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中高一貫で数学についていけない|立て直しの順番と教材の選び方

公開日

2026年10月21日

更新日

2026年10月22日

4本の並行するレーンの1本だけが低く、途中に隙間があるアイソメトリック図

中高一貫校で数学についていけなくなったときは、直近の答案から、どの問題のどの途中式で止まったかを確認するところから始めましょう。その問題に必要な基礎へ戻り、復習と学校の課題への対応を並行して進めます。

学校によって進度や教材の配列は異なるため、学年だけで復習範囲を決めないことが大切です。この記事では、つまずきの探し方、復習の具体例、学校の課題との両立、教材の選び方、相談するときのポイントを整理します。

まず、どこでつまずいたかを確認する

定期テストや小テスト、宿題の中から、解けなかった問題を選びます。解説を見ずに解き直し、意味が分からない言葉、立てられなかった式、計算が進まなくなった箇所に印をつけてください。答えの正誤だけでなく、途中まで何ができていたかも確認します。

代数・幾何・関数・データの活用など、分野ごとに整理すると、得意なところと復習が必要なところを分けて考えられます。ただし、分野同士はつながっています。文字式の計算は関数の式を扱うときにも使い、座標やグラフは図形の問題にも関わります。

それぞれ独立して進む4本のレーンを表した図

図は、分野ごとに理解の状況を確認するためのイメージです。分野間のつながりがないことを意味するものではありません。

復習の順番は、つまずいた問題に必要な前提知識と、今の授業範囲から決めます。文字式が原因ならその計算へ、図形の性質や証明が原因ならその基礎へ戻ります。代数を必ず最初にする、幾何を一律に後回しにする、と決める必要はありません。

1枚の広い土台が上の構造すべてを支えていることを表した図

土台に当たる知識は、取り組む問題によって異なります。今の問題を理解するために何が必要かを、教科書の例題や先生の説明と照らし合わせましょう。

誤答から復習する具体例

例えば、かっこを外す計算で、2(x+3)を2x+3としてしまった場合を考えます。これは説明のための例です。

この場合は、分配法則に戻ります。外側の2は、かっこの中のxだけでなく3にも掛かるので、2(x+3)=2×x+2×3=2x+6です。2つの(x+3)を足すと考えても、(x+3)+(x+3)=2x+6となります。

x=1を代入すると、元の式は2×(1+3)=8、正しい式も2×1+6=8です。一方、誤った式2x+3では5になります。この代入は誤りを見つける手掛かりです。1つの値で一致しただけで、すべての値で正しいと証明できるわけではありません。

仕組みを確認したら、類題3(x+2)を解いてみます。答えは3x+6です。途中式と、かっこの中の両方に3を掛ける理由を説明できるか確認し、その後で最初に間違えた問題へ戻ります。日を空けてもう一度解くと、解説を覚えただけでなく自分で使えるようになったか確かめられます。

復習と学校の課題を並行して進める

基礎をすべて復習し終えてから学校の進度に戻ろうとすると、その間にも授業が進みます。理解が抜けた箇所の復習と、目の前の授業・定期テスト範囲への対応を並行して進めましょう。

例えば、その日の宿題で止まった計算に必要な例題を復習してから、宿題へ戻る方法があります。復習と学校の課題に使う時間は、テストまでの日数や理解の状況に応じて調整します。難問をすべて解こうとするより、まず基本例題を自力で解けるようにし、手が回らない課題の優先順位は先生に相談してください。

教材は学校のものを起点に、必要な基礎を補う

まずは学校で使っている教材の目次と例題を見て、つまずいた内容がどこにあるか確認します。同じ教材なら授業との対応を取りやすくなります。ただし、説明が難しすぎる場合には、同じ単元を扱う、より基礎的な教科書や参考書で補って構いません。公立中学向けの教材や市販教材という理由だけで除外する必要はありません。

教材の配列には違いがあります。数研出版の「体系数学」は、学年をまたぐ関連内容をまとめ、代数編と幾何編を並行して学べる構成です。一方、教育開発出版の「新中学問題集 標準編」は、中1・中2・中3の学年別で、学習指導要領に沿った教材です。教材名だけで同じ構成と考えず、使っている版・学年・目次を確認しましょう。

別の教材を使うときは、「学校教材の文字式の計算」と「補助教材の文字式の計算」のように、単元名と扱う内容を対応させます。数研出版は「体系数学1・2」と同社の中学校教科書の対応表も公開しています。新しい教材を何冊も増やすのではなく、必要な説明と基本問題を補い、理解できたら学校の問題へ戻る使い方がよいでしょう。

教材の構成・対応表の出典:数研出版「大特集!体系数学」/数研出版「各種データ(対応表など)」/教育開発出版「中学数学教材」

困ったときに学校や指導者へ相談する

自分では戻る場所が分からないときは、学校の先生や指導者に相談しましょう。答案や使っている教材を見せ、「この途中式までは分かるが、ここから進めない」と伝えると、復習する内容を具体的に相談できます。課題が多すぎる場合も、基本問題と発展問題のどちらを優先するか確認してください。

中高一貫校で成績が下位になった状態を「深海魚」と呼ぶことがありますが、この言葉だけでは原因も解決策も分かりません。進度が速くて復習が追いつかない場合も、前提となる内容の理解が抜けている場合もあります。入試に合格したことだけで、今必要な基礎がすべて身についているとは判断できません。

つまずきを「さぼっている」と決めつけないことが大切です。何ができていて、何を復習すればよいかを一緒に確認しましょう。ほかの教科も含めて課題が重なっている場合は、負担や期限を見て優先順位を決め、すべてを一度に立て直そうとしないようにします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 体系数学に対応できる先生は限られますか。

中学・高校の数学の内容に加え、教材の配列や学校の進度を踏まえて指導できるかを確認するとよいでしょう。重要なのは、答案からつまずいた箇所と必要な前提知識を見つけ、復習する範囲を具体的に示せるかです。

Q2. 定期テストの直前対策だけでもいいですか。

直前対策は今の範囲を整理する機会になりますが、前提知識の理解が抜けたままなら、別の問題で再びつまずくことがあります。テスト範囲の基本問題を確認しながら、必要な基礎へ戻る復習も並行しましょう。

Q3. 高校に上がれば持ち直せますか。

進級だけで理解の抜けが埋まるわけではありません。高校数学には、中学の式の計算・関数・図形などを使う内容があります。今つまずいている問題から必要な基礎を特定し、進級前から復習しておくとよいでしょう。

Q4. 塾をやめて個別指導に切り替えるべきですか。

まず、何につまずいているか、今の塾や学校で質問・復習の時間を取れるかを確認しましょう。集団か個別かだけで決めず、必要な範囲へ戻って学べるか、学校の課題と両立できるかで判断します。

Q5. 高校生の子でも見てもらえますか。

高校生は「大人のための数学教室」が受け入れ先になります。中学生は和からジュニア、高校生は大人の数学教室という2段の形でご用意しています。

まとめ

中高一貫の数学を立て直すときは、答案のどこで止まったかを確認し、必要な基礎へ戻り、類題と元の問題で確かめることから始めましょう。

分野同士にはつながりがあるため、復習の順番は誤答と授業範囲に応じて決めます。学校の教材を起点に、必要なら対応する基礎教材を補い、学校の課題と復習を並行します。戻る場所や優先順位が分からなければ、答案を持って先生や指導者に相談してください。

<監修/和から株式会社 堀口智之>

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