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CAGR(年平均成長率)とは【経済用語をやさしく解説】

公開日

2022年11月13日

更新日

2022年11月13日

CAGRとは

CAGR(Compound Average Growth Rate)とは一定期間における売上高や営業利益の各年成長率のことです。日本語では年平均成長率というように、何年分かの成長率の平均がCAGRになります。

CAGRの計算方法

CAGRを計算するにあたって、\(1\)~\(N\)年度の数値を用いるとします。このとき、下の式によってCAGRは計算されます。

初年度から\(N\)年度の成長を\(\frac{1}{N-1}\)乗して1を引いています。
例えば、初年度から\(2\)年度の成長を計算するのであれば\(\frac{2年度の数値}{ 初年度の数値}-1\)で計算することができます。そのため、\(N\)年分を計算するには\(\frac{1}{N-1}\)乗します。このように\(\frac{1}{N-1}\)乗を行うのは、隣り合う年度の成長率と異なり\(N\)年間の平均の成長率となるためです。また、この式について特筆すべき点は成長率の平均を計算するために初年度と\(N\)年度の数値しか使用していないという点です。

上のように考えることでこの式を導くことができます。CAGRは平均の成長率なので、初年度の数値に\(1+CAGR\)を\(4\)回かけることで\(5\)年度の数値になります。CAGRは成長率であるため成長した数量に元の数量を足す必要があり、\(1+CAGR\)を掛けます。また、上図において\(2\)年度・\(3\)年度・\(4\)年度の数値が(仮)となっているのは、必ずしも途中の年度の数値は一致しないからです。CAGRの計算では本来バラバラである成長率を均一にそろえているため、途中の年度の数値が一致しません。

よくある間違い

例えば、ある企業の売上が次の表のような推移で動いており、\(2019\)年から\(2022\)年の\(4\)年間のCAGRを計算したいとします。

CAGRは年平均成長率なので、初めは\(\frac{10+50+20+0}{4}=20%\)という風に前年度比成長率を平均して計算してしまうかもしれません。しかし、これでは間違いになってしまいます。初年度の売上をもとに\(1+CAGR=1.2\)を用いて\(5\)年度の売上を計算すると、\(4147.2\)となり、一致しません。

また、初年度から\(5\)年度の売上が\(98%\)増えていることから、単純に\(98÷5=19.6%\)と計算しては間違いです。この場合も\(5\)年度の売上は\(4092\)となり一致しません。

CAGRの活用

CAGRは各年の平均的な成長率を表した数値なので、適切な期間のCAGRを計算することによって大まかに売上高の将来予測を行うことができます。一つ前の表の例であれば、CAGR\(=18.6%\)であったので、\(6\)年度の売上はおよそ\(4697\)と予想できます。
また、CAGRは指定した期間の成長傾向を示すため企業の信用リスクやM&A・投資の際の検討材料となります。複数の企業の成長性を比べたいときにも使われる指標です。CAGRの考え方は投資における複利計算とも関係が深いので、この機会にぜひ覚えてみてください。

参考:CAGR(年平均成長率)とは【経済用語をやさしく解説】-大人の数トレ教室

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<文/須藤>

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