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マスログ

2021/10/08

雨の日はベクトルを思い出して。


こんにちは。和からの数学講師の岡本です。なにやら詩的なタイトルになりましたが、今回は雨とベクトルについてお話をしていきます。これを読めば効率よく傘を活用できます!!

1.雨と傘

雨の降る日は傘をさすのが一般的です。しかし、傘をさしているからといって濡れない保証はありません。というのも、雨は風の影響を受けて斜めに降りかかってくることがほとんどです。絵に描いたように傘を真上に向けてさしていると、当然ですが足元は斜めに降ってきた雨でびしょびしょになります。

もう少し効率よく傘を活用したいわけですが、ここで数学が登場します!

2.ベクトルとは

高校の数学で初めて登場する「ベクトル」という概念。いまいちベクトルって何なの?と思う方も多いと思います。そこで、簡単にベクトルについて復習しておきます。

ベクトルとは、「向き」と「大きさ」の情報をもつもの。

簡単にいうと上の通りで、視覚的に表すために我々はよく「矢印」を使います。矢じりの方向で「向き」を表し、矢印の長さで「大きさ」を表すことにすれば、非常に理にかなった表現となっています。

さらに、「向き」というものは数字で表現できます。例えば、\(xy\)平面上の\((1,1)\)の点から\((2,3)\)の点に移動するには、「\(x\)方向に\(1\),\(y\)方向に\(2\)」進めば言い訳です。この\([1,2]\)という、「進む向き」をベクトルとして考えることもできます。この数字が大きいほど、ベクトルが大きく、2つの数字の比によって方向が定まります。このことから、ベクトルは以下のように考えることもできます。

ベクトルとは、「数字の列」である。

実際にこの捉え方は非常に重要で、データ分析の中で扱う数字の列を「ベクトル」と考えることがあります。

さて、話は逸れましたが、平面上では2つの数字のペアでベクトルを表すことができました。同様に3次元空間上では、3つの数字のペアでベクトルを表すことができます。

3.雨とベクトル

私たちが住んでいる世界は(時間軸は考えず)、位置情報をだけを捉えると「3次元空間」と考えることができます。今回の話では、自分自身を原点として雨の降ってくる方向を考えます。
ここで話を単純化するため、降ってくる雨はカーブせず、自分にある程度近い範囲では、雨が平行に降ってくると仮定します。
ここで重要なのは、雨の降ってくる向き(ベクトル)さえわかれば、傘をその方向に向けることで最大限に雨を防ぐことができるという点です!

しかし、3次元空間内で雨の降ってくる向き(ベクトル)を把握することは難しいように思えます…。

4.雨の直交分解

空間内の向きを把握するのは難しいかもしれませんが、1つの方向で見える、「雨の向き」を捉えることはできます。そこで、傘を持ったまままず行っていただきたいのは以下のステップになります。

①どこでもいいので1つの方向を見て、雨の向きを捉える。
②その方向を防ぐように傘の方向を定める。
③最初の向きから90度(どちらの向きでも可)回った方向を見て、雨の向きを捉える。
④その方向を防ぐように最初に向いた方向(あるいはその逆の向き)に傘を傾ける。

このステップを踏むことで、雨の降ってくる向き(ベクトル)を捉えることができ、傘で最大限雨を防げます。
これは何をやっているのかというと、自分を中心に3次元の直交する座標を考え、例えば最初に向いた方向を\(x\)軸、次に向く方向を\(y\)軸、そして真上の方向を\(z\)軸とします。すると雨の降ってくる向きのベクトルは3つの成分で表されます(ベクトルの直交分解)。

まず\(x\)方向を向いたとき、見えている雨の向きは、雨の3次元ベクトルにおける\(y\)成分と\(z\)成分でできる影の2次元ベクトルになります。次に向いた方向は\(x\)成分と\(z\)成分でできる影の2次元ベクトルとなり、\(z\)成分を変えないまま\(x\)成分を調整すれば、雨の3次元ベクトルの情報を捉えることができます!

ここで今回のまとめです。

直交する2つの方向を見れば、傘を向けるべき方向が定まる

5.さいごに

いかがでしたでしょうか?今回は身近な話題である「雨」と、その数学的な考え方についてまとめてみました。このほかにも日常生活で困ったことがある場合、数学的なモデルを考えるとしっくりきたり、効率化できることがあります。この機会に算数や数学を学びなおしてみてはいかがでしょうか!

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<文/岡本健太郎>


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