鏡を使って数学的ファッションチェック!その1
公開日
2021年6月4日
更新日
2021年6月4日
こんにちは。和からの数学講師の岡本です。皆さんは服を購入する際に試着を行う事、ありますよね?やはり、長い間着続けていたいならば、全体のバランスを考え、自分に合った服を選びたいところです。鏡を見てしっかり判断したつもりが、意外と購入前と購入後で印象が違うことってありませんか?もちろんお店の照明や雰囲気も大きな原因の一つですが、鏡にも原因があるかもしれません。今回は鏡の反射についてお話していきたいと思います。
この記事の主な内容
1.直交型の鏡は顔が大きく見える
鏡の立て方には種類があります。まずは、床に垂直な鏡について考えてみましょう。
このような鏡の前にXさんが立っています。鏡は反射するので、Xさんの目から見える自分の顔までの距離と、自分の足元までの距離はどちらが近いでしょうか?
折れた線の長さを比べるのは一見難しいように見えますが、実はこういった鏡反射の問題は中学校や高校の数学でよく出題され、解き方が決まっています。まず、鏡を中心に線対称な図形を描きます。つまり、反射したXさんを鏡の反対側に形式的に描き出します。
このとき、Xさんの目からXさんの顔、足元までの距離はまっすぐな線分で表され、明らかに顔との距離の方が近いです(これは、三角形ABCは直角三角形であることからわかります)。つまり、遠近感により、顔の方が足元よりも強調され、やや頭でっかちな体型に映ります(ほんの少しです)。これは、狭い試着室で多いパターンです。
2.斜め型の鏡は小顔効果
次に、鏡を斜めに立てかけたタイプを考えてみます。このタイプは少し厄介です。今回の場合もXさんが鏡の前になって自分を顔と足元を見ています。
この場合も前節と同様に、鏡を中心に線対称な絵を描き込みます。すると、以下の図のように顔の方が遠くになることがあります。
つまり、小顔効果が起こってしまい、実際よりも少しだけスタイリッシュに映ってしまう可能性があります。このようなことから、お店と自宅で若干印象が変わってしまうようです。
3.冷静になって離れて鏡を見よう
ではどうすればいいでしょう?鏡の反射を数学的に捉えたように、数学を使って考えてみましょう。まず、一番手っ取り早い方法は少し離れたところから鏡で確認することです。鏡が直交していても斜めであっても、近すぎるとどうしても頭が大きく見えてしまいます。これは、顔までの距離と足元までの距離の比(割合)が遠近感に直接影響を及ぼしているからです。そこで、なるべく遠くに離れることで、顔までの距離と足元までの距離の差をなくし、遠近感をなくすことができます。
4.さいごに
しかし、あまり離れすぎてしまうと細かい部分が見えなくなり、確認の意味がありません。そこで、次回は効果的に全体を見渡せる条件について解説していきます。お楽しみに!
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<文/岡本健太郎>