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鉛筆に刻まれた「357686312646216567629137」。その驚くべき意味とは?

公開日

2020年9月26日

更新日

2026年10月10日

この記事について(2026年10月8日確認)
左切り捨て可能素数の探し方で、出発点を「1,3,7,9」としていた箇所を1桁の素数「2,3,5,7」に訂正し、例を「7」から始めたものに直しました(図は「9」から始めた公開当時のままです)。右切り捨て可能素数と比べた説明と、数学的デザインの講座の案内(現在は無料の動画講座)もあわせて直しています。


動画で見たい方はこちら↓↓↓

こんにちは。和からの数学講師の岡本です。今回は友人からプレゼントされた鉛筆についてのお話です。

1.数字が刻まれた鉛筆

 ある日、友人からイギリスのお土産をいただきました。中身は大量の鉛筆です!しかも、なにやら数字がたくさん書いてあります。

刻まれていたのは次のような数字の列でした。

\begin{align*}357686312646216567629137\end{align*}

一体どんな意味が隠されているのでしょう…?

2.第一印象「きっと素数だ」

数字を見た素数好きの私は直感で「きっと素数だ」と思いました。そして、すかさず「素数チェッカ」という、(巷では有名な)素数判定アプリに入れて実行しました。すると…

やはり素数だったのです…!(素数であれば数の隣に「prime number」と付きます。素数好きはみなここで興奮します。)しかし、どういう意味があるのでしょうか?イギリスの商品ですし、なにか数字の語呂があるわけでもなさそうです。そこで商品が「鉛筆」であることに注目して考えてみました。

「実際に鉛筆を使用すると、削れていくので、数字が変わっちゃうな…。」

ここでピンときました!

「も…、もしかして、削れてもずっと素数なんじゃ…!?」

恐る恐る、私は最初の数字を削った「\(57686312646216567629137\)」で素数判定をしてみました。すると…

なんと、「\(57686312646216567629137\)」は素数です…!!
ではさらに「5」を削った「\(7686312646216567629137\)」はどうでしょう?

素数です!!!続きをやった結果がこちらです。

なんと鉛筆に書かれた「357686312646216567629137」は、「どんなに削られてもずっと素数」であるような素敵な素数だったのです!!!!

3.切り捨て可能素数

前節でお話したような「どんなに削られてもずっと素数」であり続けるような素数のことを「切り捨て可能素数」といいます。ただし、今回は左の数を削っていることから正確には「左切り捨て可能素数」と言います。実は「357686312646216567629137」は最大の左切り捨て可能素数であることが知られています。もちろん「右切り捨て可能素数」もありますが、右から削る場合は削るたびに一の位の数字が入れ替わるので、いちばん左以外の数字はすべて「1,3,7,9」のどれかでなければなりません(2桁以上で一の位が偶数か5の数は素数になりません)。一の位が変わらない「左切り捨て可能素数」の方がずっとバリエーションが豊富で、左切り捨て可能素数が全部で4260個あるのに対し、右切り捨て可能素数は83個しかありません。探し方は非常にシンプルで、1桁の素数「2,3,5,7」からスタートさせ、左に数字を付けていき素数かどうかを判定します(最後に残る1桁も素数でなければならないためです)。下の図はこの作り方を「9」から始めて3桁目までまとめたものですが、9は素数ではないので、図の数は実際には左切り捨て可能素数ではありません。

正しく「7」から始めると、1桁目が7であるような2桁の素数は「17」「37」「47」「67」「97」の5つなので、最初の7から左に5本矢印が伸びます。そして下2桁が17であるような3桁の素数は「317」「617」の2通りあるため、また左に矢印が2本伸びます。このような操作を繰り返していくことで、左切り捨て可能素数が次々と出来上がります。そしてしらみつぶしに素数を作り出していくことで「357686312646216567629137」が最大の桁数になる左切り捨て可能素数ということがわかります。

4.さいごに

いかがでしたでしょうか。普段なかなか聞くことのないマニアックな「切り捨て可能素数」。使用するたびに削られる「鉛筆」にデザインされているのがユーモアがあっていいですね。よくみると「ALWAYS IN OUR PRIME」(いつも私たちの素数の中に)と書いてあります。

何事も楽しんで学ぶ、応用する、活用するというのがいいのだと思います。和からでは数学を用いた「デザイン」の無料の動画講座もご用意しています。興味のある方は是非!

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<文/岡本健太郎>

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