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マスログ

2022/05/31

歯車計算機械の歴史ー前編【NUMERACYトークライブ】

2021年6月24日、工学院大客員研究員である前山和喜さんをお呼びし、コラボイベント第2弾「計算とは何か―歯車計算機械編-」を開催しました。その一部zoomでのセミナーの様子を記事にして公開します!様々な計算キ、タイガー計算機などの歴史とその魅力とは。前山和喜さんの多様な知識と大人の数トレ教室堀口智之との対談をぜひお楽しみください!

計算キを分類する

前山和喜(以下、前山):それでは、計算キの分類をしたいと思います。

まずは卓上計算キと呼ばれている計算キのことです。これは机の上で使かえる計算キのことを言うのですが、なぜそのように呼んでいるかというと、逆に言うと机の上に乗せることができない計算キがあったからなんです。

つまり、電子計算機というのは机の上に乗らないぐらいで、教室一部屋全部電子計算機みたいなものです。今もスパコンは机の上には乗らないですけどパソコンは乗るわけですから、そういう意味ではパソコンは卓上計算キに分類してもいいのかなと思います。

そして、卓上計算機の一種類として手回し計算機と呼ばれるものがあります。手回し計算機というのは基本的には人間が手で回して動力を得るもののことを言うのですが、半電動式というものがあって、回転の部分は電気でやって、数値のセットや数値の計算の読み取りなどは人間がやるものもあります。

さらにこれがもっと発展すると電動式卓上計算機と呼ばれる、ボタンを押したらあとは全部計算をやってくれて、印字までやってくれたりするものがあります。

堀口智之(以下、堀口):手回しから電動になるには時代的には10年、20年あるんですか。

前山:いや、これらの時代は同時並行で進んでいくんです。

堀口:そうなんですね。それらはの違いは値段が違うとかそんな感じのことなんですか。

前山:そうです。値段が違うとか、電気の方は信頼性がないって思われたりとか、逆に信頼性があると思われたりとかの違いですね。

堀口:時代を感じますね。

前山:今の人たちで言うAndroidが良いかiPhoneが良いかみたいな違いですよね。

堀口:確かにそんな感じかもしれないですね。

前山:だから、人間が計算機を選ぶ基準は計算の性能だけがすべてじゃないんです。計算機なのにカメラの性能とかを重視する人もいますよね。そういう話です。

話を戻して、電動式卓上計算機の「電」は電気を動力とした卓上計算機という意味で、電池を使って行うものもあり、それが電子式卓上計算機と呼ばれるもで、通常電卓と呼ばれるものです。
電卓になると皆さんが思い浮かべる電卓とほとんど機能が同じですし、その発展形が今も続いています。
電動式卓上計算機と電子式卓上計算機、似ていますけどまったく別物なんです。

タイガー計算機の経済

前山:それでは次は先ほど実演したタイガー計算機について話していきたいと思います。


タイガー計算機(実物)

以下がタイガー計算機の型番のスライドです。

堀口:面白いですね。換算価格が現代の値段で考えたときの値段ですかね。昔は100万もしたんですね。

前山:途中から跳ね上がるのは戦争の関係です。タイガー計算機自体の価格は、桁はそんなに変わってないくらいですね。

堀口:今のパソコンと同じぐらいの値段ということですか。

前山:タバコ換算にすればですね。タバコは政府が管理しているもので自由競争の場に置かれてなかったので、歴史学としてはちょっと怪しくはありますね。

堀口:確かに何かCPI(消費者物価指数)とかで見ないと少し怪しい感じがしますね。

前山:なのでここはニューメラシー(数的読解力)が試されるところですね。

堀口:確かちょっと怪しいところはありますが、ざっくり見れば数十万ぐらいのオーダーってことですよね。

前山:そうです。感覚的にはとても高いわけではなくて、一般的に今パソコンを仕事上で使うのとそんなに変わらないですね。基本的に、1950年代になると一事業所には少なくとも1台はあったと言われています。

これは販売台数ではなくて生産台数なんですが、これ、1969年まで発売してその後パッタリ販売をやめてしまうんです。

堀口:販売終わってから50年ぐらいたって、それを修理する人もいなくなりますよね。

前山:というのと、実はタイガー計算機は経営的には失敗したと言われているんです。

堀口:こんなに売れているのにですか。

前山:なぜかというと、これが今でも動くことから分かる通り、壊れないんですよ。
パソコンって5年ぐらいで壊れますよね。壊れないやつ売ってくれてもいいような気もしますけど。でもそういうことですよね。
なので、OSを古くするなどのビジネスモデルを作っているからパソコンっていうのがビジネスとして成立しているわけです。

堀口:考えさせられますね。

前山:経営や歴史の観点からしてみても、壊れなかったのでメンテナンスをしっかりしていたんです。だから、手回し計算機の界隈ではトップなんですよ。
なんですが、もう少し壊れやすかった方がこんな急には下がらなかったんじゃないかなと。そしてさらに、急に下がっているのは電卓が出るからなんですね。

堀口:その時代に出るんですね。

前山:はい。電卓が出てしばらくはやれていましたけど、やはり皆が使うようなものが出ると、みんなそっちに流れていって一気に使う人がいなくなっていきました。ガラケーとiPhoneみたいな感じです。

ガラケーみたいに自分の強みを活かして生きていくことができた可能性はあるんですが、タイガー計算機はそうならずに一気になくなってしまいました

堀口:累計だとどのくらいの台数なんですか。

前山:型番がいっぱいあるので少し難しいんですけど、僕が持っているのは12万台とか出ていたやつですね。

堀口:そうすると当時は結構売れていて、事業所であればだいたいみんな持っているものだったんですね。

前山:後は例えば、国会図書館の公開している菅法(菅式簡便計算法)と呼ばれるものを読むと、タイガー計算機の広告があるんです。

堀口:そうなんですね。

前山:なぜ戦前に政府がそんなに売っていたのかというと、戦争で使われていたからですね。

■後半はこちらをご覧ください。⇒「歯車計算機械の歴史ー後編【NUMERACYトークライブ】

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<文/尾崎>