マスログ

タクシー数に興奮した話

公開日

2024年11月10日

更新日

2024年11月17日

2020年5月30日(土)開催・ロマンティック数学ナイト@オンラインにて、和から講師の松中(mattyuu)のプレゼンです。

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数学のショートプレゼン交流会

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さあそれでは最初のロマンティストをご紹介しましょう
最初のロマンティストはこの方です
和から株式会社からやってまいりました
タクシー数に興奮した話をお届けしてくださいます
 
まっちゅです
お願いしまーす
 
よろしくお願いしますタクシー数に興奮した話ということで
まっちゅがプレゼンいたします
私、和から株式会社で数学講師やってます
過去にですね自慢としては
ゼータ関数のゼロ点を手計算したことがあるというが自慢です
日常の計算以来にできないんですけど
こういうことをやってます
今日お話しするのはタクシー数の話です
 
タクシー数って何かというと
1918年にですねあの数学者のハーディが教え子というか
弟子にあたるラマヌジャンっていう天才数学者の病院に
お見舞いに行きました
お見舞いに行った時にタクシーのナンバーが1729で
つまらん数字だってそのようなことをラマヌジャンに言うと
ラマヌジャンがそれはそんなとんでもないと
1729はもうすごく奥ゆかしい数ですよ
それは2つの立法数の和で表せる数
最初の数ですということをお話しました
 
これ、どういうことかというと
1729というのは12^3+1^3もしくは10^3+9^3
のように2通りに2つの立方数で表すことができる最初の数なんですね
 
これより大きい数だったら4104とか13832もあるんですけど
まぁこれが最小ということで
タクシー数と呼ばれてるんですが
実はですね
今日プレゼンするのはこの1729と言うよりか
ここに出てきてですね
12と1、10と9というのが実はやばいんだっていうことを
プレゼンさせていただきます
これは、次の次に登壇するツジモッターさんが去年に日曜数学会で
ちょっと話されたことでそれを私なりに解釈して
プレゼンさせていただきます
 
本題に入っていきます
このタクシー数のこの数式ですけどこれちょっと一般化します
この左辺の1とか12っていうのを x と y に置きます
 1729は固定しておきます
そうすると x^3+y^3=1729というような
式ができるわけですけどこれを満たすような x,yって他にどんなんがあるのか
ということを考えていきます
 
グラフを書いてみるとですね
このようになるんですけれど、当然1,12,9,10っていうような点はのってます
xとy入れ変えても同じよう成り立つので
この4つの点はすぐに見つかるわけですねで
これ以外にも他に点があるかということなんですけれど
x も y もどっちも整数となるような点はこの4つの他にはありません
 
しかしですねこのグラフはつながってるんで整数に限らなければたくさんあります
このようにですね
グラフ状の黄色い点は全部解になる訳ですけど
これ実はその x =8としたらyが3乗根1217とか
x=11としたらyが3乗根398とかすごく汚い数になっちゃうんですね
実数を使うといくらでも解が見つかるんですけれど
こんな汚くてつまらないのことはやりたくないわけです
 
整数解に限ると4点しかなくて実数解許すともう多過ぎてつまらない
じゃあこれは適度に楽しむにはどうしたらいいかっていうと
整数と実数の間にですね有理数様という数がいます
有理数っていうのは整数分の整数で表す様な数なんですけど
この有理数の解を持つかどうかということを考えていけば
ちょうど面白いものになりそうだという話です
 
一個言葉定義します
x も y も有理数であるような xy 座標平面上の点 xyを有利点と言います
例えば先ほど x^3+ y^3から1729の上にはですね
あの x=-3分の37, y=3分の46という解があります
これは実際にあのグラフのに書いてみると
この様にちゃんと乗ってますし x , y入れ替えたこれものっているところがわかります
乗ってるんですけれど他にもないのかということを聞きなるわけですね
この整数と今出したこの全部で6個の有利点
これ以外にないのかっていうところ確認したいんですけど
これグラフはつながっているかといってたくさんあるとは限らないんですね
全然ないような曲線もあるんですよ
ということでここのこの曲線の上にですね有利点があるかどうかって言うのは
すごく非自明で繊細の問題なわけです
 
そこでちょっと有利点はどんどん探していくための一つの道具としてですね
実はちょっと横それるんですけど楕円曲線上の足し算の話をさせていただきます
 
楕円曲線っていうのはこのようには
y^2=x^3+ax+bの形をしたような式で与えられる曲線なんですが
全然楕円じゃあ実はないです
現代のですねおそらく数論分野の数学者達は多分これが大好物だと
私は思ってるんですねちょっと私は数学者じゃないのでわからないんですけど
あの数学者達はこの楕円曲線状にどれだけ有利点があるかとか
あるんだったらの無限個あるのか
無限にあるんだったらそれがどのくらいでかい無限なのかということを
日夜研究してるんじゃないかと思います
 
で、ですねあの楕円曲線の奥深いところは楕円曲線状に足し算を定義できることです
足し算って言ったら小学校の時に3+5=8みたいな数と数を合わせる様な物
っていう風に習ったと思うんですけど
これ私が好きな話なんですが大学に行くと
群の公理を満たすような集合と演算のことを足し算って言うんですね
今まで足し算と思ってなかったようなものが足し算として
研究できてですね
すごく抽象的で面白い世界広がるわけですね
大学に行くと統計の足し算とかあみだくじの世界の足し算とかあるんですが
今回話すように楕円直線上の有利点の足し算もあります
 
楕円曲線上の有利点の足し算どう定義されるかというと
この楕円曲線状に運良く2つ有利点が見つかったとしましょう
ab が有利点です
この ab を通る直線を引きます
そうすると楕円曲線ともう一点で交わります
この点をc’とするとc’ はx 軸に完成折り返します
すると c という
この点が得られるんですが a + b というのこの cと言う点と定めるんですね
これが楕円曲線状の足し算です
こういうふうに足し算定義すると足し算が本来持っていってほしいような性質が
ちゃんと満たされるわけです
面白いことにこの a と b が有利点だったらcも有利点になることが
結構簡単にわかります
ということでなんか2つ有利点があったら運が悪い時もあるんですけど
うまくいけばもう一つ有利点が得られるということで楕円曲線のことを
ちょっと考えながら先ほどのもとの問題を考えるのはいいことだと思います
 
しかしですね今回対称にしている x^3+y^3=1729というのは
全然これ楕円曲線に見えないわけですね形が違うわけです
しかしこれツジモッターさんのはそのプレゼンとかで知ったんですけれど
実はこれ楕円曲線ですね左の今回の考察対象
コレっていうのは双有理変換というもの行うことによって
このような形の楕円曲線に変換できます
 
こういうふうに楕円曲線に変換、左も楕円曲線なんですけど
分かりやすい楕円曲線に変化して何が嬉しいかっていうと
あの x^3とy^3=1729の上に2つの有理点を見つけたとしたら
それを双有理変換1回右の楕円曲線に持っていきます
で右を楕円曲線の上で先ほどの和によって定義した
和で定義された有理点を得ることができるわけですけど
それをまだそういう変化の逆で戻すことによって
元の曲線の上に新し有利点を得ることができると
で、ですね最初にこの有利点ひとつ目のその有理数の整数じゃない有理数の
点として-3分の37と3分の46を挙げたと思うんですが
実はこれは12,1と10,9っていうその2つの整数解の
ラマヌジャンが言った整数解から足し算して作ったものなんですね
これとっても面白いものですでこういうふうに足し算繰り返せば
実際この曲線の上では次々に有利点が作れるんですね
有利点がたくさんあるって分かったらどのくらいたくさんあるのかっていう
ことを数学者達は気になるわけです
 
実はですねこの楕円曲線の上の有利点の多さはランク2って言われるようなものです
これは私は数学に証明とかわかってるわけじゃなくて
ざっくり言うとですね
楕円曲あの左の曲線上にある有利点は右のようなxy平面上の整数点の数と
同じだけある1対1に対応するっていうことがわかっています
2次元上にたくさんあるっていう感じですね
 
面白いことに足し算が対応します
楕円曲線上で緑と赤の有利点が見つかったときにそれに対応する
右の世界でも整数点があるわけですね
その整数点ちょっとこういうふうに矢印を引くとこの矢印を足すことによって得られる
この青い点がですねこれまた元に戻すことによって
元の楕円曲線状の新しい有利点になるわけですね
 
これすごくおもしろくて何が面白いかっていうと
こういうようなこの赤と緑な矢印って実は最強の矢印
何が最強かというと
この赤と緑の矢印を足していけばですね
どんな点も作れるわけです
最強の矢印
例えばここの右上にある水色の点も緑を3回足して赤4回足したら得られますし
左下にあるこの点もですね緑を左に3回足して下に赤を足すことによって得られるわけです
実はこの緑と赤に対応する有利点が左の楕円曲線上あるはずですけれど
それがなんとラマヌジャンが言った12,1と10,9なんですね
何が言いたいかというとこの2つの有利点がわかればすべての有利点が
足し算によって得ることができるわけで
 
全部余すことなくすべてです実際にやってみると
 a+aで2aこういうような有利点を生成してくれます
a + b ってやると最初の例に出したこの有利点ですね
2 a + d とか2 a +2 bこの右上にあるようなこの変な有理数ですけど
この変な有理数もここに出ている有理数の組はすべて
x^3+y^3=1729満たすわけです
本当にこれはすごいことだと私は思っています
 
今回の驚きポイントをまとめると
ラマヌジャンは x ^3+y^3=1729上の有利点について言及したんですけれど
実はこの曲線ってのが楕円線であって
しかもその楕円曲線をたまたまランクが2で
ランクが2ってことは2つの矢印全部作れるということで
この12,1 10,9っていうこの有利点がその矢印に対応していて
この2を使うことによって
すべての有利点を余すことなく求めることができるというのが
もう超ヤバいと思います
で最後になんですが、
今日は5月30日ということで5a+30b と言う有利点を求めます
そうするとこんな形になります
ヤバイということで私のプレゼンを終わらせていただきます
ありがとうございました
 
ありがとうございました
これがロマンティック数学ナイトなんですよ
どうですか理由が分かりませんが
内なる数学をときはなってくださいました
もうまさにねThis is ロマンティック数学ナイトと
弾幕がすごい面白かった面白かった
 
最強の矢印だからこれでいろんなものが変化できるって事なんですよね
まあこの2つの矢印で全部の有利点を得ることができるというのは
本当にすごいと思って1個見つけるだけでも難いじゃないですか
でもあの2つ使うことによっても機械的に全部求まるんですよ
100a+100bも求めたんですよ
 長すぎてもうパワーポイントの資料に入らないんで
5a+30bぐらいで我慢したわけです
一気にじゃあ跳ね上がっちゃうんですね
無限にあるんで
やばいですねこういうのが分かるって言うのがやばいですね
この計算自体はあんまりやってるの人見てはないんですね
自分でプログラムを作って試して見つかって興奮したっていう感じですね
元SEでたまたま仕事でやってたってだけです
他にも素数コレクターって面白いアプリを開発していたりだとか
さまざまな面白いネタお持ちでございますのでこの後
歓談タイムでまっちゅさんのルームに行ってみてくださいということで
トップバッター見事な内なる数学ありがとうございました
まっちゅさんでした

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