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数学的な基本原理から量子論を学ぶ

  • モデルプラン:【発展】110分×10回

20世紀の最初の四半世紀の間に,ミクロの世界に関する私たちの理解は根本的な変化を遂げてきました. 波動と考えられてきた光は光電効果やコンプトン効果の実験により粒子のようにも振る舞うことが明らかになりました.一方,粒子と考えられてきた電子は光と同様の二重スリットの実験より波動性を持つことが明らかになりました.これら光や電子など量子と呼ばれるミクロな対象は,波のような側面と粒子のような側面の二重性を持つことが本質的な特性であると考えられています.この「波―粒子」の二重性はニュートン力学とマクスウェルの電磁気学という古典論では記述できない現象です. そしてミクロの世界の物理を記述する一貫した理論として量子力学(量子論)が誕生しました.

量子力学によるとミクロな状態の重ね合わせが可能で,それによる干渉や量子もつれといわれる現象が生じることが示されますが,これは現在注目されている量子通信や量子コンピュータに利用されております. 従って量子論はミクロな現象の理解に不可欠で,物理現象の本質を理解するうえでも実用上でも有用であると考えられます.

このように有用な量子力学ですが, これを学ぼうとした場合, 従来の(量子力学の)教程では一粒子の座標表示の量子力学から説き起こし調和振動子,水素原子への応用というように多岐にわたってしかも高度な内容へ展開されていきます. これを記述するには微分方程式や特殊関数,ベクトル解析,群論などかなり高度の数学が必要になります.

ところでこの量子力学の基礎づける領域は,目に見えないものを対象とするため抽象的な概念が多くなかなか理解しにくいものですが,逆にそのため公理論的な方法による記述が可能です.また,しかも基礎部分は比較的簡単な微分積分と線形代数で記述されます.

今回は量子力学初学者を対象としたセミナーとして, 量子力学の基礎構造を理解することを目的とします. そのために定義-要請(公理)という形で組み立てられ抽象的な量によって記述された理論を学びたいと考えます. 具体的にはテキスト『量子論の基礎』に従って5個の要請を前提として,「量子力学の枠組み」, 「演算子形式の量子論」を理解し簡単な応用として「一次元を運動する粒子の量子力学」を学びます.

受講内容

テキストを一緒に読み進めていきます. 基本的にはテキストの内容を(初学者レベルを逸脱しない範囲で)解説,および参加者との対話で進めたいと思います.

なお学習する範囲はテキストの1章から6章とします. また, テキストの目次で♣, ♣♣マークがある項目は初学者向けの内容ではないためスキップします.

※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。

受講対象

・量子力学の初学者
・大学教養レベルの数学(微分積分,線形代数学)を持つことが望ましい.
・高校物理を履修している,もしくはその程度の理解がある方.

※必要とされる線形代数の知識はテキストにて補充が可能と思います.
※微積線形、高校物理を学んでいない場合でも, 量子論を学びたいという意欲があり,それらを理解するために一緒に手を動かして計算する努力をし,最後まで諦めない気持ちをお持ちの方は歓迎いたします.

モデルプラン

【110分×10回】

第1回 「基本的枠組み 量子論と古典論との比較」
第2回 「閉じた有限自由度系,純粋状態 基本的考え方, 要請(公理) 抽象的な量による記述, 要請1 量子状態, 演算子, 要請2 可観測量, 固有値」
第3回 「閉じた有限自由度系,純粋状態 ブラケット, 要請3 ボルンの確率規則 (離散的),期待値, 状態の重ね合わせ」
第4回 「要請3 ボルンの確率規則 (連続的)」
第5回 「不確定性原理, ゆらぎ, 閉じた量子系の時間発展, 要請4 シュレディンガー方程式」
第6回 「エネルギーの固有状態, 確率の保存, 測定直後の状態, 要請5 射影仮説」
第7回 「有限自由度系の正準量子化 正準交換関係のシュレディンガー表現 行列表示」
第8回 「一次元空間を運動する粒子の量子論 波束 トンネル効果」
第9回 「水素原子,調和振動子」
第10回 「時間発展について 時間とエネルギーの不確定性」

※実際のプランはお客様のご要望等によって変更することがあります。

参考テキスト

担当講師

※別の講師が担当することもあります。