仕事で統計を使うには?-初めに何から学ぶと良いか-
公開日
2021年10月14日
更新日
2021年10月14日
本日は「仕事で統計学を活かしたい方」から、よくご質問をいただく内容についてまとめたいと思います。
「仕事・ビジネスで統計学を活かしたい」といったご要望は非常に多いのですが、その場合、勉強のステップが人により異なります。
大人や社会人が統計学を学ぶ際に「一般財団法人 統計質保証推進協会」様が実施している「統計検定試験」合格を基準とするケースが多いです。
その中でも、統計検定2級、統計検定3級を実施する方が多く、簡潔にまとめると下記の通りです。
・統計検定2級…大学で学ぶ統計(1・2年次学部共通)で習得すること。
・統計検定3級…データを評価、読み解くために必要なこと。
このように統計学を勉強していくためのステップは示されているものの、例えば文系で数学苦手かつ統計学を初めて学び、さらに仕事で何かしら、すぐに活かしたい!!といった場合は、異なる流れで学ぶと目的まで早いケースがあります。
勉強方法は目的に合わせて変わっていくので、「どのような要件で整理したらよいのか」を記載していきたいと思います。
最初にかんたんに仕事に活かせる統計を学びたい方は和から監修の書籍「マンガでわかるビジネス統計超入門」も参考に一読いただければと思います。
この記事の主な内容
1.統計学を学ぶ目的を分類する
データ分析で重要な点は「最初に目的を決める」こと…と弊社のセミナーでよくご紹介しています。目的によりデータを見る視点が異なってくるからです。
※詳しく知りたい方は無料の「統計超入門セミナー」へご参加ください。
したがって、何かしら勉強する際にも同じで「勉強する目的」を定めるとカリキュラムが絞れていきます。
・仕事でデータを活かしたい。
・統計検定試験に合格したい。
・会社のデータサイエンティストと会話が通じるようになりたい。
・データサイエンティストになりたい。
また、他にも重要な点は、現状の自分の位置を確認することになります。
・己を知る
・彼を知る
※孫氏の兵法書でも有名な一説から抜粋です。
これらをさらに分解して整理してみましょう。
2.物事を分解して考える
先ほど決めた目的を深掘りして考えていきたいのですが、おおむね社会人の目的としては「何かしら仕事に活かしたい」方が圧倒的に多いかと思います。
ただ、その仕事で活かせる内容を分解してみると、
・統計検定試験を取ると給与が上がるケース。
・ニュースや会議資料を見るための知見を学びたい場合。
・社内にあるデータをExcelで何か分析したい。
・医療統計を学び論文を読みたい。
・社内の問題をDXで解決するため。
・機械学習で問題解決を行うため。
相当に幅があります。では、「自分は何だろう???」と考え、分類してみると例えば下記のように分けられます。
・データを読み取り理解し、読解するための方向性
・データを何かしらのソフトで分析する方向性
・数学的な統計を理解する方向性
識別に重要な点を考えてみると、1例として「分析ソフトを使う統計」か「知識としての統計」か…といったような分類方法があるかと思います。
※データ読解力、数学的な統計の理解を「知識としての統計」と仮で名付けました。
また、統計学を学ぶための自分の位置を確認するために「自己能力を分析」する際の重要な点としては下記が考えられます。(一例です)
・数学ができるかorできないか。
・ビジネス力があるかorないか。
統計学はもともと数学分野から応用されてできたため、応用数学の1分野ともいわれます。(線形代数・確率論などを応用し発展)
とはいえ、応用とは付くものの「数学」です。統計学をしっかりと理解するためには数学能力の有無が大きく左右します。
ただし、理解するためには数学能力が必要ですが、活用するためにはビジネス能力がかなり左右します。
どのビジネスシーンで統計学の考え方を用いるか・・・?など、ビジネス活用は数学能力とは少し異なります。
3.マトリックスで整理する
さて、ここまで出してみた傾向から統計学を初めて学ぶ場合を考えていきたいと思います。例えば、下記のようなマトリックスを作成し、自分がどの分類に当たるかを見ると簡潔に方向性を出していけます。
※前述までの分解結果から下記のように項目を整理する。
1.会社データを分析したい ⇔ 知識として学ぶ
2.数学ができるか ⇔ できないか。
このような表から考えてみると、最初に学ぶとしたら…
① 数学ができない方で、会社データを分析したい場合は「Excelから統計を学ぶ」のがおすすめです。
② 数学ができる方で、知識として統計学を学びたい方は「統計検定2級」を学ぶのがおすすめです。
数学苦手な(できない)方は、知識として学ぶなら「統計検定3級」がおすすめです。ただ、数学ができる方でも会社データを分析するなら、何かしらのソフト(Excelがおすすめ)で学ぶことが初めになります。ここでExcelがおすすめな理由としては、「世界で一番売れている統計ソフト」と言っても良いくらい、Excelを使わない会社が少ない点です。汎用性を考えても習得して身になるスキルとも言えるのではないでしょうか。
また、数学が苦手な方で、ビジネス力があるorなしで分類してみると、(数学は苦手な前提として)
1.会社データを分析したい ⇔ 知識として学ぶ
2.ビジネス力がある ⇔ ない。
つまり、数学ができないor苦手な場合、Excelから学ぶか、統計検定3級から学ぶか…が良いのではないかと思います。
※一般的に「文系=数学苦手」なイメージがありますが、厳密にいうと「数学が苦手⇔得意」で分類した方がわかりやすいです。
過去に統計検定3級範囲は学んだことがあり、大丈夫そうであれば飛ばしてもよいかと思います。
4.今回のまとめ
今回は統計を初めて学ぶ場合にスポットを当てて分解して、何から学ぶべきかをマトリックスで整理してみました。
ブログのタイトルは「仕事に統計を使うには?-①初めに知っておくこと-」でした。
まとめると、仕事で統計を使うために初めて学ぶなら「Excel操作から統計を学ぶと良い」と言えそうです。当たり前のことですが、仕事で社内にあるデータを分析するために、最初にデータの触り方を知らなければ何もできません。統計学を知識として学んでも、データのソフト使用方法は学べないからです。
例えるなら、野球でバッティング知識をYouTubeなどで学び、バッティング理論を完璧に理解しても実際には打てません。何度も素振りしてスイングを早くし、実際の投手が投げた球にバットが当たるようバッティング練習が必要です。
Excelでデータを分析するにも、最短経路が存在します。
これら仕事で統計を活かしたい方向けの、効率の良い学習をWAKARAでは展開しています。
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<文/綱島佑介>