足し算を距離と動きで捉える-考えたくなる算数④-
公開日
2022年5月2日
更新日
2024年8月4日
こんにちは。和からの西原です。
社会人になると算数・数学が苦手でもどこから学び直したらよいかわからない・・・といったご相談を解決するためにスタートした、算数を小学1年生で学ぶ内容から説明していくマスログは、前回に続き、今回は小学1年生で学ぶ内容と、数を大きくした範囲の中で「足し算を距離と動きで捉える」について記載します。
さっそくですが、一緒にみていきましょう。
この記事の主な内容
1.動く方向
足し算は右へ移動すること
最初に、3 + 6の計算からみていきましょう。
【Step0】上の図のように数の線(数直線)を書いてください。※スタートがわかるように、一番左側の目盛に0を必ず入れてください。
【Step1】0をスタートして、右に3移動。
【Step2】3をスタートして、右に6移動。
【Step3】現在位置は、3 + 6 = 9の答えと同じ9になります。
次は、数を大きくして、26 + 37を計算していきます。
0をスタートして、右に26移動、右に37移動した後の位置、63になります。
26 + 37の計算は、一の位同士の足し算が10を超える繰り上がりがあるため、やりづらい方のために工夫したいと思います。
数を二つに分けます。ただ二つに分けるのではなく、「片方は区切りの良い数にする」ことで、計算がしやすくなります。
移動を意識したいので、下図から矢印で表します。
「右に26移動する」→「右に20移動」してから「右に6移動」することと変わりません。
足し算の順番を変えても同じ性質(交換法則)を上手に使うと、
26 + 37 → 「右に20移動」、「右に30移動」、「右に6移動」、「右に7移動」の順に移動すると63になります。
区切りの良いかたまりである20と30は合わせて右に50移動したことと同じ、残りの6と7は合わせて右に13移動したことと同じです。
2.足し算は右に移動、引き算は?
足し算を「右へ〇〇移動」とすると、「じゃあ引き算は?」
うっすらと気づいていながらも、聞きたくなるのではないでしょうか。
そうです。引き算は、「左へ移動」です。
「右へ移動する」だけでなく、「左へ移動する」ことを理解すれば、さらに計算を工夫する方法が浮かびやすくなり、計算を楽にしてくれます。
少し乱暴かもしれませんが、数を勝手に大きくした後で、左移動による調整方法をご紹介します。
頭の中の考えを出来るだけシンプルにするために、下図の記載内容を減らします。
例えば、+ 37は、「右に40移動したあと左に3移動」といったように考えてみます。
3.区切りの良い数を探そう
26 + 37の計算を、近くにいる「区切りの良い数」への移動と引き算の「左へ移動」をミックスして考えていきます。
26は、「区切りの良い右に30移動(あとで左4に移動)」
37は、「区切りの良い右に40移動(あとで左に3移動)」とすると、
先に右方向をまとめて移動してから左方向をまとめて移動することができます。
4.距離を把握しよう
さらに数を大きくしていきます。253 + 629を2通りの方法で考えていきます。
数直線の長さを変えなくても、目盛に大きな数を表示すると、距離感を掴めるようになっていきます。
必要最低限の目盛だけ書くようにしましょう。
〈右移動だけで考える方法〉
【Step1】253を250と3に分ける。
【Step2】629を600と29に分ける。
【Step3】端数同士(区切りの良い数の残り3、29)を足し算する。
【Step4】「右に250移動」、「右に600移動」、「右に32移動」した後に882の位置にいます。
少しだけアレンジ版
629を、620と9に分けると大きな数同士の右移動は870と少しわかりづらくなりますが、
端数同士の計算は「右に3、右に9となるため、右に12移動」とわかりやすくなります。
計算に慣れてきたら、こちらもオススメです。
〈右移動と左移動で考える方法〉
【Step1】253は先ほど同様に「右に250」と「右に3」に分ける。
【Step2】629は「右に650」と「左に21」に分ける。
【Step3】右に900移動した後、「端数同士の右に3、左に21移動は、左に18移動」と考えると、
【Step4】答えと同じ882に辿り着きます。
少しだけアレンジ版
629を650ではなく、630と考えると大きな数同士の右移動は880と少しわかりづらくなりますが、
端数同士の計算が「右に3、左に1となるため、右に2移動」とわかりやすくなります。
計算に慣れてきたら、こちらもオススメです。
今回は、「足し算を距離と動きで捉える」についてご紹介させていただきました。
区切りの良い近い数を探すことは、のちにご紹介する「足し算の繰り上がり」や「引き算の繰り下がり」を少しでも楽にしてくれる方法でもあります。
また、足し算、引き算を動きで捉えることにより、引き算の予習をしています。
次回は、「引き算(減算)の概念とコツ」についてご紹介いたします。
(文/西原)
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