれ、昔に流行っていた「ワンウェイホイール」や「カーボン製」は買いました。「アルミホイール」の検証はもちろん除外ですが・・・(笑)
この違いを見てみたいと思います。
前述までの情報を整理すると・・・。
安定的に走らせるなら「中径以上で、前輪後輪を同じ大きさ」にする、もしくは速さを重視するなら「前輪を大径、後輪は中径以下で幅が細いホイール」にすることを検証したら良いかと思います。
大径ワンウェイホイール (オフセットトレッドタイヤ付)
今回は速さ重視で検証したいため、前輪は大径でホイールの比較を行い、後輪は中径以下で絞り込みをしたいと思います。
【タイプB-1】・前輪:ワンウェイ大径31mm(幅細)、後輪:メッキ小径24mm(幅細)
【タイプB-2】・前輪:ワンウェイ大径31mm(幅太)、後輪:メッキ小径24mm(幅細)
【タイプB-3】・前輪:ワンウェイ大径31mm(幅細)、後輪:ワンウェイ中径26mm(幅細)
【タイプB-4】・前輪:ワンウェイ大径31mm(幅細)、後輪:カーボン製中径26mm(幅細)
【タイプB-5】・前輪:カーボン製大径31mm(幅細)、後輪:ワンウェイ中径26mm(幅細)
【タイプB-6】・前輪:ワンウェイ大径31mm(幅太)、後輪:ワンウェイ大径31mm:(幅細)
※ワンウェイ小径は購入できてなかったため検証除外
なるほど!!ワンウェイホイールを付けただけでコースアウトが改善された???私が子供の頃にワンウェイホイール「最強神話」があったのですが、納得です。コーナリングをスムーズにするワンウェイホイールは前輪に付けると意味があるようです。
おそらく、自宅で検証しているコースの場合、前輪にワンウェイホイールを付ければコースアウトが改善されて素早くコーナリングができるので神話が生まれたのかも!?
※昔にプラモデル屋さんとかに置いてあるミニ四駆のコースが今回検証に用いているモノを使っていることが多かったため。
現在はワンウェイホイール最強神話が崩壊したと言われていますが、おそらく大会などで使われるミニ四駆のコースは過去と比べて複雑で、様々なコースパターンがありそれに合わせてセッティングが必要となるためだと思われます。
※あくまでも今回の検証から考えた個人的な感想です・・・。
この結果から、前輪に使うのは「ワンウェイホイールの大径(幅細)」にしようと思います。
※前輪に用いる場合、幅が細いor太いケースに差は少なかったですが見た目の問題です。
後輪については小径ホイールが良いのはわかりました。この結果から後輪にワンウェイホイールを付けても効果が薄いと思われるため、今回使用したメッキ製小径24mm(幅細)で良いかと思います。
※プラスチックとカーボン、メッキの違いは細か過ぎるので今回は検証を止めました。
3.タイヤ種類について
最後にタイヤ種類の検証です。
タイヤはソフト、ハード、バレルタイヤなど様々ありますが、購入できた範囲で検証を行います。
タイヤの関係性を大まかに記載した参考図が下記です。
※ホイールは前輪:ワンウェイ大径31mm(幅細)、後輪:メッキ小径24mm(幅細)
【タイプC-1】・前輪:スポンジタイヤ、後輪:ノーマルタイヤ
【タイプC-2】・前輪:ノーマルバレルタイヤ、後輪:スポンジタイヤ
【タイプC-3】・前輪:ノーマルオフセットタイヤ、後輪:ノーマルタイヤ
【タイプC-4】・前輪:ソフトノーマルタイヤ、後輪:ノーマルタイヤ
【タイプC-5】・前輪:スーパーハードタイヤ、後輪:ノーマルタイヤ
※C-1の結果で前輪スポンジタイヤは検証終了。
※C-2の結果から前輪のタイヤがスピードへの影響が高いと考えて前輪を検証。
測定していて思ったのですが、ノーマルモーター&このコースで考えた場合、タイヤの質や形状の違いは、ワンウェイホイールほどのインパクトはなさそうです。結局、前輪は初期装備のゴム質ノーマルで、バレルタイヤが良かったことになりました。
4.今回のまとめ
以上、ホイールとタイヤの追加検証をお届けしました。
ノーマルモーターで「2.77秒/週」のマシンが完成です!!
今回の検証で一番苦労した点は、やはりデータをこまめに収集する点に尽きます。
1回ずつセットを変えて検証し、測定して、データを入力する。これ、相当に面倒くさいです。
実際にミニ四駆をセッティングしている時間より、データを収集して入力し、次の検証セッティングを考えている時間の方が長かったです。
また、「同条件」を作るのが結構大変で、電池も40周くらいさせると元気がなくなってくるんです・・・。
試しに同じセッティングで
・充電後初めて10周させた場合。
・充電後50周走らせてから10周のタイムを取った場合。
これを比較したら、10周で1.51秒も異なりました・・・。
したがって、今回の検証については、同じ条件を別日に何度か繰り返し、前回のタイムと大きく変わらない状態のデータを掲載しています。つまり、結果として同じセッティングで日を変えて2回以上測定しました。ここが特に手間がかかった点かと思います。
このようにデータを収集するのは大変であるため、多くの場合では「とりあえずやってみる」ことを行って、なんとなく感覚で改造して仕上げていくことがほとんどです。しかしこの場合には下記のような問題が発生します。
・たまたまうまくいったセッティングを忘れた場合に再現できない。
・人に説明して教える時に、感覚的になる。
・本当の意味で自分でも理解できていない。(なんとなく理解はしている)
実際に仕事でも多くの場合はデータを収集することに手間とコストがかかるため「勘」と「度胸」と「経験」で済ませてしまうことが少なくありません。
手間でも面倒でもデータを収集しておくと、これら勘と度胸、経験の「K・K・D」から脱却できて活用できることもあります。
ぜひ、皆様も遊びながら情報収集することを学び、業務に活かしていただければと思います。
次回からは、モーターを変えてさらに早くしていくための検証を行っていく予定です。
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<文/綱島佑介>