ポアンカレ予想のはじまり
公開日
2021年6月10日
更新日
2026年7月25日
大人の教養数学|ポアンカレ予想 ― 「宇宙の形」を数学で見分ける
「球とドーナツは、なぜ”違う形”と言えるのか」――100年間だれも解けなかったポアンカレ予想を、知的好奇心から学ぶ講座です。
カギは「輪が1点に縮むか」。伸び縮み自由の世界(トポロジー)で”形”を見分ける発想を、絵とともにたどります。
受講内容
ポアンカレ予想は、「単連結な3次元の閉じた宇宙は、球面(3次元球面)と同じ形だ」という主張です。カギになるのは"輪が1点に縮むか"。球の表面ではどんな輪も縮められますが、ドーナツ(トーラス)では、穴を回る輪はどうやっても縮められません。よくあるつまずきが、ここでの「形が同じ」が日常語と違うこと ― 伸ばしたり曲げたりで移り合えば"同じ"とみなします。

たった一つの問いが100年ものあいだ数学者を悩ませ、最後は物理由来の手法で解かれました。学ぶと、次のようなものに出会えます。
- トポロジー
伸び縮みで"同じ形"を見分ける発想(位相幾何) - 宇宙・物理
「宇宙の形」をめぐる壮大な問い - 教養・美しさ
100年の難問と、その解決の物語
ポアンカレ予想は、トポロジー・幾何・物理が交わる、20世紀数学の金字塔です。
なお、予備知識は必要ありません。式よりも絵と具体例を中心に、"形の数学"を体感できます。
よくある質問
Q."輪が縮む"とはどういうことですか?
A.表面に置いた輪ゴムを、表面から離さずに1点まで縮められるか、ということです。球ではできますが、ドーナツの穴回りではできません。
Q.何がそんなに難しかったのですか?
A.3次元での証明が極めて困難で、約100年かかりました。最後はペレルマンが物理由来の手法で解決しました。
Q.数学が苦手でも楽しめますか?
A.はい。式より絵と具体例が中心なので、好奇心があれば十分に楽しめます。
Q.宇宙の形と関係があるのですか?
A.「私たちの宇宙が単連結なら球面型」といった議論につながる、壮大なテーマです。
このテーマを含むコース全体(料金・受講の流れ・講師のご紹介)は、ロマンのための数学 個別指導のページでご案内しています。
※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。
受講対象
・「ポアンカレ予想」の中身をやさしく知りたい方
・トポロジー(位相幾何)の考え方に触れたい方
・宇宙の形をめぐる数学に興味がある方
・100年の難問とその解決の物語を味わいたい方
・知的好奇心から現代数学を楽しみたい社会人の方
必要な数学知識
モデルプラン
・「ホモトピー同値」を理解する
・「位相多様体」の不変量としての「基本群」を理解する
・「胞体分割」して基本群を計算できるようになる
・「積空間」「連結和」の基本群を計算できるようになる
・「連結性」の延長としての「ホモロジー類」の理解
・「位相多様体」の不変量としての「ホモロジー群」を理解する
・「胞体分割」して「ホモロジー群」を計算できるようになる
・ポアンカレホモロジー球面が、境界のないコンパクト向き付け可能3次元多様体であることを理解する。
・ポアンカレホモロジー球面の基本群、ホモロジー群を計算し、ポアンカレ予想の主張の意味を真に理解する
・(余裕があれば)ブラウワーの不動点定理(教科書p110)を証明できるようになる
「曲面と結び目のトポロジー」の補章~第3章「ホモロジー群」の3-4まで(2-9の結び目群は除く)をメインに使用します。
参考テキスト
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。



