ついに全国でプログラミング必修化!?2020年4月から小学生が学び始めたプログラミング教育とは
公開日
2020年7月20日
更新日
2020年7月20日
こんにちは、和からの岡崎です。統計学・機械学習・テキストマイニングなどのデータ分析や、人工知能やプログラミングなどのセミナーと、企業向け研修の講師をさせていただいております。
早速ですが、皆様はNHKで2020年7月現在放送中の番組「テキシコー」をご存知でしょうか?プログラミング的思考を学ぶ、プログラミングテキシコウ、テキシコー!オープニングから陽気な音楽が流れ、プログラミングの考え方がふんだんに散りばめられたとてもユニークな内容になっています。簡単なものから、大人から見ても唸るようなプログラミングの問題が取り上げられており、様々なプログラミング的な考え方を学ぶことができる内容になっています。すぐに人に伝えたくなるような内容もたくさん織り込んでありますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。お子さんがいらっしゃるご家庭なら、大受け間違いなしです!
今、世界中でプログラミング的思考の教育が重視されてきています。その流れを受けて、2020年4月、ついに日本でもプログラミング教育が始まりました。全国の小学生がプログラミングの考え方を身につけて卒業する、そんな時代がすぐそこまで迫ってきています。でも、実は小学生にプログラミングを教えるのに、C言語やPython言語などのプログラミング言語を使っているわけではありません。これはどういうことなのでしょうか?今回はそんなプログラミング教育について、今何が起きているのか、この時代にプログラミングの何を学ぶべきかを解説致します!
プログラミング教育必修化について
2020年4月から、全国の小学校でプログラミング教育が必修化となりました。新学習指導要領によると、小学校の義務教育化におけるポイントは次の2点です。
1.児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動
2.児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
今後インターネットで情報を収集したり、PCを活用したりすることはあらゆる分野で求められるようになります。その中で、PCがどのような処理で動いているかを学べるプログラミングは、学習を進める上で最適としてプログラミング教育が始まったのです。 それだけではなく、プログラミングを行うための思考、いわば「プログラミング的思考」はプログラミングに限らず、問題を各要素に分解したり、解決するための一連の処理(フローと呼びます)を組んだり、するときに必要です。つまり、プログラミングを学ぶことは、大小様々な問題を解決するための論理的思考を学ぶことでもあるのです!これがプログラミング教育が始まった本当の理由であると言えます。プログラミングを書くこと自体が目的なのではなく、プログラミングによって問題を解決できることを学ぶこと、これこそが今求められているのです。
プログラミング教育の内容について
では、実際に教えられている「プログラミング言語を使わないプログラミング教育」とは、一体どのようなものなのでしょうか。今全国の小学校で導入されているプログラミング教育のツール、それは「Scratch」と呼ばれるソフトです!Scrachは、米マサチューセッツ工科大学のMITメディアラボで開発されたプログラミング学習用ソフトです。難しいプログラミング言語・正しい構文の書き方を覚えていなくても、簡単なブロック操作でプログラムを行うことができます。Scratchの使い方は、「10歩動く」「90度回る」などの指示が書かれた、ブロックを積み木のように組み合わせるだけです。そうすると猫(スプライトと呼びます)が、指示通りに動いてくれます。
学校教育に限らず大人も含めてプログラミングを学ぶときにありがちなのは、プログラミングの文法や構文を覚えることに気を取られて、「自分で書いて動かすことができない」ことです。使いこなす上でプログラミングの文法や構文を身に着けることはもちろん重要ですが、本来プログラミングは「自分が意図している通りにパソコン(機械)を動かすための命令」を書くものであるはずです。 Scratchを通じて、繰り返し・分岐・同期などプログラミングでできる様々な命令を学ぶことができると同時に、 プログラミング学習を始めたばかりの方や、少し学んでみたものの今ひとつ使いこなせていないと感じている方は、ぜひScratchによるプログラミングを通じて考え方を学ぶことを強くお勧めします。 Scratchを一通り操作できるようになる頃には、プログラミング的思考と、問題を解決するための論理的思考が身についているはずです。
文部科学省の学習指導要領や教員指導用テキストによると、Scratchを算数・理科など他の科目にも活用するよう推奨されており、図形をプログラミングで描いたり、部屋の電気のスイッチ操作をプログラミングしたりと、色々な形で授業に活用されていくことが期待されています。
プログラマーにならない人も、プログラミング的思考、名付けて「テキシコー」は、日常のささいな問題から、現在凄まじい勢いで世界を変革しているIT・人工知能をどう活用するという問題まで色々な課題を解決する上で、思考するための大きな助けになります。ぜひ、皆さんもScratchで楽しくプログラミングを始めてみませんか?
社会人の方も楽しく学べるScratchを使ったプログラミング初学者向けのセミナー、「プログラミング言語なしで学ぶプログラミング-コードを書くために必要な考え方を学ぶ-」を新設しました! Scratchを通じてプログラミングで意図した通りにPCを動かす楽しさを体感しながら、プログラミングを書く上で必要な考え方を学ぶ内容になっています。「これからプログラミング始めてみようかな..」「プログラミング言語勉強してみたけど、なかなか自分で考えて書けるようにならない…」と思っている方はぜひぜひご参加ください!
また、プログラミング初学の方で、プログラミングの考え方を学んでみたい方は、ぜひこちらのテキストをお勧めいたします。すみっこぐらしの可愛らしい絵柄ですが、小学生向けだと侮るなかれ、簡単な文章の中にプログラミングのエッセンスが詰まったいい問題が多く収録されています。
すみっコぐらし学習ドリル 小学1・2年 はじめてのプログラミングドリル 鈴木 二正 (著) 主婦と生活社
それではまた、ごきげんよう。