ミニ四駆で学ぶ-情報収集超入門①-
公開日
2021年1月31日
更新日
2021年1月31日
毎度、遊びの事ばかり記事にしていて恐縮ですが、今回は「ミニ四駆」で学ぶ情報収集についてお伝えしたいと思います。
ちなみに、皆さん「ミニ四駆」ってご存じでしょうか?
私が小学生のころ(30~35年前くらい?)から流行っていて、下火になる時期もありつつも未だに人気がある遊びです。
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プラモデルなどを手掛ける「タミヤ」のモーターを搭載した四輪駆動の模型で単三電池2本でかなりの速さでまっすぐ走ります。これ専用のコースを使って速さを競い、大会も開催されるほど人気です。
※これが我が家にあります(笑)
小学生の頃に3歳年上の従兄と共にミニ四駆にはまり、方々のコースに行ってレースしてました。次第に中学で部活が忙しくなり、徐々にやらなくなったのですが2年ほど前に突然、その従兄がミニ四駆をはじめたため、また私も少しずつ始めました。
改めて最近のミニ四駆について調べたものの、子供の頃と比較して、
・シャーシ(ボディ以外の機構の事)の種類がたくさんある。昔はほとんど1種類だった。
・モーターも種類が多くて、両軸モーターなどというものがある!
・とにかくパーツの種類が多くて、どれがいいかわからない!!
・ボディー、シャーシ、パーツ、モーターなどなど複雑に絡み合い、調べてもよくわからない!!!
こんな状態です。
そこで今回は新しくミニ四駆を購入し、データを取りながら改造していく内容を書いていきたいと思います。
※いつもながら厳密なデータ収集方法などではないので、参考程度に見てください。
この記事の主な内容
1.とりあえず基準を決める
ミニ四駆の車体やボディーもとにかくたくさんあって決められないので、
・昔に使っていた片軸モーターをチョイス
※ちなみに両軸モーターとは下記のようなものです。
・ボディーは見た目で一番気に入ったやつを選択
パーツも適当に必要そうなものを購入し、電池は家にあった「eneloop」を使用します。
さて、ここでまず大切なことは「基準となる速さ」を決めることにあります。
仕事などに置き換えると「基準売上」とでも言いましょうか。
※特に手を加えていない状況とも言えます。
そこで、購入したミニ四駆を説明書通りに作成し、しかも駆動系を滑らかにする「グリス」も塗らない。考えられる1番基本の形にしました。(ただ組み立てただけ)
次にこの「速さの基準」を測定するための条件を決める必要があります。(今後改造したごとに比較するため)
そこで前述の「家にあるミニ四駆コース」を使って、考えました。
・コースは外側と内側がある。
・ミニ四駆がかなりの速さなので、1周で測るのは違いがわかりにくい。
以上の点から、外側と内側を1回ずつ回ることを「1周」として、これを10周させて比較することにしました。(コースアウトは失格として測定不能とします)
※ミニ四駆の正式な大会のルールなどはここでは無視します。
これで準備は整いました。
2.実際に測定してみる
実際に、「ド」ノーマルの仕様で測定した結果がこちらです。
・10周タイム:39秒57
子供の頃に同じ条件で計測していない私にとって、これだけでは速いのか?遅いのか?よくわかりません。感覚的には昔と比較すると遅い気がしました。
そこで、ここからは感覚ではなく、データとして情報を収集していきます。
この情報収集の目的は、ボディーやシャーシは同じものを使用しているので、
・「グリス」の効果はあるのか
・パーツを変えていくと、どのくらいタイムが変わるのか
・コースアウトを改善するパーツと、速さを上げるパーツの把握と理解
・モーターを変えるとどのくらい変わるのか
などなど、ネットで調べてもよくわからないことを、1つずつ検証して自分が理解するためです。
仕事でも自分の目的に合わせて必要な情報を取得することはとても重要です。
次に当たり前とされている「グリス」を塗って測定してみました。そのタイムが、
・10周タイム:34秒92(前回との違い:グリスを塗った)
本当に!?「グリス」塗っただけで5秒近くも速くなるの???信じられないで3回測定してしまいました。途中で周回数の測り方を間違えたのかと思ったくらいです。
そしたらやはり!周回数を間違えてカウントしていたことが発覚します。1周抜かしていました・・・。
これを改善するために、測定ルールを「3回測定し、その平均を測定タイムとする」に変更しました。
・10周タイム3回の平均値:35秒877(前回との違い:グリスを塗った)
グリスを塗る前の基準測定も3回行っていたのでそこから平均タイムを同じように求めて比較してみました。
やっぱり「グリス」は普通に考えても潤滑性能を上げて、部品の摩耗を減らすのに効果ありそうだ・・・と言えます。
製造業の時も潤滑油は駆動系に必須でしたし。当たり前でしょうか・・・。
次はやっぱり必要だと思う「ボールベアリング」をつけて見ます。
これも摩耗減少、滑りをよくすると言われるものです。
ところでここでふと思いました。
私はタイム測定を手元にあるiPhoneで行っていましたが、10周を3回測定した平均タイムを取るなら、実質30周計測していることになり面倒だ・・・と。
先ほどの周回ミスも改善して10周で正確にデータを取る方法を改めて考えたら、iPhoneのストップウォッチで「ラップ」を使って、1周ごとに10回測定したことを確認すればよいことを思いつきます。
※当たり前だ!と思いますが、測定しながらやってて不覚にも思いつきませんでした(笑)
・10周タイム:36秒21(前回との違い:ボールベアリング)
※ボールベアリングも複数種類があり、どのボールベアリングが良いかを検証するなら、付け替えてタイムを計る必要がありますが、今回は純正品と購入品の違いだけ確認。
あっ!0.3秒程度遅くなりました。ボールベアリングだけでは特に速さには関係なさそうでしょうか。
もはやストップウォッチの測定誤差な気がします。
あまりにもタイムが遅くならないなら摩耗減少効果だけ考えて必要といった感じの結果です。
※電池残量による違いかとも思ったので、新しく充電した電池と変えて測定したものの、特にタイムに差は出ませんでした。
このように1周ごとのタイムを測定して掲載した方が、10周まとめた測定タイムを3回行った結果より「説得力」がある気がします。
何より10周で済むので手間も少ないので、今後はこの方法で測定することにしました。
※このように実際の仕事でも都度、検証方法などを見直しながら進めることが多いです。
※測定方法の違いで明らかに根本のタイムが変わるようであればすべて測定し直しが必要ですが、今回は許容範囲と考えて継続します。
さてさて今回の最後に、電池性能を無駄なくモーターに伝えてスピードアップが測れるという「ゴールドターミナル」を装着して測定。
・10周タイム:36.05秒(前回との違い:ゴールドターミナル)
この手のパーツは昔から効果あるのかよくわかっていませんでしたが、多少の効果はありあそうです。
これも無いよりはあった方がよさそうなので基本として付けておくことにします。
3.地味で面白味が少ないけど重要な情報収集
さて、ここまで見て、内容的に超地味ですよね(笑)
しかしながら、実際にビジネスや科学の発展もこれら超地味な情報収集により集められた「データ」を活かして発展してきました。
一例をあげると、かの有名な「ニュートン」や「ガリレオ・ガリレイ」などにも多大に影響を与えた「ケプラーの法則」。
これは「ヨハネス・ケプラー」によって発見された惑星の運動に関する法則ですが、これを導くために必要な観測記録はケプラーが集めたものではなかったりします。
主として「ティコ・ブラーエ」が何十年もかけてコツコツと集めた観測記録が基になっています。
観測記録を何十年もつけ続ける・・・とてつもなく地味な印象を受けます。
だた、この地味な情報収集無くしては、ケプラーは元より、ニュートンやガリレオの発見もなかったわけです。ビジネスにおいてもデータ分析や手法を扱える人材が花形な気がしますが、実は情報収集できる人材がいなければ何も生み出せません。
また、測定についても1回限りで測った結果がたまたまだったり、測定間違い(周回数間違い)などの可能性があると正しい情報とも言えません。
今回は怪しいと思ったら再測定をしましたが、それでも微妙な気がしたので1周ごとのタイムを10回測定する方法に変更しています。
4.今回のまとめ
まずは、情報収集の重要性と大変さを少しでも理解いただければ幸いです。
実際には多くの場合で、情報を基に分析を行なおうとしても、有用なデータがないケースが多く、統計学を活かす以前の問題に突き当たることも少なくありません。測定方法を決めていくだけでも結構、手間がかかります。
今回はミニ四駆を通じて、情報を集める際の注意点をかんたんにお伝えしました。
・基準の決め方の一例。
・測定方法の決め方。
・効果検証は1つずつ。
・記録に残す。
結果としては現状はここまでわかりました。
次回も、ミニ四駆の検証について引き続き行っていきたいと思います。
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<文/綱島佑介>