吉野家の炎上について数字で解説【YouTubeで動画公開】
公開日
2022年4月20日
更新日
2022年4月20日
みなさんこんにちは、大人の数トレ教室の堀口です。
今回は吉野家の常勤取締役企画本部長の方が早稲田のとある講座で「生娘をシャブ漬け戦略」と表現したことで炎上しているということなので、この話題についてどのようなことからこのような発言が出てきたのかを数字を見ながら考察していきたいと思います。
この記事の主な内容
吉野家の経営状況
まず、牛丼の単価について少し話したいと思います。
最近の単価は、少し値上がりして388円(税込426円)で売っているそうです。というのも、実は吉野家は2001年に突然牛丼の値段を400円から280円にしたのが非常に有名なんですね。
では、今吉野家がどれだけ流行っているのかを見てみましょう。店舗数に関しては、コロナの影響で減ってしまってはいるのですが、1189店舗(2022年3月)となっています。
次に以下のデータをご覧ください。
ここで注目したいのは既存店の前年比です。こちらの売上高は前年がコロナの絶頂期でもあったので3.6%ほど売り上げが回復していることがわかります。
また、19年度比を合わせて見てみると、コロナによる打撃から徐々に回復してはいるけれどまだコロナ前ほど回復はしていないというのが現状のようです。
なぜそのような発言が出たのか
それでは「生娘をシャブ漬け戦略」のような戦略はどのようなところから出ているのかを観察してみましょう。
2013年の「よく行く牛丼チェーン(性別)」のアンケート男性の割合(右側の棒グラフ)と女性の割合(左側の棒グラフ)を見てみると、吉野家はすき家に対して5ポイントほど男性の割合が多く、7ポイントほど女性の割合が少ないです。
つまり、吉野家は女性からするとあまり好かれないお店であると解釈することができます。
実際、テーブル、カウンターの構成などからも、女性に好かれやすいのはすき家であると思います。
また、次のデータからも「生娘をシャブ漬け戦略」の意図が読み取れると思います。
この表を見ると年齢別で相対的に見れば女性では若い方は一人で行くことに抵抗がないというふうに読みとますし、男性は逆転するというふうにも読み取れますよね。
今回の常勤取締役企画本部長の方の発言もこういった数字を見て発言されたのではないかと感じることもできます。
別の背景
今回の発言で考えられる背景は他にもあります。
というのも、このような発言は歴史的に繰り返されていて、たとえば、日本マクドナルドの創業者である藤田田さんは
「人間は12歳までに食べてきたものを一生食べ続ける」
という発言をしています。
現在、藤田田さんは解任されているのですが、元々このような強烈な思想があり、今回の発言もこのような思想からきているようにも考えることができます。
今回の「生娘をシャブ漬け戦略」のような社会の中で容認されるかどうかといったものが出てきたときに、実はそれが昔からあるマーケティングの思想、戦略があることもあるというのを知っておいても損はないのかなと思います。
吉野家の発言についてYouTubeでも解説しているので、以下のリンクから是非ご覧ください。
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<文/堀口智之>