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起立性調節障害と勉強の両立|午後から始めるという選択肢

公開日

2026年10月22日

更新日

2026年10月22日

午後の低い光が机に差し込む水彩イラスト

朝どうしても起きられない。午前中は頭が働かないのに、夕方になると元気になる。そのために学校に行けず、勉強も止まってしまう。起立性調節障害(OD)のあるお子さんのご家庭から、こうしたご相談をいただきます。

この記事では、体調の波を前提にした学習の組み立て方を整理します。なお私たちは学習の伴走者であり、診断や治療を行う立場にはありません。体調そのものについては、必ず医療機関にご相談ください。

まず、珍しいことではありません

日本小児心身医学会によれば、ODの有病率は軽症例を含めて中学生の約10%とされています。さらに不登校の約3〜4割にODが併存するとも指摘されています。

「怠けているのではないか」と本人も家族も疑ってしまいがちですが、自律神経の働きによって血圧や心拍の調節がうまくいかないことで起きる、身体の症状です。症状は午前に強く、午後に軽減する傾向があるとされています。この日内変動を、学習設計を考える際の前提にします。

一日の中でゆるやかに変化していく波を描いた図

午前に合わせない、という発想

学校の時間割は午前から始まります。そこに合わせようとすると、いちばん体調の悪い時間帯に、いちばん頭を使う教科を置くことになります。

しかし自宅で学ぶなら、時間帯は動かせます。主治医の助言や睡眠のリズムも踏まえ、午後など本人が取り組みやすい時間を選ぶ。症状の特性に合わせて時間帯を決める方法です。

受講の時間帯を変えることで、集中できる時間が変わる場合があります。

体調に波があるときの学習設計

1回の長さと頻度を調整する
1回の長さと頻度は、本人の体調や負担に合わせて調整します。長時間の学習で疲れが強くなる場合は、短い時間に分ける方法を検討します。

長く間隔の空いた学習と、短く間隔を詰めた学習を比べた図

「その日の状態から始める」形にしておく
予定どおりに進められない日にも対応できるよう、復習や休息を選べる余地を残します。その日の状態を見て、進むか、前回の復習に留めるかを決められる形にしておきます。

キャンセルの負担感を減らす
「休むと申し訳ない」が積み重なると、体調とは別の理由で続かなくなります。振替やキャンセルの条件は、申し込み前に確認しておきます。

積み上げ教科を優先する
使える時間と学校の課題を確認し、優先する教科を決めます。算数・数学では、次の単元に必要な内容から復習する方法があります。

オンラインという選択肢

ODの症状の一つに、起立時のめまいや立ちくらみがあります。移動そのものが負担になることがあるため、自宅で受けられる形は、それだけで負担を減らします。

体調が優れない日でも、横になれる場所のすぐ近くで受けられる。移動時間がないぶん、開始直前まで休んでいられる。こうした違いが、学習を続ける条件になります。

なお、自宅でのICT等を活用した学習について、一定の要件のもとで校長の判断により出席扱いとできる制度があります。詳しくは不登校の出席扱い制度の記事で整理しています。

やらないほうがいいこと

「気合いで朝起きる」練習をさせること。症状の特性に反する取り組みで、うまくいかなかったときに本人が自分を責める材料が増えるだけです。

体調のいい日に無理をして詰め込むこと。疲れや症状の変化を見ながら、本人に合う量で区切ります。学習量に迷う場合は、主治医にも相談します。

学習の場だけで症状の原因や治療を判断すること。学習に必要な体調や配慮は本人・保護者と確認し、診断や治療は医療機関へ相談します。必要に応じて学校とも情報を共有し、支援を調整します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 何時から受講できますか。

時間帯は調整できます。午後や夕方以降のご希望も承っています。体調の波がある場合は、固定の曜日・時間にせず、その都度決める形も可能です。

Q2. 当日キャンセルが増えそうで申し込みにくいのですが。

体調に波があることを前提に組みますので、その点は最初にご相談ください。続けられる形を先に決めてから始めるほうが、結果的に長く続きます。

Q3. 診断はまだ受けていません。

診断の有無にかかわらずご相談いただけます。ただし体調そのものについては、私たちは判断できる立場にありません。気になる症状が続く場合は、小児科など医療機関にご相談ください。

Q4. 学校の勉強に追いつけますか。

学習の進み方は体調や理解度によって異なります。学校の課題や本人の目標を確認して優先順位を決め、算数・数学では次の単元に必要な内容から復習します。

Q5. 本人が勉強したがりません。

体調が整わない時期に無理に始めると、勉強そのものへの印象が悪くなります。始める時期を含めてご相談ください。始めないという判断も、ときには正しい判断です。

まとめ

体調の波と学習を両立させるときの要点です。

症状は午前に強く午後に軽減する傾向がある
学習の時間帯を動かせるなら、頭が働く時間に合わせる。

1回の長さと頻度を調整する
学習の継続だけを優先せず、体調によって休む日も設けます。

移動をなくすだけで負担が減る
オンラインは、それ自体が体調への配慮になります。

役割を分けて連携する
体調は医療機関、学校との調整は学校、学習設計は私たち。

<監修/和から株式会社 堀口智之>

体調の波に合わせて、組み直せます

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