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意外と理解されていない「RESAS」とは?地域データで未来をつくる最新フレームワーク

公開日

2025年12月6日

更新日

2026年1月8日


はじめに:RESASは“自治体用ツール”ではありません


「RESAS(Regional Economy Society Analyzing System:地域経済分析システム)」という言葉を耳にしたことがあっても、

・行政が使うもの?
・専門家用の難しいツール?
・地図が見られるサービス?

といった曖昧な理解で止まっているケースが少なくありません。

しかし、RESASは本来、あらゆるビジネスパーソンにこそ役立つ“地域理解のOS” と言える存在です。人口・産業・観光・人流・消費といった膨大な地域データを直感的に可視化し、意思決定に使える形で提供する“公的データのハブ”だからです。

本稿では、

・そもそもRESASとは何か
・なぜ政府がこれを整備し、全国に広めようとしているのか
・ビジネスではどう活用できるのか
・日本に残る課題は何か

を、ビジネス視点で分かりやすく解説します。


1. RESASとは?

RESASは2015年に公開された経済産業省など政府が中心となって整備した 地域経済分析プラットフォーム で、自治体や企業が地域の現状を客観的に把握し、政策・戦略づくりに活用できるように設計されています。

特徴は次の通りです:

地図に統計を重ねて可視化できる(GIS機能)
人口・産業・観光・人流など幅広いデータを横断的に閲覧できる
国の公式統計(e-Stat)と民間データを組み合わせて提供
直感的に使えるユーザーインターフェース

一言で言えば、「地域データのダッシュボード」 です。

政策立案だけでなく、商圏分析・出店戦略・マーケティングにも利用できます。


2. なぜ政府はRESASを整備したのか

RESAS整備の背景には、日本が直面する大きな課題があります。

(1)地方の課題が“見えにくい”構造を変えたかった

地方の人口減少、若者流出、産業衰退といった課題は、感覚的には理解されていても、

・本当にどれくらい減っているのか
・どの産業が伸びているのか
・地域間の違いはどれほどか

といった点が十分に可視化されていませんでした。

RESASは、こうした “地域の見える化” を一気に推進するために作られました。

(2)自治体が“勘と前例”で政策をつくっていた

これまで自治体の政策立案は、

・他市の事例を真似る
・昔の成功体験を踏襲する
・感覚的に判断する

といった要素が強く、根拠が弱いことが課題でした。

RESASは、自治体が データを根拠に政策を作る文化(=EBPM) を広げるための基盤です。

(3)地方創生のための“共通言語”をつくりたかった

人口・産業・観光などのデータは省庁ごとにバラバラに管理されており、自治体が取得するのは大変でした。

RESASは、これらをひとつのプラットフォームに統合し、政策議論の共通基盤として整備されました。


3. RESASで何ができるのか(ビジネスでの具体活用例)

RESASは行政向けのツールと思われがちですが、実は民間ビジネスでも非常に使えます。

(1)商圏分析:人口・年齢・生活者特性がすぐ分かる

新店舗の出店戦略や販促エリア選定では、

・人口推移
・年齢構成
・昼夜人口
・世帯収入

などが重要になります。

RESASはこれらを 地図で一瞬で可視化できる ため、商圏のポテンシャル判断が高速化します。

(2)競合エリア分析:産業構造・事業所数・雇用の可視化

例えば飲食業なら、地域ごとの事業所数・売上・雇用数を把握できます。

「なぜこの市は飲食店が強いのか?」
「どの業態が伸びているのか?」

といった洞察も得られます。

(3)観光戦略:訪問者数・人流データが利活用できる

観光マーケティングでは、

・観光客数
・滞在時間
・人流(どこから来てどこへ向かうのか)

といったデータが重要です。

RESASはこれらを地域別に可視化でき、観光プランの設計に役立ちます。

(4)地域課題の特定:人口減少要因や産業転換の把握

人口が減っている理由が、

・若者流出
・外国人労働力の変動
・産業構造の変化

など、何によって起きているかが見えるため、地域戦略の方向性を決めるのに非常に有効です。


4. RESASの強みと日本の課題

RESASの強み

・地域データをまとめて見られる誰でも無料で使える地域経済データ推進プラットフォームとして代表的
・公的統計×民間データというハイブリッド構成
・誰でも使えるシンプルUI
・地域理解の“入り口”として非常に便利
(最新バージョンでは一部の民間データ「携帯電話人流など」が更新を終了している場合もあり)

日本の課題(RESASだけでは解決できない現実)

・データを活用できる人材が少ない
・自治体・企業でEBPM文化が根づいていない
・データのリアルタイム性にはまだ課題がある
・データ連携(省庁・自治体・民間)が不十分

RESASは優れたツールですが、データ活用文化が整わなければ宝の持ち腐れになります。



5. まとめ:RESASは“地域を読む力”を拡張するツール

RESASは、地域の現状を精緻に読み解き、政策やビジネスの意思決定に活用するための強力なツールです。

しかし、RESASを見るだけでは未来は変わりません。
重要なのは、

・データから課題を読み解く力
・根拠に基づいて判断する文化(EBPM)
・政策・戦略につなげる実行力

です。

日本の地方課題は複雑ですが、RESASが示す「データで地域を理解する文化」は、今後の行政・ビジネスに不可欠な基礎となっていきます。

地域を“感覚ではなくデータで読む”時代。RESASはその第一歩となる存在です。

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