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CAPMとは【経済用語をやさしく解説】

公開日

2022年12月26日

更新日

2026年10月10日

この記事について(2026年10月8日確認)
ベータ(β)を「資産とマーケットの相関を表す項」と説明していた箇所を、マーケットに対する感応度(共分散をマーケットの分散で割った値)に訂正し、定義式を補いました。あわせて記号の表記ゆれを直しています。

この記事の主な内容

CAPMとは

CAPM(資本資産価格モデル)とは、個別のリスク資産とマーケットポートフォリオの期待超過収益率の関係が変数\(\beta\)を用いて説明できることを表すモデルです。マーケットポートフォリオとはTOPIXやS&P500といったインデックスのように網羅的にマーケットのリスク資産を時価総額に応じて組み入れたポートフォリオです。

\(E(R_i)=R_f+\beta_i[E(R_M)-R_f]\)

\(E(R_i)\)は資産\(i\)の期待リターンです。また、\(E(R_M)\)はマーケットポートフォリオの期待リターン、\(R_f\)は安全資産(主に国債)の期待リターンです。また、\(\beta_i\)はデータより決定される資産\(i\)のベータ係数と呼ばれる値で、資産\(i\)とマーケットポートフォリオのリターンの共分散を、マーケットポートフォリオのリターンの分散で割って求めます(\(\beta_i=\mathrm{Cov}(R_i,R_M)/\mathrm{Var}(R_M)\))。

\(E(R_i)-R_f\)、\(E(R_M)-R_f\)をそれぞれ資産\(i\)とマーケットポートフォリオの期待超過収益率と呼びます。期待超過収益率は安全資産に投資した場合と比べて投資対象がどれくらい多くの収益を平均的にもたらすかを表します。期待超過収益率を用いて、CAPMの式は\(E(R_i)-R_f=\beta_i[E(R_M)-R_f]\)という風に変形できます。

このようにCAPMはβを用いてマーケットの期待超過収益率から個別銘柄の期待収益率を決定できるため、重要です。資産の期待リターンはβで表す各資産のマーケットポートフォリオに対する感応度を用いて計算できるので、資産がマーケットポートフォリオの中に組み込まれている限り期待リターンが計算可能です。

CAPMの仮定

CAPMの結果は合理的な市場参加者によるポートフォリオの最適化をモデル化することによって得られます。投資家(市場参加者)は同じリターンに対しては、ポートフォリオに内在するリスク(分散)をなるべく低くしたいと考えています。また、同じリスクを持つポートフォリオ間ではなるべくリターンが大きいポートフォリオを選択したいと考えます。このように、投資家の平均(リターン)と分散に関する効用を考えることでCAPMの結果が得られます。

CAPMの解釈

実際にある株式の期待リターンを求めるには安全資産のリターンを10年国債のものとして、マーケットポートフォリオの期待リターンをTOPIXの期待利回りとして用います。最後に、マーケットポートフォリオの個別株への影響を表す数値としてのβをBloombergやReutersなどのメディアで調べることができます。これらより、実際の個別株に対しての期待利回りを計算することができます。

さらに、βはマーケットのリターンが動いたときに資産のリターンがどれだけ動くか(マーケットに対する感応度)を表します。相関係数\(\rho_{iM}\)と標準偏差\(\sigma_i,\sigma_M\)を使うと\(\beta_i=\rho_{iM}\sigma_i/\sigma_M\)と書けるので、βは相関だけでは決まらず、資産とマーケットの値動きの大きさの比にもよります。βが高いほど資産の期待超過収益率が高くなるため、CAPMより基本的にはマーケットに対する感応度(β)の高い銘柄ほど期待リターンが高くなると分かります。ただ、ポートフォリオの中に期待リターンの高い資産を詰め合わせれば良いかというと必ずしもそうではありません。マーケットの変動との相関が少ない銘柄はリスク分散の効果を発揮するのでリスクを最小化するためにはポートフォリオの中に必要です。

参考:CAPMとは【経済用語をやさしく解説】-大人の数トレ教室

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<文/須藤>

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