算数オリンピックとは?5種目の対象学年・参加資格・日程を整理
公開日
2026年10月17日
更新日
2026年10月21日
算数オリンピックは、一般財団法人算数オリンピック委員会が主催する、小中学生向けの算数・数学の大会です。学校の成績や中学受験の偏差値とは別の軸で、「考える力そのもの」を試す場として知られています。
ただ、この大会には対象学年ごとに5つの種目があり、名前も似ているため混同されがちです。この記事では、どの種目が誰のためのものかを整理します。
この記事の主な内容
5つの種目と対象学年
2026年大会を例に、種目と対象学年を整理します。
キッズBEE:小学1〜3年生
低学年向けの種目です。計算力よりも、身の回りの事象を筋道立てて考える力が問われます。
ジュニア算数オリンピック:小学1〜5年生
小学5年生以下の小学生が対象で、小学6年生は参加できません。小学校の学習範囲を前提にしつつ、ひねりの効いた出題がされます。
算数オリンピック:小学1〜6年生
主に小学6年生を想定した種目ですが、小学生であれば下の学年からも挑戦できます。
広中杯(全国中学生数学大会):中学1〜3年生
中学生が対象で、主に中学3年生を想定した種目です。小学生は参加できません。名称は、数学者でフィールズ賞受賞者の広中平祐氏に由来します。公式の組織概要では、広中氏は大会名誉会長、ピーター・フランクル氏は大会会長として紹介されています。
ジュニア広中杯:中学1・2年生
2004年に始まった種目です。中学1・2年生が対象で、小学生と中学3年生は参加できません。
参加資格は上限学年だけでは判断できません。小学生向けの種目と中学生向けの種目は分かれており、未就学児はどの種目にも参加できません。学年は大会がある年の4月からの学年で確認し、参加できる種目が複数あっても、1大会で選べるのは1種目です。詳しくは公式の大会種目・参加資格一覧を確認してください。

年間スケジュールの流れ
5種目とも、開催日・応募方法・参加費は共通です。2026年大会は次の日程で行われました。
申込:2026年4月1日〜5月20日
トライアル(予選):2026年6月14日
ファイナル(決勝):2026年7月19日
例年は春に申込、6月にトライアル、7月にファイナルという流れです。準備時期は目標によって変わります。まず体験するなら春からでも間に合いますが、トライアル通過やファイナルを目標にする場合は、前年の秋から冬に過去問へ触れ始めると余裕を持てます。2027年大会の日程は、公式発表後に確認してください。
日程は年度によって変わりますので、参加を検討される場合は必ず算数オリンピック公式サイトで最新の情報をご確認ください。
中学受験の勉強と、何が違うのか
もっとも多いご質問がこれです。
中学受験算数にも初見問題や思考力を問う出題がありますが、限られた時間で頻出形式を見抜く力が得点につながる場面が多くあります。
算数オリンピックでは、既知の解法を使うだけでなく、条件を観察し、その場で考え方を組み立てる比重が高くなります。両者には重なる力もありますが、学習の目的と時間の使い方が異なると考えると分かりやすいでしょう。

ですから「受験勉強の延長で少し難しい問題を解く」という位置づけでは、噛み合わないことがあります。逆に、パターン学習に飽きている子や、学校の算数が物足りない子にとっては、はじめて手応えのある場になることがあります。
どんな子に向いているか
指導の現場から見て、相性がよいのは次のようなお子さんです。
答えより過程を面白がる子。正解したかどうかより「なんでそうなるの」が気になるタイプは、この大会の問題と相性がいいです。
ひとつの問題に長く向き合える子。算数オリンピックの問題は、5分で解けるものばかりではありません。粘れること自体が力になります。
学校の算数では物足りない子。先へ進むだけでなく、同じ学年の内容を深く掘るという方向の伸ばし方があります。その入口として機能します。
算数に苦手意識がある場合でも、易しい問題を遊びとして一緒に考えることはできます。ただし、負担感や自己否定が強くなるなら一度離れ、学校内容の土台や「分かった」という経験を優先しましょう。
和から式・参加前の3問チェック
大会との相性は、成績だけでは判断できません。次の3つを確認してみましょう。
- 15〜20分、答えが出なくてもパズルを考えることを楽しめるか
- 図を描く、表を作る、物を動かすなど、手を使って試せるか
- 解けなくても「気づいたこと」「試したこと」を話せるか
問題後は正誤だけで終わらせず、何に気づいたか→何を試したか→途中で何を変えたかの順に振り返ります。これは和からの指導で、思考の過程を見つけるために重視している観点です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 学年が下でも参加できますか。
種目の参加資格を満たしていれば参加できます。たとえば算数オリンピックは小学1〜6年生、広中杯は中学1〜3年生が対象です。ただし、小学生が広中杯・ジュニア広中杯へ参加することはできず、未就学児も全種目で対象外です。参加資格と問題の難しさは別なので、過去問も見て種目を選びましょう。
Q2. キッズBEEとジュニア算数オリンピックは、どちらを受けるべきですか。
キッズBEEは小学1〜3年生、ジュニア算数オリンピックは小学1〜5年生が対象です。小学1〜3年生はどちらの参加資格も満たします。過去問で問題の傾向や難しさを比べ、楽しんで取り組める種目を1つ選びましょう。未就学児は参加できません。
Q3. 対策はいつから始めればよいですか。
目標によって変わります。大会を体験することが目的なら春からでも始められます。トライアル通過やファイナルを目指す場合は、前年の秋から冬に過去問へ触れ始めると、考える時間を確保しやすくなります。
Q4. 広中杯とジュニア広中杯の違いは何ですか。
対象学年と出題の目安が異なります。広中杯は中学1〜3年生が参加でき、主に中学3年生を想定しています。ジュニア広中杯は中学1・2年生が対象です。小学生はどちらにも参加できません。中学1・2年生は両方の参加資格を満たしますが、1大会で参加できるのは1種目です。
Q5. 中学受験をしない子でも意味がありますか。
あります。むしろ、受験と切り離して算数の面白さに触れる場としての価値が大きい大会です。順位や入賞を目的にしなくても、考え抜く経験そのものが残ります。
まとめ
算数オリンピックの全体像を整理します。
5種目それぞれの参加可能学年を確認する
キッズBEE(小1〜3)/ジュニア算数オリンピック(小1〜5)/算数オリンピック(小1〜6)/ジュニア広中杯(中1・2)/広中杯(中1〜3)。未就学児は参加できません。学年は大会年の4月時点で確認し、1大会につき1種目を選びます。
流れは春申込・6月トライアル・7月ファイナル
2026年大会の実績です。翌年の日程は公式発表を確認しましょう。準備開始は、体験・予選通過・入賞など目標に合わせて決めます。
中学受験算数と重なる力も、異なる比重もある
算数オリンピックでは、条件を観察し、その場で考え方を組み立てる比重が高くなります。
<監修/和から株式会社 堀口智之>
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