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リスクとリターンの調整!―ポートフォリオ理論入門その1―

公開日

2020年10月14日

更新日

2020年10月14日


こんにちは。和からの数学講師の岡本です。今回は株価のリスクやリターンについてお話します。株に投資するのであれば、なるべくリスクが小さい方がいいですよね。実は、2つの株をうまく選び、うまく投資する比率を調整することで、リスクを非常に小さく抑えられることがあります!今回は言葉使いや事例について説明をしていきます。

1.株価のリスク、リターン

まずは、そもそも「リスク」「リターン」って何?というお話からはじめましょう。

株価の推移を表す折れ線グラフをご覧ください。このように、時間の経過によって数値の推移を表すデータを大まかに「時系列データ」といいます。株価は時系列データと考えることができます。
 200日以上の株価のデータがあります。平均値を計算しましょう。

平均線を入れた図が上のグラフです。株価の平均値をその株の「リターン」といいます。また。グラフをみると、平均周りにデータがばらついていることがわかります。このばらつきを示す量として「標準偏差」というものがあります。

この標準偏差のことを「リスク」と呼びます。確かに、株価の高騰・下落が激しい=平均周りのばらつきが大きいと「リスクが高い」というイメージ通りですね。

2.2つの株へ投資する見

次は2つの株に投資することを考えましょう。1つの株に対してリスク・リターンがあるわけなので、2つ以上の株の場合、リターンは上がるかもしれませんがリスクもそれなりに大きくなる印象があります。実際に2つの株にそれぞれ一定の比率(投資比率と呼びます)で投資した場合、リスクやリターンがどれだけにあるのかを計算してみようと思います。
 ここでは、株価Aと株価Bを考えます。それぞれ推移と、平均値(リターン)、標準偏差(リスク)は以下のような状況です。

ここで、例えば株価Aを85%、株価Bを15%の比率で、投資するとしましょう。このときのリターンとリスクは以下のようになります。

リスクがもとの株より大きくなってしまいました。ハイリスクですし、リターンはB以下なので、この比率の選択はやめた方がよさそうです。では、比率を反転して、株価Aを15%、株価Bを85%とします。すると

リスクが減少しました!もう少し抑えられるか探ってみましょう!次は株価Aが40%、株価Bが60%のときを考えます。

なんとリスクが87.539まで減少しました!しかも驚くべきことに、もとの株価よりもリスクが下がっています!このように株価をうまく合わせ、うまい比率に調整することで、リターンはそこそこ保たれ、ときにリスクを大幅に小さく抑えることができるのです。

3.さいごに

いかがでしたでしょうか。うまく投資比率を調整することで、リスクを大きく減少させることができました!しかし、今回扱った株価AとBが「うまい組み合わせ」だからこそリスクを激減させる結果となりました。つまり、どんな2つ株についても比率を調整することでリスクを小さくできるとは限りません。次回はどのような株価の組み合わせがいいのか、数学的な説明とともに解説いたします!お楽しみに!

リスクとリターンの調整!―ポートフォリオ理論入門その2―

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<文/岡本健太郎>

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