小数の掛け算のやり方【算数からやさしく解説】
公開日
2022年8月10日
更新日
2024年8月4日
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この記事の主な内容
小数の掛け算
ここでは、小数の掛け算のやり方を解説します。
普通の掛け算はできるけど、小数の掛け算になると苦手と感じるという方も多いはず。
小数の掛け算を行う際のポイントは小数点の位置になります。小数点の位置さえ決めてしまえば、小数の掛け算は通常の整数の掛け算と同様に計算できます。
また、過去の記事に「小数とは」についての解説があるので、小数の考え方に不安がある方はまずそちらから学ぶことをお勧めします。
(参考:小数とは【算数からやさしく解説】)
小数と整数の掛け算
小数と整数の掛け算を行う際には、まず小数点の右側にいくつ数字が並んでいるかを数えます。
\(0.23×9\)を計算する場合、\(0.23\)の小数点の右側にある数字は2つと分かります。
次に、小数点を無視して通常の掛け算と同様に計算をします。\(0.23\)のように一番左に\(0\)がある場合、それを無視して計算しても構いません。上の例の場合、\(23×9\)をして\(207\)と求めましょう。
最後に、最初に数えた小数点以下の数字の数の分だけ小数点をずらします。\(207\)は\(207.0\)と考えることができるので、小数点を左に\(2\)つずらして\(2.07\)が答えです。
小数同士の掛け算
次に、小数同士の掛け算についても考えましょう。小数同士の掛け算の場合でも、
1.小数点以下の数字の数を数える
2.整数として掛け算を行う
3.小数点の位置を左にずらす
という方法は変わりません。
例として、\(2.7×0.04\)を考えてみます。
前回と違うのは小数が\(2\)つあるという点ですね。この場合は、それぞれの小数点以下の数字の数を数えます。\(2.7\)であれば\(1\)個、\(0.04\)であれば\(2\)個となります。それぞれを足して、小数点以下にある数字の合計は3つです。
次に、小数点を無視して\(27×4\)を計算して、\(108\)を得ます。
最後に、\(108\)を\(108.0\)として考え、最初に右に小数点を\(3\)つ分ずらしたため、左に小数点を\(3\)つ分ずらして答えは\(0.108\)になります。
なぜこの方法を使うのか
先ほどの\(2\)つの例では、小数点の位置を一度右にずらして整数にしました。その後、小数点の位置を右にずらした分だけ左に戻しました。
では、なぜこのような方法で小数の掛け算を考えることができるのでしょう?
小数点の位置を右に一つずらすということはその数を\(10\)倍していることになります。
また、右に二つずらすと\(100\)倍、三つずらすと\(1000\)倍です。
例えば、\(2.7\)を右に一つずらすと\(27\)(\(10\)倍)になり、\(0.04\)を右に二つずらすと\(4\)(\(100\)倍)になります。
全体で\(10×100=1000\)倍していることが分かります。
そのまま\(27\)と\(4\)を掛け合わすと\(108\)になりますが、このままだと\(1000\)倍したままなので小数点を左に\(3\)つずらすことによって元に戻します。
小数点を左に一つずらすことによって、その数を\(0.1\)倍(\(\frac{1}{10}\))にすることができ、左に二つずらすと\(0.01\)倍(\(\frac{1}{100}\))にすることができます。この場合だと、最初に\(1000\)を掛けているので小数点を左に三つずらすことによって\(0.001\)倍(\(\frac{1}{1000}\))にしています。
小数同士の掛け算の活用例
小数の掛け算は割合を扱うときによく使われます。
例えば、アウトレットモールでよく見るセールなどでも使う機会があります。\(30\)%OFFの商品がレジにて更に\(30\)%引きされるといったキャンペーンの場合、実は\(2\)つ合わせても\(60\)%オフとはなりません。元の値段を\(1\)とすると、まず最初に\(30\)%OFFされた価格が\(0.7\)になります。そこにさらに\(30\)%引きを加えると、\(0.7×0.7=0.49\)になります。実際には\(2\)つ合わせて\(51\)%引きにしかなりません。
また、スーパーで買い物をするときもポイントカードに貯まるポイントを計算するとき、\(5\)%還元であれば買い物の金額に\(0.05\)を掛けることで求まります。
このようにして、我々の日常生活の中には小数の掛け算を用いる機会が潜んでいることが分かります。
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<文/須藤>