長時間の対局ほど負けやすい?藤井聡太竜王の最新対局時間別グラフを考察してみた【将棋】
公開日
2022年6月11日
更新日
2022年6月11日
みなさんこんにちは、大人の数トレ教室の堀口です。
先日、藤井聡太竜王は千日手に持ち込めば勝てるんじゃないか説ということで、普段の勝率が8割を超えるような藤井聡太竜王が千日手の時の勝率が5割近いということについてお話しさせていただきました。
その件から、もしかすると長時間の対局に少し弱いのではないかという可能性が浮上したので、それについて最新の対局結果を踏まえた上での対局時間別の勝率を見ながら話していきたいと思います。
この記事の主な内容
将棋における持ち時間
まず初めに、実は将棋では棋戦によって以下のように持ち時間が変わっています。
これだけ持ち時間が違うと、持ち時間の消費に対する考え方や戦略などが変わってきます。
ここで、藤井聡太竜王は持ち時間が長い対局では比較的弱いのではないかという仮説が出てきたわけですが、実際にデータを調べてみると全く違うことが読み取れたんです。
こちらがこれまでの対局を時間別にまとめた表です。
これを見てみると明らかに持ち時間が長い方が勝率が高そうだという結果が出てきました。
特に持ち時間が6時間、8時間の時に関しては90%を超えています。
やはり、藤井聡太竜王は他の棋士と比べても読みの深さやキレのようなものに関して突出している部分があるので、持ち時間が長い方が強いというシンプルな結果になってしまったということです。
グラフを使って詳しく見てみる
これはグラフを見るとさらにわかりやすいです。
ここで注意点なのですが、順位戦(同じクラスの人同士での戦い)というのは6時間なのですが、そこではプロの棋士の中では比較的弱いような方と対戦する機会が多かったので、勝率が高いというのは当たり前といえば当たり前と言えるかもしれません。
ただ、持ち時間が長い方が単純に勝率が高そうな気がします。
また、ここで先手と後手に分けた時の対局時間ごとの勝率を見てみると以下のようになりました。
青色が先手の時の勝率、オレンジ色が後手の時の勝率なのですが、どちらも共通して持ち時間が多い時の対局において、勝率がなんとなく高いような気がします。
しかし、1時間、3時間、4時間のような比較的持ち時間が短い対局においては、先手と後手の勝率が10ポイント以上変わってきます。
通常は先手の勝率は52~53%、後手の勝率が48~47%となるので、先手と後手でここまで勝率の誤差が出てくることはあまりないんです。
これはかなり注目すべきことだと思います。
藤井聡太竜王の弱いところ
言い方を変えれば、持ち時間が短い対局かつ後手になってしまうと勝率がかなり下がるということがわかり、藤井聡太竜王の少し弱い所になると思われるので、これは戦いを見る上での注目ポイントになのかなと思います。
最終的には最初の仮説は間違っていたというふうになりそうなのですが、持ち時間の短い対局において先手と後手の勝率が大きく変わってくるというのは、今後の藤井聡太竜王の対局を見ていく上での注目すべきポイントになると思いますので、ぜひ注目していきたいなと思います。
藤井聡太竜王の勝率についてYouTubeでも解説しているので、是非ご覧ください。
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<文/堀口智之>