看護・医療系受験に必要な数学とは|出題範囲の確認と対策
公開日
2026年10月8日
更新日
2026年10月12日
この記事のポイント
- 看護・医療系入試の数学科目・出題範囲は、学校・選抜方式・年度によって異なります
- 募集要項と過去問から、計算・関数・確率・文章題などの必要分野を学校別に確認します
- 社会人選抜を含め、科目・範囲・試験時間を確認してから復習の優先順位を決めます
看護・医療系の受験に向けて数学を学び直すときは、まず必要な科目と出題範囲を確認しましょう。看護・医療系入試では、数学が必須の学校、選択科目の学校、選抜方式によって数学を課さない学校があります。数学I・Aだけを課す例もあれば、大学入学共通テストで数学II・B・Cまで選択対象にする例もあります。まず志望校と選抜方式を特定する必要があります。
この記事では、公式の募集要項と過去問から出題範囲を確認する方法を示し、計算・方程式・関数、確率・場合の数、単位換算・割合の文章題を復習候補として整理します。
この記事の主な内容
出題範囲は志望校・選抜方式ごとに確認する
2027年度の公式情報でも、国立看護大学校の一般選抜は数学I・A、日本赤十字看護大学の共通テスト利用選抜(Ⅰ-A)は数学I・Aを必須とし、数学II・B・Cを選択科目の一つとしています。このように、同じ看護系でも範囲と科目の扱いは同じではありません。
募集要項では、科目名、必須・選択、出題範囲、配点、試験時間、過去問の公開有無を確認します。社会人選抜も一般選抜と別の科目構成になる場合があるため、選抜名まで一致させてください。
複数校を比較する場合は、学校名・入学年度・選抜方式ごとに、科目の必須/選択、正式な出題範囲、配点・試験時間、過去問の公開先をまとめておくと確認しやすくなります。学習を始めたら、分野別の正答率・所要時間と次に復習する単元も書き添えます。別の学校や選抜方式に出願するときは、最新の募集要項で確認し直してください。
過去問で確認したい分野(1):計算・方程式・関数
最初に押さえておきたいのが、四則計算や分数・小数の計算、正負の数の扱いといった中学レベルの基礎計算です。ここでつまずくと、その後の方程式や関数の問題でもミスが連鎖してしまいます。次に重要なのが一次方程式・連立方程式、そして展開・因数分解です。式を整理する力は、後述する濃度計算や割合の文章題にも直結します。
関数や二次方程式を範囲に含む学校では、一次関数の傾き・切片、二次関数の頂点、解の公式などを過去問で確認します。二次関数は、放物線の頂点を求める平方完成の考え方とセットで理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。
この分野の対策のコツ
- 公式は「暗記」ではなく「使いながら覚える」意識を持つ
- 計算ミスを減らすため、途中式を省略せず丁寧に書く練習をする
- 中学数学の教科書やドリルで基礎を素早く見直してから高校範囲に進む
過去問で確認したい分野(2):確率・場合の数
数学Aを範囲に含む学校では、場合の数と確率が確認候補になります。サイコロ、カード、玉の取り出しなどの出題例があるかを志望校の過去問で確認します。基本となるのは「場合の数の数え方(順列・組み合わせの考え方)」と「確率の求め方(各場合が同様に確からしいとき、全体の場合の数に対する、目的の場合の数の割合)」の2つです。
集合や論理(集合の記号、命題の真偽など)も、確率と関連づけて出題されることがあります。募集要項で指定された範囲を確認し、公式過去問で数え上げ、順列・組合せ、条件付き確率の出題形式を調べます。
過去問で確認したい分野(3):単位換算・割合の文章題

単位換算、割合、濃度、速さなどの文章題を出す学校もありますが、看護・医療系だから必ず出るとは限りません。過去問に該当問題があるかを確認します。
文章題では「分かっている量」「求める量」「単位」を表にしてから式を立てます。食塩水などの質量パーセント濃度(%)は「溶質の質量 ÷ 溶液全体の質量 × 100」で求めます。計算前に質量の単位をそろえてください。
| 復習分野の例 | 主な内容 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 計算・数と式 | 四則計算、正負の数、展開・因数分解 | 中学範囲の反復で計算スピードと正確さを高める |
| 方程式・不等式 | 一次方程式、連立方程式、二次方程式 | 解の公式を使いながら覚え、途中式を丁寧に書く |
| 関数 | 一次関数、二次関数のグラフと頂点 | グラフの形と式の対応関係をイメージで理解する |
| 確率・場合の数 | 順列・組み合わせ、確率の基本問題 | 典型パターンを繰り返し解いて解法を定着させる |
| 単位換算・濃度計算 | 食塩水の濃度、割合、速さ、単位の変換 | 単位をそろえてから式を立てる習慣をつける |
| データの整理 | 表・グラフの読み取り、平均や割合の計算 | 数値の意味を図に整理してから計算する |
社会人入試・再受験生が意識したい数学対策のポイント
数学を学ばない期間が長かった場合は、分数の計算や一次方程式などの基本問題を解き、復習が必要な箇所を確認します。高校範囲の問題で計算につまずいたら、関連する中学範囲に戻って練習しましょう。
仕事や家事育児と両立する場合は、学習に使える時間を確認します。志望校の出題範囲を確認したうえで過去問を解き、分野別の正答率と所要時間を記録して、復習に使う時間を配分します。
過去問を使って復習の優先順位を決める

次の順で復習が必要な箇所を確認し、受験日までの学習計画を立てます。
ステップ1:現状把握
まずは中学数学レベルの基本問題を解いてみて、どこでつまずくのかを確認します。計算のスピードや正確さ、方程式・関数の理解度をチェックしましょう。
ステップ2:出題範囲の基礎を復習
募集要項にある範囲から、過去問で間違えた分野の教科書レベルの例題を解きます。先に紹介した分野のほか、数学Iの図形と計量・データの分析、数学Aの図形の性質なども、指定された範囲に応じて復習します。過去問に出ていない単元も、募集要項の範囲に含まれていれば対策が必要です。分からない公式が出てきたら、その場で調べて理解してから次に進むことが大切です。
ステップ3:過去問・類題演習
志望校の過去問や、看護・医療系入試向けの問題集を使って、実際の出題形式に慣れます。時間を計って解くことで、本番での時間配分の感覚もつかめます。
ステップ4:間違い直しの徹底
解けなかった問題は、計算・式の立て方・条件の読み取りのどこで間違えたかを確認します。後日、同じタイプの問題を解き直し、同じ誤りを繰り返していないか確かめます。
独学でつまずきやすいポイントと乗り越え方
解説を読んでも分からないときは、最初に理解できなくなった式や用語に印をつけます。公式を知らないのか、計算手順が分からないのか、文章を式にできないのかを分けると、復習する内容を決めやすくなります。
教材は志望校の範囲に合うものを選び、印をつけた箇所を教科書や解説で確認します。解決しない疑問は、途中式と分からない箇所をまとめて質問すると、説明を受けたい内容を伝えられます。個別指導を利用して質問する方法もあります。
受験年度・単位・試験時間で気をつけること
古い過去問は練習に役立ちますが、現在の出題範囲と一致するとは限りません。受験する年度の募集要項を基準にし、試験時間が変更されていないかも確認します。文章題ではgとmg、LとmLなどの単位をそろえてから計算し、最後に答えの単位も確かめましょう。
出題科目の確認には、次のような公式情報を利用できます。
実際の受験では、志望校が公開する最新の学生募集要項を必ず確認してください。
よくある質問
Q. 看護・医療系入試の数学は数学I・Aまでですか?
A. 学校・選抜方式によって異なります。数学I・Aを課す例も、共通テストで数学II・B・Cを選択対象にする例もあります。最新の募集要項で確認してください。
Q. 濃度計算や滴下計算は必ず出題されますか?
A. 必ずではありません。看護・医療系という名称だけで頻出と判断せず、志望校・選抜方式の過去問に該当問題があるかを確認します。
Q. 社会人選抜も一般選抜と同じ科目ですか?
A. 異なる場合があります。学校名だけでなく、入学年度と選抜方式を一致させて、科目・範囲・配点・時間を確認してください。
まとめ
看護・医療系入試の数学は、学校・選抜方式・年度によって科目と範囲が異なります。まず募集要項で必要な範囲を確かめ、計算・方程式などの基礎を復習し、過去問で理解度と時間配分を確認しましょう。間違えた理由に応じて基礎に戻ることが、対策の中心になります。
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執筆:和から株式会社 数学講師
「大人のための数学教室 和から」を運営し、累計3万人以上に指導。法人200社以上の研修実績。
<監修/和から株式会社 堀口智之>
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