借金しすぎで自己破産が増えた件について数字で解説【youtubeで動画公開】
公開日
2022年5月2日
更新日
2022年5月2日
みなさんこんにちは、大人の数トレ教室の堀口です。
今回は特例貸付金と自己破産の関係について考えていきたいと思います。
この記事の主な内容
特例貸付金とは
みなさんは特例貸付金という制度を知っていますか?これはコロナ禍で減収してしまった世帯に、無担保無保証無金利で国が生活資金などのお金を貸し付けるという制度です。
この特例貸付金という制度でお金を借りた方の約5000人の方が自己破産してしまったというニュースが話題になっていました。
この特定貸付金というのはおおきく2種類に分かれていまして1つ目は「緊急小口資金」、もう1つは「総合支援資金」。
それぞれの内容はこのようになっています。
この制度が始まったのは2020年からなのですが、実はこの制度の利用者はとても多いんです。
初めは1週間あたりで4~6万人、そこからコロナがある生活が当たり前になってきて落ち着いてきてはいたのですが、それでも週あたりで1万人ほどが継続的に利用しているのです。
累計の利用件数は約330万件でその貸し付けられたお金の総額は1兆3800億円にも上ります。
特例貸付金の問題点
特例貸付金はもちろん貸付であり、返してもらえるお金なので基本的には問題ないわけですが、貸し付けられているお金が増え続けている中、この制度によって返済不可能な方が一定の割合で出てきているというわけなんですね。
そこで何が問題かというと、基本的に審査がない、つまり返せる保証をあまり考えずに貸付をしているということなんですね。
コロナ禍の中で少なくとも60万人の方が職を失ってしまったという状態なので、最低でも60万人程の方には利用する価値のある制度だったと考えられますよね。
コロナの影響で失業者が増えると言われていた中で、自己破産の件数が増えていないことを見ると、もしかするとこの制度がこの状況を助けてくれているのかもしれないとも思えるわけです。
特例貸付金制度と自己破産の関係
ここで気になるのは、この貸付によって本当に自己破産してしまう人が多くいるのかということなのですが、私はそうとも言えないのかなというふうに思います。
自己破産をしてしまう時の借金額のデータを見てみると、特例貸付金の制度を両方使った時の80万円で自己破産してしまう人はそこまでいないことがわかります。
また、借金をしてからどれくらいの期間で自己破産をしている人が多いかを見てみても、1年未満~2年未満で自己破産する人はほとんどいないんです。
重要になっていくこと
そこで重要なのが原因へのアプローチなわけです。
今回の件で原因になっていることは収入が絶たれた、もしくは減ってしまったことなので、それに対しての経済的なアプローチが必要になってくるわけです。
これがなければ、今回の貸付制度というのは本当に有用であるとは言い切れないです。
当時の専門家でおっしゃっていた方がいたように、コロナというのはすぐに収束するはずでした。
しかし、実際はそうはいかず、現在すぐにコロナ前の経済に戻るのは難しいわけです。
そこで、コロナがあることを前提に我々の経済や職の仕組み、自分自身のスキルセットを変えていくことへのアプローチが重要であるというふうに私は思います。
特例貸付金と自己破産についてYouTubeでも解説しているので、是非ご覧ください。
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<文/堀口智之>