帰国子女の算数|日本語の算数用語でつまずくポイント
公開日
2026年10月23日
更新日
2026年10月23日
海外から戻ってきたお子さんが、算数でつまずく。このとき、算数の力が不足しているのではなく、日本語の算数用語で止まっていることがよくあります。
現地の学校では普通に計算できていたのに、日本の教科書を開いた途端に手が止まる。この記事では、どこで止まるのかを具体的に整理します。
この記事の主な内容
つまずきは3層に分けて見る
帰国後の算数のつまずきは、混ざって見えますが、分けるとこの3つになります。
第1層:用語が分からない。概念は知っているが、日本語の名前を知らない状態。
第2層:やり方が違う。答えは出せるが、日本の学校で教わる手順と違うため、授業についていけない状態。
第3層:本当に積み残しがある。現地のカリキュラムとの差で、未学習の単元がある状態。
ご家庭で心配されるのは第3層ですが、実際に多いのは第1層と第2層です。この2つは、埋めるのにそれほど時間がかかりません。

止まりやすい用語
英語圏から戻ったお子さんで、とくに止まりやすいものを挙げます。
位取りの言い方。千・万・億という4桁区切りは、英語の3桁区切り(thousand, million)とずれます。数字は読めても、日本語で言えない。
割り算の周辺の語彙。商、余り、被除数、除数。このあたりは日常の日本語では使わないため、家庭で日本語を話していても知らないままです。
図形の名前と部位。底辺、高さ、垂直、平行、対角線。形は分かるのに、問題文が読めない。
単位系。メートル法に慣れていない場合、量の感覚がつかめません。計算はできても、答えが妖しいかどうかの判断がつかない。
筆算の書き方。とくに割り算の筆算は、国によって形式が違います。答えは合っているのに、バツになることがあります。
やり方が違うという問題
これが第2層です。代表的なのが筆算の手順と、答えを導く過程の書き方です。
日本の算数は、答えだけでなく式や考え方を書かせます。現地で暗算中心でやってきた場合、「答えは分かるのに書けない」状態になります。これは理解の問題ではなく、表記のルールを知らないだけです。
ここを「理解していない」と評価されると、本人は納得がいきません。実際、理解はしているのです。
どう埋めるか
用語はリストで一気にやる
用語は単元をまたいで出てくるため、単元ごとに出てくるたびに止まると効率が悪い。最初にまとめて確認してしまうほうが早いです。
既知の概念とひもづける
ゼロから教えないこと。「remainder のことを、日本語では余りと言います」という接続の仕方が、もっとも早く確実です。

表記のルールは別途練習する
考え方を書く練習は、内容の理解とは別のスキルです。分けて練習したほうが、どちらも早く仕上がります。
積み残しの確認は、用語を埋めてから
用語が分からない状態でテストをすると、実力より低く出ます。本当に未学習の単元があるかどうかは、そのあとでないと判別できません。
やらないほうがいいこと
学年を下げてやり直すこと。用語で止まっているだけの子に低学年の内容をさせると、退屈し、算数自体を嫌いになります。
「日本語の問題」で片付けること。国語の勉強を増やしても、算数用語は出てきません。算数の中で扱う必要があります。
筆算の形式をすぐに直させること。正しく答えが出ているやり方を否定するのではなく、「日本の学校ではこう書く」と並列で扱うと、抵抗が少ないです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 帰国前から準備できますか。
できます。とくに用語と表記のルールは、渡日前にオンラインで埋めておける部分です。帰国直後の負担がかなり軽くなります。
Q2. 日本語は普通に話せます。それでもつまずきますか。
はい。商・被除数・底辺などの算数用語は、日常会話では使わないものが多いためです。会話が流暢な子ほど、このギャップは見落とされがちです。
Q3. インターに通っている場合も同じですか。
日本国内のインターナショナルスクールに通われている場合も、同じ構造が起きます。将来日本の入試や進学を考えるなら、早めに用語を揃えておく価値はあります。
Q4. 海外在住のまま受講できますか。
オンラインでの受講に対応しています。時差を含めた時間帯の調整は、ご相談時に具体的にご確認ください。
Q5. どのくらいで追いつきますか。
用語と表記ルールだけなら、数回で見通しが立つこともあります。本当の積み残しがある場合はその範囲によりますが、まずは分けて見るところからです。
まとめ
帰国後の算数を見るときの要点です。
つまずきは3層に分ける
用語・やり方・積み残し。多いのは前の2つです。
用語はまとめて埋める
単元ごとに止まるより、最初に一気に確認するほうが早い。
既知の概念とつなぐ
ゼロから教えないこと。知っていることに名前をつける作業です。
学年を下げない
用語で止まっているだけの子に、低学年の内容は逆効果です。
<監修/和から株式会社 堀口智之>
どの層で止まっているか、見分けます
和からジュニアの帰国子女・海外在住のお子さんの算数・数学 個別指導では、用語・表記ルール・積み残しを分けて確認し、必要なところだけを埋めます。全体像は和からジュニアをご覧ください。
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