もしかしてコロナ?風邪を引いたときの新型コロナウイルス感染確率を計算してみた
公開日
2020年8月24日
更新日
2024年8月4日
「自分はもしかして、コロナかもしれない。」
そんな不安を持つ方は多くいらっしゃる思います。
「高熱が出てしまった。咳も出る。もしかしたら、自分はコロナにかかっているのかもしれない。単なる風邪ではないのかも・・・。」
そう、不安に思う方も多いのではと思います。体調が悪くなったときに、どのくらいの確率で新型コロナウイルスに感染しているのか。現時点(8月22日現在)での確率を計算していきたいと思います。
(以前にも求めており、確率の求め方などより詳細を記載しています。こちらの記事をご参考ください。)
この記事の主な内容
■人は年間風邪にどのくらいひくのか。
まず、人は年間平均で、2~3回程度風邪をひくと言われています。つまり、2.5回と一旦考えていきましょう。すると、日本国民全体で、年間3億回程度の風邪が発生することになります。ただ、コロナウイルスは明らかに風邪よりもひどい症状です。(ひどい症状でなければ緊急事態宣言はなされていません。)(参考:Common Colds: Protect Yourself and Others(CDC))
つまり、「もしかしたらコロナ?」と怪しむ同等のレベルとしては、「少しこじらせた風邪」と考えてみてみましょう。高熱がいつもより出て、咳も少し多めに出る風邪です。風邪全体の1/3程度でしょうか。すると、我々は年間で1億回程度の「少しこじらせた風邪」を引いていることになります。
■自分が風邪を引いたときにコロナかどうかの確率を調べてみる
今現在(2020年8月21日)、新型コロナウイルスに感染している日本国民は61,062名になります。よって、体調が悪化しているとき、コロナに感染している確率は、単純計算で6万/1億となります。
よって、風邪になってしまい高熱や咳が出る。そんなとき、新型コロナウイルスであることが確定する確率は0.06%となります。つまり、1400分の1です。決して高い確率ではまだまだありません。
■東京都内に住む人の確率は上がる?
今現在(2020年8月21日)、新型コロナウイルスに感染している東京都民は19,021名になります。都民の人口は約1400万人程度です。つまり、年間1200万回程度の風邪をひきます。よって、1.9万/1400万=0.14%程度。よって、風邪のような症状が出て体調が悪いときに、新型コロナウイルスであることが確定する確率は、700回に1回程度となるわけです。
つまり、東京都内であっても、体調が悪いときのコロナに感染する確率はまだまだごくまれです。日本国内だとこれが現状です。単に風邪の症状があるから絶対にコロナというレベルでは全くありません。
もちろん、コロナウイルス独特の症状が現れたり(下痢や嗅覚・味覚障害・息苦しさなど)、明らかにコロナウイルス感染した人と関わったことがあるなど、事前確率高ければこの確率はグンと高く見積もる必要があると思います。
また、今回の性質としてやっかいなのは、無症状の方も多いということで、一人ひとりがコロナにかかっているかもしれない。ということを考えて、行動することが大事ではあります。
■政府はPCR検査の件数をごまかしている?
確かに最近、コロナに感染した人数は日本国内で明らかに増えてきました。友人の友人で感染者が出てきてもおかしくない程度の規模になってきました。しかし、友人の友人は、友人ではありません。そう考えれば、まだまだ多くありません。
6月10日の厚生労働省発表のそれぞれの住民を無作為抽出での抗体検査では、より感染が広がっていると思われる都内ですら、0.1%程度だったと言われています。つまり、推定1.3万人程度が過去に感染した、という調査結果です。5月の段階では5000人程度が都内の感染者数でしたので、抗体検査の結果は、実際の感染者数の3倍程度で、大幅に違わないと考えられます。(もちろん、この値がある程度不正確な可能性もあります。偽陽性、つまり、本当は陰性であるのに、陽性と判断されてしまう確率なども考えられます。こういった数値はすべて誤差を含んで考えなければなりませんし、これ以上の判断はしようがありません。)(参考:厚労省実施の抗体検査、東京で陽性率0.10%-日経メディカル)
ニューヨークの抗体検査では、地区によっては、最大51%もの住民が感染していたというデータも出てきています。(参考:NY市の新型コロナ抗体検査、27%が陽性 51%の地区も-日本経済新聞 )
PCR検査をごまかしている!という情報もSNSで流れていることもありますが、抗体検査の情報からも見るに、もちろん、検査の取りこぼしはあるにしろ、明らかに日本国内では、感染が広まっていないと考えられます。
いろいろな情報を見ていくと、不安でいっぱいになり、行動ができなくなってしまうこともありますが、冷静に確率を考えてみれば、安心して行動ができるのではないでしょうか。コロナとは、長期的に向き合っていかなくてはいけません。不安とどう向き合うか。そのうえで計算をしながら、数字や確率と共に歩むことが大切になります。
<文/堀口智之>