文科省も注視!数学指導要領の裏側に見る、データサイエンス時代のキャリア必須スキル
公開日
2025年11月26日
更新日
2025年11月17日
みなさんこんにちは!和からの数学講師の岡本です。今回は、AI時代における数学学習の重要性、特に「ベクトル」と「行列」の必要性について、あるニュース記事を切り口に深掘りしたいと思います。
この記事の主な内容
指導要領見直しとAI時代の数学:ベクトルと行列の必要性
先日、数学の指導要領見直しに関する記事を目にしました(Yahoo!ニュース記事)。この記事では、AIの急速な発展に伴い、数学教育がどのように変化すべきかという重要な議論が展開されています。AIやデータサイエンスが社会のインフラとなる中で、数学の役割は「解くこと」から「理解し、応用すること」へとシフトしています。
この変化を鑑みると、私岡本は、数学教育において特に次の二点が、文系・理系を問わず学ぶべき必須の内容だと強く感じています。
- ①ベクトルは文系理系問わず学ぶべき
- ②線形代数の初歩的な内容として行列を文系理系問わず学ぶべき(そのためにベクトルは必須)
1.AI・データサイエンスの土台となる「線形代数」
なぜ行列やベクトルが重要なのでしょうか?それは、現代のAI技術やデータ分析の多くが、線形代数という分野に基づいているからです。線形代数は、ベクトルや行列を使って多次元の情報をシンプルに扱うための「数学の共通言語」なのです!大量のデータを効率的に処理し、複雑なパターンを認識するAIの「頭脳」の仕組みを理解するためには、この線形代数の視点が不可欠だと思っています。

2.行列の理論が使われている具体的な実例
行列の理論は、皆さんの日常にも深く関わっています。その強力な応用例を見てみましょう。
①ニューラルネットワークと行列
AIの中核をなすディープラーニング(深層学習)は、多数の層(レイヤー)で構成されるニューラルネットワークによって実現されます。このネットワーク内で行われる、入力データ(ベクトル)に対する重み付けや変換の計算は、すべて行列の掛け算で実行されています。行列がなければ、AIは動かないと言っても過言ではありません。
②データサイエンスと行列
データサイエンスにおいて、大量のデータは「行列」として整理されます。例えば、主成分分析や回帰分析といった重要な手法は、行列の特性(固有値・固有ベクトル)を利用することで、データの本質的な特徴や、影響力の大きい要素を効率的に抜き出しています。
③画像処理とコンピュータグラフィックス
皆さんが普段見ているデジタル画像や映画のCGも、行列がその仕組みを支えています。ピクセル一つ一つの色や座標はベクトルで表され、画像の回転、拡大・縮小、遠近法の適用といった操作は、行列の線形変換によって瞬時に処理されています。
3.さいごに:未来のスキル「線形代数」を体系的に学ぶ
いかがでしたでしょうか?「AIの仕組みを理解したい」「データ分析を深く使いこなしたい」と考えるなら、線形代数の学習は避けて通れません。これは、未来のキャリアを築く上で、英語やプログラミングと同じくらい重要な、新しいリテラシーです。
和からでは、この現代社会に必須のスキルを、数学が苦手な方でも理解できるように徹底的にかみ砕いた「線形代数講座」を提供しています。単なる計算練習ではなく、行列やベクトルが「現実世界で何を意味するのか」という応用と理論をバランスよく学べます。ぜひこの機会に、AI時代の新しい数学を身につけましょう!
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<文/ 岡本健太郎>



