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制作会社ゼロ、撮影ゼロ。和からの法人研修CM、実はぜんぶAIで作りました【制作秘話】

公開日

2026年8月15日

更新日

2026年8月16日

和からではこのたび、法人研修を紹介するCMを2本公開しました。緊迫した会議室を描いた実写ドラマ風の「全部AIに任せたら編」と、明るいアニメーションで研修前後の変化を描いた「数字で語る組織を目指す編」です。

映像だけを見ると、撮影をして制作会社に編集を依頼したように見えるかもしれません。ところが今回は、撮影も外部への制作発注もしていません。登場する人物も実在の俳優ではなく、すべてAIが生成した架空の人物です。

企画や台本づくりから映像・音声の生成、最後の編集まで、生成AIを使いながら社内で仕上げました。実際に作ってみると、すんなり進んだところばかりではありません。この記事では、制作中に困ったことや、細かく調整した部分も含めてご紹介します。

この記事で分かること

  • 人間1人と2つのAIツールで、どこまでCMを作れたか
  • 日本語テロップ・固有名詞の読み・場面の連続性で起きた失敗
  • AIに任せる工程と、人が判断する工程の分け方

まずは完成した2本をご覧ください

「AIに任せておけば大丈夫だろう」。そんな空気が漂う会社の会議室で、話が思わぬ方向へ進んでいく様子を描きました。社員も役員も、映像に登場するのはAIが生成した架空の人物です。

こちらは、研修の前後で会議がどう変わるのかをフラットアニメで表現したCMです。混乱していた会議が、研修をきっかけに「数字で話せる会議」へ変わっていく様子を29秒にまとめました。

人間1人と、2つのAIツールで制作

制作体制
人間 1人
主なAIツール
2種類
撮影・外部発注
0

今回の制作で主に使ったのは、AIアシスタントの「Claude」と、動画生成AIの「Hailuo(MiniMax H3)」です。

Claudeは、CMの方向性を考える段階から使いました。コンセプトや台本、シーンごとの秒数を整理し、Hailuoへ渡す英語の指示文も作成。生成した動画をつなぐ、音量を調整する、テロップを入れるといった編集では、Claudeにプログラムを書かせて作業を進めました。

映像・BGM・ナレーションの生成にはHailuoを使用しました。MiniMax H3は映像とステレオ音声を同時に生成でき、今回使った設定では1回の生成は最長15秒でした。そのため、長いCMは複数のクリップに分けて作り、最後に編集でつないでいます。

人間が担当したのは、方向性を決めることと、生成されたものを見て修正を指示することです。作り始める前はもう少しAIに任せられると思っていましたが、完成度を左右したのは、むしろ人による確認と調整でした。

日本語の文字が、なかなか思いどおりにならない

最初に困ったのは、映像内の日本語テロップです。別の動画を作ったとき、「その好奇心は、」と表示したかったのに、「その好奇しは、」となってしまいました。一文字だけですが、テロップとしてはそのまま使えません。作り直しても、2回続けて同じように文字が崩れました。

そこで、指示文の中に「好奇心は、好・奇・心の3文字。最後は必ず『心』」と一文字ずつ書く方法を試しました。また、特に大切な文章は最初からAIに描かせず、編集時にテロップとして載せるようにしました。今回の法人研修CMでは、この方法で文字の崩れを防いでいます。

問題:「その好奇心は、」が「その好奇しは、」に崩れる
対処:文字を一字ずつ指定し、重要な文言は編集時に追加する

社名を「ワズカラ」と読まれてしまった

アニメ編のナレーションは、「数字で語れる組織へ。和からの法人研修。」という短い一言です。ところが、生成された音声を聞いてみると、「和から」が「わずから」と読まれていました。

直し方は意外と単純でした。音声生成用の指示だけ、社名をカタカナの「ワカラ」に変更したのです。画面には表示されない文章なので、見た目を気にする必要もありません。AIに正しく読ませるには、人に見せる文章とは別の書き方が必要な場合があると分かりました。

問題:社名の「和から」を「ワズカラ」と読む
対処:音声生成用の台本だけ「ワカラ」とカタカナで指定する

0.35秒の「間」を残す

ドラマ編では、8本のクリップをつないだ初稿を確認していると、28秒あたりに不自然な空白がありました。調べてみると、1.3秒ほど完全に音がない区間が入っていました。

そこで無音部分をカットしましたが、今度は「どうするんだ!」と「誰が決めた!」の間が詰まりすぎて、会話がせわしなく聞こえます。少しずつ長さを変えて確認し、最終的には0.35秒だけ間を残しました。

わずかな違いですが、聞いたときの印象はかなり変わります。こうした細かな演出は、AIが出したものをそのまま使うだけでは整いません。最後は人が見て、聞いて、調整する必要がありました。

1.3秒 → 0.35秒無音を消し切らず、会話として自然な「間」だけを残しました。

別々に作った映像を、同じ場面に見せる工夫

アニメ編は、前半の「課題編」と後半の「変化編」を別々に生成しました。ただ、同じ指示で2回作っても、オフィスの内装や登場人物が少しずつ変わってしまいます。

そこで使ったのが参照画像です。前半の最後のフレームを画像として切り出し、後半を作る際に「この状態から続けて」と渡しました。すると、後半も同じ部屋、同じ構図から始まり、照明だけが明るく変わる映像になりました。

結果として、そのつなぎ目が「研修前から研修後への変化」を見せる演出にもなっています。生成AIの制約を避けるのではなく、見せ方に利用できた部分です。

連続性を保つコツ:前半の最終フレームを、後半生成時の参照画像に使う。人物・部屋・構図の変化を抑えながら、場面転換の演出にもできます。

今回かかった外部費用

動画生成AIの外部費用
1本あたり、おおむね3,000円以内
撮影費・スタジオ代・出演料は0円/社内の企画・確認・編集時間は別

プロの制作会社による映像と比べれば、細部の表現や仕上がりに差はあります。一方で、まず形にして試したいときや、複数の案を短期間で比較したいときには、かなり使いやすい方法だと感じました。

和から式|AI動画の公開前5点チェック

今回の失敗と調整を、次回も使える確認表にまとめました。生成直後に一度、編集後にもう一度、同じ順番で確認します。

確認項目 見るポイント 今回の対処
伝えたいこと 15秒ごとの場面が、CM全体の主張につながっているか 台本と各シーンの秒数を先に固定
文字 日本語・数字・社名に崩れがないか 重要な文言は編集時にテロップとして追加
音声 固有名詞の読み、音量、無音区間は自然か 「和から」を音声指示では「ワカラ」と記述
連続性 人物・部屋・構図が前後で変わっていないか 前のクリップの最終フレームを参照画像に使用
間とテンポ 詰まりすぎ、長すぎる無音がないか 0.35秒単位まで聞き比べて調整

ポイントは、生成回数を増やす前に「何が不自然なのか」を文字・音声・連続性・テンポに分けることです。問題の種類を分けると、再生成するのか編集で直すのかを判断しやすくなります。

CM制作を通じて見えてきたこと

今回の結論:AIを使えば人の作業がなくなるわけではありません。大切なのは、何を作りたいかを具体的に伝え、生成結果を見極め、人が手を入れるべき箇所を判断することでした。

こうした考え方は動画制作だけでなく、資料作成、データ分析、企画など、さまざまな仕事に共通します。

和からの生成AI研修では、ChatGPT・Claude・Copilotなどの業務活用を、各社の実際の業務に合わせて扱っています。自社で試行錯誤した経験も交えながら、AIに任せる部分と、人が確認すべき部分を具体的にお伝えします。

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