広中杯・ジュニア広中杯とは?中学生の数学大会をまとめて整理する
公開日
2026年10月19日
更新日
2026年10月20日
中学生が挑戦できる数学の大会には、いくつか種類があります。なかでも名前が挙がりやすいのが広中杯とジュニア広中杯、そして日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)です。
これらは主催団体も時期も出題形式も異なりますが、まとめて「数学の大会」と語られるため混乱しがちです。この記事では、中学生向けの数学大会を整理します。
この記事の主な内容
広中杯とは
広中杯(全国中学生数学大会)は、一般財団法人算数オリンピック委員会が主催する中学生向けの大会です。対象は中学1〜3年生(主に中学3年生)で、小学生は参加できません。算数オリンピックと同じ委員会が運営しており、位置づけとしては算数オリンピックの中学生版にあたります。
大会名は、数学者の広中平祐氏に由来します。日本人として2人目のフィールズ賞受賞者であり、算数オリンピックの公式組織概要では大会名誉会長とされています。
ジュニア広中杯との違いは対象学年と出題の目安
ジュニア広中杯は2004年に始まった種目で、対象は中学1・2年生です。中学3年生と小学生は参加できません。中学1・2年生は広中杯とジュニア広中杯のどちらの参加条件も満たしますが、同じ大会で複数の種目には参加できないため、1人1種目を選びます。学年は大会開催年の4月からの学年で判断します。
主催と開催時期は同じですが、対象学年に加えて出題の目安も異なります。公式の大会種目と概要では、広中杯は原則として中学3年生の1学期修了、ジュニア広中杯は原則として中学1年生修了を目安としています。ただし、どちらも平面幾何(相似)はこの限りではありません。中学1・2年生は、両方の過去問を見て、学習の進み具合と手応えに合う種目を選びましょう。
日程は算数オリンピックと共通
広中杯・ジュニア広中杯は、算数オリンピック委員会が主催する5種目の一部です。開催日・応募方法・参加費は5種目すべて共通で、2026年大会は次の日程でした。
申込:4月1日〜5月20日
トライアル(予選):6月14日
ファイナル(決勝):7月19日
日程は年度により変わります。最新情報は算数オリンピック公式サイトでご確認ください。
JJMOとは別の大会です
日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)は、公益財団法人数学オリンピック財団が主催する、まったく別の大会です。
主な違いを整理します。
主催団体:広中杯は算数オリンピック委員会/JJMOは数学オリンピック財団
時期:広中杯は6月トライアル・7月ファイナル。2026〜27年のJJMOは、予選が2026年11月15日、本選が2027年2月11日です。
出題形式:JJMOは予選が12問の答えのみ(各1点)、本選は5問の証明問題で記述式です。証明を書かせるという点が大きな特徴です。
その先:JJMOは国際数学オリンピック日本代表候補の選抜も兼ねており、上位5名は代表選考合宿に招待されます。ただし、JJMOがJMO受験の必須経路というわけではありません。中学生も、JMOの応募資格を満たせば参加できます。具体的な応募条件は後述のFAQで整理します。

2026年の両大会は開催時期が重ならず、参加条件を満たしてそれぞれの締切までに手続きを済ませれば、春夏に広中杯、秋冬にJJMOという形で両方に挑戦できる日程でした。2026年10月20日時点で、同年11月予選のJMO・JJMOの募集は9月10日に終了しています。次の大会を検討する際は、試験日だけでなく募集期間も両主催者の公式情報で確認してください。今季の日程・応募条件は、第37回JMO募集要項と第25回JJMO募集要項に掲載されています。

和から式・大会選びの4項目
大会名だけで決めず、次の4項目を並べて選びます。
- 対象学年:自分が応募条件を満たすか
- 時期:学校行事や受験勉強と両立できるか
- 形式:単答式と記述式のどちらを経験したいか
- 目的:難問を楽しむ、予選通過、証明力を伸ばす、どれを重視するか
証明答案は、主張は何か→根拠が書かれているか→途中に論理の飛躍がないかの3段階で読み直します。
学校の数学と、何が違うのか
中学校の定期テストは、習った内容が定着しているかを測る設計です。範囲があり、出題の形式もある程度予測できます。
大会の問題は、その場で考え方を組み立てることを求めます。特にJJMOの本選のように証明を書かせる形式では、答えが合っているかどうかより、なぜそう言えるのかを他人に伝わる形で書けるかが問われます。
和からの指導現場では、証明を書く経験が、条件を整理し、根拠を言葉にする練習になると感じています。大会成績だけでなく、他人が読める形で考えを表す経験そのものに価値があります。
どんな中学生に向いているか
定期テストでは物足りない子。点数は取れるが手応えがない、という状態のときに、次の階段として機能します。
「なぜ」を書きたがる子。答えだけでなく理由を説明したくなるタイプは、証明形式と相性がいいです。
難問に長く向き合える子。1問に30分以上かけられることは、それ自体が力です。
一方、いま学校の数学でつまずいている段階であれば、大会より先に土台の立て直しを優先したほうが結果的に近道です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 広中杯とジュニア広中杯、中学2年生はどちらに出るべきですか。
中学2年生はどちらの参加条件も満たしますが、同じ大会では1人1種目を選びます。公式の出題目安は、ジュニア広中杯が原則中学1年生修了、広中杯が原則中学3年生の1学期修了です。どちらも平面幾何(相似)はこの限りではありません。対象学年だけで決めず、両方の過去問を見て手応えを確かめましょう。
Q2. 広中杯とJJMOは、両方受けられますか。
主催団体が異なる別の大会なので、それぞれの参加条件を満たし、申込期間内に手続きをすれば両方に参加できます。2026年は広中杯が6〜7月、JJMO予選が11月15日、本選が2027年2月11日という日程です。ただし、2026年10月20日時点で今季JJMOの募集は9月10日に終了しています。次の大会については、年度ごとの公式日程と募集期間を確認してください。
Q3. 中学生でもJMOに出られますか。
中学生も応募資格を満たせば参加できます。第37回JMOの応募資格は、2026年11月時点で大学教育(またはそれに相当する教育)を受けていない20歳未満の人です。これとは別に、IMO代表はIMO大会時点で高校生以下の人から選抜されます。2026年はJMOとJJMOの予選が同じ11月15日13時〜16時に実施されるため、目的や出題水準を見てどちらかを選ぶ日程です。なお、2026年10月20日時点で今季両大会の募集は9月10日に終了しています。
Q4. 証明問題の書き方は、学校では習いません。
中学校では図形の証明を扱いますが、大会で求められる記述はそれより自由度が高く、型だけでは対応しきれません。書いたものを読んでもらい、伝わらない箇所を指摘してもらう経験が必要になります。
Q5. 対策はいつから始めればよいですか。
大会を体験するだけなら、申込後からでも準備できます。通過や入賞を目標にする場合は、広中杯なら前年の秋〜冬、JJMOなら春〜夏を一つの目安にし、現在地と学校予定に合わせて調整しましょう。
まとめ
中学生向けの数学大会を整理します。
広中杯=中学1〜3年生、ジュニア広中杯=中学1・2年生
小学生はどちらにも参加できません。対象学年だけでなく、原則の出題目安も異なります。学年は大会開催年の4月基準で、同じ大会では1人1種目を選びます。どちらも算数オリンピック委員会の主催で、日程は算数オリンピックと共通です。
JJMOは別団体の別大会
数学オリンピック財団の主催。2026〜27年は予選が2026年11月15日、本選が2027年2月11日で、本選は5問の記述式です。
開催日と募集期間を分けて確認する
2026年は春夏の広中杯と秋冬のJJMOで開催時期が分かれていました。ただし、2026年10月20日時点で同年11月予選のJMO・JJMOの募集は9月10日に終了しています。次の大会を検討する際は、公式の応募条件と募集期間を確認してください。
問われるのは「その場で組み立てる力」
定期テストとは別の軸で、高校数学以降でも役立ちます。
<監修/和から株式会社 堀口智之>
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