マスログ

足し算の概念とコツ-考えたくなる算数③-

公開日

2022年4月29日

更新日

2024年8月4日

こんにちは。和からの西原です。
社会人になると算数・数学が苦手でもどこから学び直したらよいかわからない・・・といったご相談を解決するためにスタートした、算数を小学1年生で学ぶ内容から説明していくマスログもいよいよ計算に入ります。
前回の、「数え方について規則的に考え、効率性を高める方法」に続き、今回は、小学1年生で学ぶ「足し算の概念とコツ」について記載します。

数え方について規則的に考え、効率性を高める方法-考えたくなる算数②-

さっそくですが、一緒にみていきましょう。

1.足し算とは?

〈単位を使って意味のある計算をしよう〉
かの有名な発明王エジソンが小学生だった頃の逸話を紹介したいと思います。
ある日の授業で先生が、「1 + 1 = 2」について解説した時、エジソンは先生にこう質問しました。
「どうして 1 + 1 = 2なの?1つの粘土と1つの粘土を合わせたら、大きな1つの粘土のかたまりになる。1 + 1 = 1だよ。」
先生は困ってしまったそうです。
多くの大発明は「なぜそうなるのか?」を考えることで生まれてきたのかもしれません。

〈エジソンの疑問と主張〉

エジソン少年の疑問解決策としてここで計算に意味を持たせることを考えていきます。
粘土1kg + 粘土1kg = 粘土2kgといったように
数に単位(重さの意味をつける)をつけて意味を持たせることで足し算が理解しやすくなります。

算数では、数を数字だけで捉えてしまうと、
・部屋の番号102号室
・あなたの身長167cm
・うまい棒の新価格12円
といった数を、102 + 167 + 12のようにわけも分からず計算してしまう可能性があります。
まず、「何をしたかったんだっけ?」と考えてから数を観察し計算に意味を持たせてください。

2.足し算の練習とコツ

それでは、足し算についてご紹介したいと思います。

〈和の意味〉
計算をおこなう前に、結果を「和」と呼ぶことについても慣れていきたいと思います。
「和」は加法 (足し算)の結果を表します。
 → 足し算 1 + 2 = 3  の答えの“3”が和になります。

〈10を2つのグループに分ける〉
下図のように10を2つのグループに分けて繰り上がりに慣れることができます。
左右を入れ替えても10のグループができることに注目してください。

〈10のグループを作る〉
それでは、一の位同士の足し算6+7を計算していきましょう。
2つの数を足すと10を超えることをイメージできると思います。
先ほどの10を2つのグループに分けるを応用して、今度は10のグループを作ることを
考えていきます。

【Step1】上図より左6に、あといくつ足すと10になる? → 4
【Step2】右7を4と3に分ける。
【Step3】6 + 7 = 6 + 4 + 3 = 13となります。和は13。

同様に4 + 9もやってみたいと思います。

【Step1】上図より左4に、あといくつ足すと10になる? → 6
【Step2】右9を6と3に分ける。
【Step3】4 + 9 = 4 + 6 + 3 = 13となります。和は13。

3.交換法則 順番を入れ替えても「和」は同じ

さきほどの4 + 9の計算ですが、個人的には4と10の距離が遠いと感じます。
ここで、4 + 9の左右順番を入れ替えて、10に近い9をうまく使って計算を考えてみます。

【Step1】9にあといくつ足すと10になる? → 1 ※近くにあるから見つけやすい!
【Step2】4を1と3に分ける。
【Step3】9 + 4 = 9 + 1 + 3 = 13と4 + 9 の和と同じです。
足し算は順番を入れ替えても和は同じになることを交換法則と呼びます。

〈数を大きくして練習しよう〉
グループを20,30,40と大きくしていく練習もしていきましょう。
17 + 47の計算は、

【Step1】17にあといくつ足すと20になるのかを探す → 3 。
【Step2】47を3と44に分ける。
【Step3】17+ 47 = 17 + 3 + 44 = 64となります。和は64。

個人的な考えですが、数が大きくなっていくと計算が少し面倒に感じたりします。
ここで交換法則を上手に使うと計算が体感的に楽に感じます。
47 + 17の計算は、

【Step1】47にあといくつ足すと50になるのかを探す → 3 ※計算の大部分が終わった感じがします!
【Step2】17を3と14に分ける。
【Step3】47+ 17 = 47 + 3 + 14 = 64と和はやはり同じです。

4.まとめ

今回は、「足し算(和算)の概念とコツ」についてご紹介させていただきました。
次回は、足し算をもう少し別の視点から考えてみる「足し算を距離と動きで捉える」ことについてご紹介いたします。

(文/西原)

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