マスログ

100までの数を把握する-考えたくなる算数①-

公開日

2022年4月25日

更新日

2024年8月4日

こんにちは。和からの西原です。
大人のための数学教室で算数、中学数学、高校数学、SPIなどを教えるようになって数年が経ちますが、数学が苦手な方や嫌いな方の多さに驚かされます。
ところが、皆、心のどこかでは「わかりたい」・「理解したい」・「学び直したい」という気持ちも強く、やはりできないよりはできるようになりたいものの1つが「数学」かと思っています。

さて、そんな中、数学が苦手な方のほとんどは「算数」を理解しているようで、本質を理解できていないことに起因していると思っています。そこで今回、新シリーズをマスログで始めたいと思います。

わたしは個別カウンセリングや個別授業で「昔から算数・数学が苦手で嫌い。でもやっぱり、仕事や日常生活で必要だからどうにかしたい。」という相談をよく受けます。しかし、算数のどこから苦手なのかは個人差があり、割合の計算が苦手という方は、その前の段階で学ぶ小数や分数もよくわからないといった場合が多いため、遡ることが多々あります。
そこで本シリーズは、最初から始めようということで小学1年生から小学校6年生までで学ぶ「算数」をできるだけ細かく分けてお伝えしていきたいと思います。
「算数を基礎の基礎から考えたくなるように学び直そう」をコンセプトに、

  • ・わかるとおもしろい!
  • ・わかりづらいところがあっても、上手な付き合い方を考えてみる

この2つを大切に、自身が経験した苦い思い出なども取り入れながら進めていきたいと思います。それでは今回は、小学校の1年生で学習する「100までの数を把握する」ことについて一緒にみていきたいと思います。

1.100までの数を数える意味:「位の数」を意識できるようになる

1~10までの数は、10本の指を折り曲げながら数えることができます。しかし、10を超えると今度は折り曲げた指を戻すことが必要になり混乱してしまいます。
リズムと一緒に数えることは何なく出来ても指を折り曲げることと、数の把握に関連性が無くなってしまいます。では、11~100はどうしたらよいでしょうか。数え方と一緒にみていきましょう。

数を数え上げていく際、0(ゼロ)の扱い方はとても大切です。今回は0(ゼロ)について、あまり触れていませんが、位の中の数が何もない(空っぽ)状態であると考えることができます。
9の次の数である10から考えていきます。10は、さっき9まで使いきってしまったので、これ以上使えるものがないため、位を増やして表すこととします(十の位を一の位の左隣に置くことで、「位」の概念が誕生します)。十の位を1増やすことで、一の位は0(一の位に何もない)まで戻すことが出来ます。

10は、1(十の位) + 0(一の位に何もない)とすることができます。
11は、1(十の位) + 1(一の位)と表すことができます。
12は、1(十の位) + 2(一の位)
13は、1(十の位) + 3(一の位)

19は、1(十の位) + 9(一の位)
ここで、一の位はいっぱいまで使いきってしまったため、十の位を1増やし、一の位をリセット(0)すると、20と表すことができます。

21は、2(十の位) + 1(一の位)
22は、2(十の位) + 2(一の位)
23は、…
34は、3(十の位) + 4(一の位)

79は、7(十の位) + 9(一の位)

99は、9(十の位) + 9(一の位)

ここで、十の位も一の位もいっぱいまで使いきってしまいました。そして、次は百の位が登場するということを繰り返して、これからどんどん大きくなる数を把握する力を伸ばしていきます。小学1年生では、120~130程度までを練習していきます。

2.100マスパズルを使った数の場所把握

次は、もう少し把握力を高めるために表を使って考えていきましょう。
下に1から100までの数を小さい順に並べた10*10の表(10*10=100なので
100マスパズル)を準備しました。

「38」 はどのあたりにあるでしょうか?
さっそくですが下の①と②ではどちらの考え方が数を探すのに楽でしょうか?

①左端の1から右に2,3,4…10まで行ったら、
次の段の左端に戻るといったように探しますか?
②「38」は40のちょっと手前だから右端の10から下に降りて、40を探してから左に2マス戻りますか?
①の方法ですと、常に同じ探し方になってしまいます。
②の方法は、どの辺りにいる?から目印となる数(今回は40)の近くであることがわかります。
それでは、もう少し問題を見ていきましょう。今回の100マスパズルは1~100までの数がすべては書かれていません。

問題1

緑色のマス目の数は何でしょう?
どうやって見つけたのかも教えてください。

問題2

オレンジ色のマス目の数は何でしょう?
どうやって見つけたのかも教えてください。

問題3

青色のマス目の数は何でしょう?
どうやって見つけたのかも教えてください。

〈問題1解答〉

緑色のマス目は上の方にあります。
上の段には5、下の段には25があり、右を見ると20があり、15が正解です.
「上の方にある」 → 「1~100の中では最初の方の数」と考えるのも把握力の一つです。

〈問題2解答〉

オレンジ色のマス目は下の方です。77の1段下で、89よりちょっと左側(小さい)と考えることで、87が正解となります。

〈問題3解答〉

青色のマス目は真ん中あたり(50の近く)です。42の一段下なので52といったように少しずつでもどうやって探し当てたのかを説明することは数の把握力を鍛える上で、とても大切だと思います。

3.まとめ

数を正確に数えることはとても重要ですが、目的はそれだけではありません。今回ご紹介した「数を把握する」ことは、後に登場する足し算(和)、引き算(差)でも大きな助けになります。次回は、もう少し数えることを規則的に考えていく、効率性を高める方法について考えていきたいと考えています。

(文/西原)

和からの個別指導」では正に「和」…足し算から、自分のペースで学ぶことができます。算数から苦手意識を克服したい方など、ご興味があれば一度無料カウンセリングでご相談ください!

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